名古屋グランパスのDF田中マルクス闘莉王(32)が23日、公式戦7戦勝ちなしのチームに苦言を呈した。自身が出場停止だった19日の仙台戦をテレビ観戦。選手個人レベルでは奮闘しているが、チームとしてまとまりがない状況を「テニスじゃないんだから」と厳しく指摘した。次節の大宮戦に向け、闘将が一体感を欠くチームをまとめあげる。
1−2というスコア以上の内容差で現在のチーム状況を露呈した杜(もり)の都での90分。失点はいずれも不運な形だったが、闘莉王はばっさりと切り捨てた。「アンラッキーとは言えない。いつもの悪いパターンで負けた」
CKのこぼれ球を押し込まれた1失点目も、相手のシュートミスが絶好のアシストになった2失点目も、守備の人数はそろっていてやられた。これを闘莉王は「もったいない。合わせて練習してないから、簡単にやられる」と分析。ゾーンで守るセットプレーや、高い位置でのプレッシャーなど、意思統一せねばならない守備の細部があいまいになっていたことが、失点の背景にあったと指摘した。
さらに闘莉王は一体感を欠くプレーぶりを個人競技に例え、「一人一人はなんとかしようと頑張っているけど、11人になると話は別。チームとして戦えていない。テニスじゃないんだから」。リーグ戦ここ6試合で奪った勝ち点はわずかに「2」。にもかかわらず退任が決まったストイコビッチ監督にはもう一度チームをひとつにまとめる意欲を感じられない。
となれば今、それができるのは闘莉王しかいない。「言っときますよ」と不敵に笑った闘将。8月10日の浦和戦以来2カ月半ぶりとなる豊田スタジアムでの大宮戦で、これ以上の醜態をさらすわけにはいかない。 (宮崎厚志)
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