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【競馬・ボート・競輪】[ボート]蒲郡ボート開設58周年記念・中日スポーツ杯争奪 G1オールジャパン竹島特別展望2013年10月23日 紙面から 蒲郡ボートの中日スポーツ杯争奪「G1オールジャパン竹島特別・開設58周年記念競走」が24日から29日までの6日間、全国からトップレーサーを集めて開催される。優勝争いの先頭を突っ走るのは地元愛知の二枚看板・池田浩二と赤岩善生か。ともに直前に終わった平和島ダービーでは予選敗退しているが、地元水面に戻れば主役の座は渡さない。賞金ランキング上位につける井口佳典や太田和美も差はないか。平和島ダービーでベスト6入りを果たした田村隆信、若手ナンバーワンのスピードを誇る桐生順平の走りにも注目が集まる。 ◆総展望 赤岩&池田が中心池田浩二、赤岩善生と地元愛知支部の2強が核となる。池田とともに初日ドリームメンバーに選出された太田和美、井口佳典、白井英治、田村隆信、桐生順平が肉薄というのが、戦前のV争いの図式。それでも好メンバー集結の上、賞金レースは終盤段階に入り、さらに期末の戦いとも重なるだけに波乱要素は十分ある。誰が主役に躍り出ても不思議ではない。 服部幸男、菊地孝平、丸岡正典は間違いなく主力級だ。服部はことし3月の当地G2MB大賞で優勝した。百戦錬磨のカリスマレーサーは水面でもピットでも存在感が大きい。菊地はS攻勢と冷静なハンドルワークを武器にリズムに乗りたい。丸岡もターンスピード力発揮で予選上位突破を狙う。 遠征陣を迎え撃つ形となる地元勢。池田、赤岩以外では石川真二、仲口博崇の実力者コンビが黙ってはいない。石川の積極進入姿勢は不変でシビアな調整力も持つ。ことしV量産の仲口は、8月まるがめMB記念出場を機にレースに対するモチベーションが高まる一方。確実に走りがステップアップしている柳沢一、杉山正樹も好エンジンをつかんで一気に突っ走る可能性を秘める。 まるがめMB記念を勝ち上がった毒島誠、5月福岡笹川賞を制した新田雄史とSGウイナーの仲間入りを果たした2人にも注目したい。ともにS力十分でターンスピード力が光る。新田は直前の平和島ダービーでFを切ったが、逆にスリットへの集中力は高まるはずだ。 このほかでは近況の好調さが目立つ吉田弘文、ナイター実績が光る斉藤仁が侮れない。石野貴之、石田政吾、秋山直之、吉田俊彦、吉田拡郎らもV圏内にいる。 ◆池田 輝き取り戻す
蒲郡でシリーズの主役を演じる池田は3月の平和島総理杯で優勝を飾り、直前のダービーまで賞金1位を守っていたが、優勝した瓜生に首位の座をついに明け渡してしまった。ダービーは無念の予選落ち。「自分のイメージ通り仕上げられず、ダービーはすごくストレスがたまりました」と苦々しく話した池田。 「大きなことはしていないけど、ペラだけでは限界があるなという気がしてきましたよ」とこれまでペラを主体にして、調整力を発揮してきた池田に不安を抱かせるぐらいのショックを与えた。 続けて、枠なりのコース取りをこれまでかたくなに守ってきたが「自分から大きく動くことはないけど、簡単に前付けにこさせないようにしないとね。コースや整備も含めて、少しイメチェンを視野に入れていこうかなと思う」とまで言わしめた。 さあ、蒲郡ではダービーの悔しさをバネにひと味違った池田の戦いが見られるか。8月のお盆シリーズでは、エンジン的には上位の存在だったイン石川の一瞬の隙を突いて、2コースから豪快にまくりを決めて優勝を飾った池田。今年の正月戦では予選道中の妨害失格があって、優出は成らなかったが、このシリーズを除けば一昨年の一般戦から5節、ベスト6入りを果たして、地元エースの貫禄を示してきた。 「悪いエンジンを引いた時の対応が課題」となるが、蒲郡なら池田の天性の感性がものをいう。地元ファンの声援を受け、池田が輝きを取り戻す。 ◆赤岩 地元V譲れない
蒲郡の大看板。それが赤岩だ。地元の蒲郡を走る時、赤岩はまさにファイアーストーンと化す。それを見せつけたのが9月の愛知バスABCカップ。初戦、2コースからまくって白星を飾ると、リズムに乗りあれよあれよという間に10連勝。優勝戦もインからトップSを放って逃げ切り。11戦パーフェクトで優勝を飾って見せた。 「もう終わったこと。過去のことを振り返っても仕方がない」といつもクールな赤岩だが、体の中では炎が燃え盛っている。いったん、火が付いたら誰にも消し止められない破壊力が赤岩の魅力。11戦パーフェクトVにも目を見張るが、もっとすごいのが、一昨年の12月「東海地区選手権」から続けた、蒲郡5節連続優勝だ。地区選手権から昨年の1月、4月、5月、8月の蒲郡で全て優勝。4月の周年記念では2コース差しだったが、そのほかはインからの圧勝劇で決着をつけて、これまた他を寄せ付けぬ圧倒的な強さでVをかっさらっていった。季節もエンジンも選手もグレードも違うレースをものともせず、身上の整備力を発揮して力でねじ伏せるレーススタイルにファンはしびれる。 直前の平和島ダービーでは初日(6)(6)着と大敗。これが響いて予選落ちしたが、「しっかり整備はします」と最後まで諦めずに調整する姿があった。勝手知った地元の蒲郡に戻れば、エンジン調整力を前面に出して、ダービーとは一変した走りを披露する。 ◆太田マイペース
6月のとこなめのグラチャンで6回目のSG優勝を飾った太田。津でもダービーを優勝しており、東海地区との相性は悪くない。蒲郡も周年記念では3度のベスト6入りがある。 「蒲郡はある程度のエンジンを引けば、乗りやすいし、どのコースからでも決まる印象がある。好きな水面ですよ」 昨年の周年では準優、6コースから、鮮やかなまくり差しを決めて優出。コースを問わない水面が、攻撃型の太田の戦法にぴったり合う。 直前のダービーでは「少しずつ、ミスが積み重なって」無念の予選落ちだったが、「エンジン的には悪い感じではなかった」と振り返った太田。ペラ制度が変わって、エンジン抽選がものをいうようになったいま「毎節、毎節、エンジンを出すことは難しくなった。悪いエンジンを引いた時にいかにしのぐか、来年に向けての反省点ですね」と課題を話した。 現在の賞金ランキングは5位で賞金王出場は当確だがF休みのため、11月のチャレンジCは不参加。それだけに、蒲郡で賞金を上積みしておきたいところだが、「多分、抜かれると思うけど仕方がないですね。自分のペースでいきますよ」と冷静に目前の戦いを見据える太田だ。 ◆井口 弾みつける
平和島ダービーを振り返って井口は「初日の1R、1号艇。これがリズムを狂わせましたね」と唇をかんだ。限られた時間の中で調整が間に合わず3着敗退。以後、リズムを取り戻すことなく、シリーズが終わってしまった。 「ここまで計画通りに来ましたが、ダービーで賞金を積み上げることができずに、少し計画が狂いましたね。そうなると、次の蒲郡と、まるがめの記念が重要になってくる。津のチャレンジまでにリズムを上げていきたいです」 賞金ランキングは現在、第8位。地元の津で開催されるチャレンジカップでSGを勝ち取ることが、当面の目標だが、暮れの賞金王へ向けて、井口は一戦、一戦が勝負。いよいよスパートをかけてくる。 蒲郡は2008年の53回大会で逃げ切り優勝を飾っている水面だが、「いまはイメージが湧かないけどノートを見返して、調整をしっかりインプットしていきますよ。蒲郡で優勝した後、次の笹川賞を勝ったんですよ。今年も蒲郡で弾みをつけたいですね」。 直前のダービーでは、計画通りにはいかなかったが「やっぱり初日を大事にしてリズムをつくりたい」という教訓をもとに、蒲郡からチャレンジCへ08年の再現を狙う。 ◆安定感の田村
アグレッシブに、それでいて冷静に。SG優勝3、7つのG1を戴冠している田村隆信が全日本選手権でも優出して3着と“銅メダル”。上々のリズムを維持して蒲郡に参戦する。 「今年はあまりいい結果を出している感じはしていないんですけどね」と田村。 今年は1月鳴門・タイトル戦、4月福岡・一般戦とVは2つ。それでも、とこなめ・SGグラチャンで優出2着、5月平和島周年で優出2着、9月児島周年で優出3着。6月三国周年、9月多摩川周年、10月住之江・高松宮記念でも準優出を果たし、安定した成績を残している。 「ペラでいろいろ反省することもありました。でも、ダメな時でも何かはつかめている。あまりテーマは持たない方ですが、常に全体のレベルアップには心掛けています」 今のペラ制度が導入されて悩むことはあった。それでも後ろを向くことなく、前を向いて研究した。だからこそ今の地位が築かれている。 先日の平和島・SG全日本選手権でも日を追うごとにエンジン性能を引き出してV戦進出と存在感をアピールした。蒲郡でもスキルアップした田村が見られるはずだ。 ◆全速ターン桐生
ファンを魅了する豪快な全速ターン。艇界で今、最も旬な男が桐生順平だ。だが、G1のタイトルは取れそうで取れていない。それを現実のものにするために蒲郡へ乗り込む。 「今年はSG出場を目標にしていました。SGで経験を重ねられるようになり、周年も優出して(Vに)手が届くところまできた。あと一歩だと思っています」と桐生は目を輝かせる。 蒲郡周年でもドリームに選出されているように優勝候補なのは間違いない。ただ、蒲郡の印象となると桐生からは威勢のいい言葉は飛び出してこない。 「うーん。いい成績を残しているイメージがないんです。嫌いなコースというわけではないですが」 蒲郡に好印象はないという。その理由のひとつがスタートかもしれない。他場で抜群のSを決める桐生が、蒲郡ではいまひとつ。過去5年の蒲郡で1コースの平均STコンマ21、2コースが同24、3コースは同19だ。わずか41走と出走回数が少ないことを割り引いても物足りない。 それを桐生に問うと「知らなかったです。だからあまりいい印象がないのかも。でも、最近はSの起こし方や見方を微妙に変えているんです。今度は違った結果を出したいですね」。そして「今度の蒲郡はSをテーマします」と力強く語った。
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