ECB:ストレステストでの資本定義は資産査定より厳格に
10月23日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)は銀行ストレステストで、近く実施する資産の査定よりも、資本を厳格に定義する。ECBは銀行に資本比率8%を求めることを確認した。
資産査定は、2014年1月1日時点で適用されている資本定義に基づいて行われるが、ストレステストはその終了時点で有効な定義に基づいて実施する。ECBが23日、電子メールで声明を配布した。ECBは11月に調査を開始し、3段階から成る審査を2014年10月に完了させた後、域内銀行監督の責務を担う。欧州連合(EU)は世界的な資本規則を19年までに導入する予定。
ECBのドラギ総裁は発表文で、「ユーロ圏の重要銀行に対して統一基準で行う一元的かつ包括的な査定は、欧州とユーロ圏経済の未来にとって重要な一歩だ。審査は域内銀行システムのほぼ85%が対象になる」とし、「透明性が主たる目的だ。この審査によってユーロ圏の銀行の健全性と各行のバランスシートの質に対する民間部門の信頼が高まると期待する」と説明した。
ECBによると、8%の資本要件には2.5%の資本保護バッファーと、「重要とみなされる銀行のシステムへの影響の大きさを考慮した」1%の追加資本が含まれるという。
資本の定義は、規則が国際的な基準「バーゼル3」と同じ内容に収束することにより厳格となる。ECBは来年の早い時期に予備的なリスク査定を行い、さらに詳しい検査が必要な資産ポートフォリオを特定する。その後、銀行バランスシートの完全な査定を実施。さらに14年中に欧州銀行監督機構(EBA)の協力を得てストレステストとともにソブリン債保有についての査定を実施する。
ECBはバランスシート検査の対象となる見込みの124銀行を、12年末のデータに基づいて特定した。最終版のリストは14年にまとまる。
ECBによると、中央で策定したデータ要件と方法に基づいて各国の監督当局が国レベルの査定を行うことになる。
原題:ECB Says Capital Definition Stricter in Stress Test ThanReview(抜粋)
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更新日時: 2013/10/23 17:16 JST