福島県のニュース
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第一原発 手順省き雨水排水
東京電力福島第一原子力発電所で、23日未明、汚染水のタンクを囲むせきから雨水があふれそうになり、東京電力は、国が了承した手順を省いて、敷地内に水を排出しました。
手順を省いた排出については、県廃炉監視協議会が22日の視察のあと、「安全が担保されているとはいえない。科学的根拠のあるルールを早く確立すべきだ」と指摘し、早急な改善を求めています。23日午前0時半ごろ、福島第一原発の敷地の一番山側にある汚染水のタンクを囲むせきから、雨水があふれそうになり、東京電力はせきの中の水を採取し、放射性物質の濃度が国の基準を下回っていることを確認して、敷地内に排出しました。
ところが、国が了承した水を放出する際の手順では、放射性物質の濃度を正確に測定するため、いったんタンクに移してから測ることになっていました。
手順を省いたことについて、東京電力は「放射性物質の測定には最低でも1時間程度かかり、タンクに送っていると、間に合わずにあふれるおそれがあった」と話しています。
この手順の省略は、東京電力の独自の判断で行われていて、先週の台風26号以降、すでに19回にのぼっています。
これについて、22日に現場を視察した県の廃炉監視協議会のメンバーで、福島県原子力安全対策課の高坂潔原子力専門員は、「手順通りにやっていない時点で、安全が担保されていないと言わざるを得ない。
東京電力は、独自の判断で対処するのではなく、原子力規制庁と協議して、科学的根拠のあるルールを早く確立すべきだ」と指摘しています。
東京電力が手順を省略して、敷地内に排出する措置をとっていることについて、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、23日の会見で、「別のタンクに移して確認することが原則だが、今回のような台風や大雨で対処できなかったのは大変残念で、仕方がない」と述べ、
定めた手順を変更する必要はないとしながら、大雨などの場合、手順どおりに運用できないこともやむをえないという考えを示しました。
10月23日 19時11分