上田市の飯沼自治会がメガソーラー計画地の近くに設置した「断固反対」の看板=22日 |
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上田市生田の山林20ヘクタールに、東京の業者が最大出力11メガワットで県内最大となる大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する計画を進めており、これに対して地元の飯沼自治会が「木を伐採すると麓の集落が大雨で災害に遭う危険が増す」などとして反対運動を始めた。22日までに「建設断固反対」と書いた看板を地区内の6カ所に設置。業者側は「防災対策にも万全を尽くすので、住民の理解を得たい」としている。
メガソーラーを計画しているのは太陽光発電システム企画・販売の東日本土地開発。同社の計画によると、予定地の山林を所有している東京の不動産会社から今後、土地を買収した上で松や広葉樹を伐採し、太陽光発電パネル4万4千枚を設置する。早ければ2014年春に着工し、15年春に稼働させたい考えだ。
東日本土地開発は「予定通りに稼働できれば、最大出力も敷地面積も県内最大になる」とする。
今年5月に同社の古畑文夫社長らが飯沼自治会の竹花和彦会長(67)宅を訪ねて計画を説明。8月に自治会役員で協議して反対する方針を決め、「伐採することで森林の保水力が失われ、大雨による土石流や大水で麓の集落に被害が及ぶ危険が増す」などとする反対決議書を同社側と県、上田市に提出した。さらに今月3日、地元住民55人(委任状399人)が参加した臨時の総集会でも同様の決議書を全会一致で採択したという。
同自治会によると、計画地から麓の集落へ流れる大沢は過去に何度も大雨で増水し、沢沿いの斜面や林道が崩れた。同自治会の志津田(しづた)和博副会長(64)は「太陽光発電の必要性は分かるが、将来にわたって住民の命を危険にさらすわけにはいかない」と主張する。
東日本土地開発は11月にも県上小地方事務所に、森林法に基づく林地開発許可の申請をする予定。星野良幸専務は「調査の結果、計画地の地盤が強固なことは確認している。大雨の際に水をためる調整池を造成する計画もある。許可申請をした後、地元の皆さんにさらにきちんと説明していきたい」と話している。