消える書店:ネットに負け相次ぎ閉店 地域中核店も
毎日新聞 2013年10月23日 17時13分(最終更新 10月23日 18時27分)
加えて、書店の本棚で思わぬ拾い物を見つけるという読書家の楽しみも、ネット通販の「お薦め」機能が提供するようになっている。通販で本を買うと、購入履歴や同じ本を買った人たちの傾向を分析し、「こんな本はいかがですか」と表示されるのだ。福岡店長も「『お薦め』の精度が上がったせいで我々の優位性が脅かされた」と話す。
大型書店も生き残りに必死だ。ジュンク堂書店は09年、大日本印刷の子会社になり、同じく傘下の丸善書店と「MARUZEN&ジュンク堂書店」の屋号で新店を大阪などに四つ出した。両書店の岡充孝副社長は「ネットに対抗するには、専門書の豊富な在庫を持つという大型書店の特徴を強調するしかない」と話す。
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「皆さん、本屋さんで本を買ってください。そうしないと町から本屋がなくなります」。海文堂書店最後の夜、福岡店長は店の前に集まった約300人を前に、悲痛なあいさつをした。店は11月下旬、ドラッグストアに衣替えするという。