親友の結婚式でハイテンションの洋太(中央)。第2の人生に幸多かれ!=20日午後5時5分、岩手県の盛岡グランドホテルで。(20日)
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前WBC世界スーパーフライ級王者佐藤洋太(29)=協栄=が11月20日、東京・後楽園ホールで前WBA世界スーパーフライ級王者河野公平(32)=ワタナベ=と引退試合をすることが決まった。WBCとWBAの前王者同士の“裏王座統一戦”という見方もできる一戦。引退試合はエキシビション程度の試合になるのが通例で、今回もヘッドギアを着けた3回戦で行われるが、佐藤は「ガチンコでやる」と真顔でキッパリ。ダウンシーン必至のスリリングなラストファイトになりそうだ。
佐藤は5月3日のタイでの3度目の防衛戦でTKO負けし引退。以来、ガソリンスタンドのアルバイトをする一方、趣味のスケートボード三昧の日々。スケボーで動き回っていることもあり、コンディションはいい。
当初、引退試合では昨年大みそかに判定で下した宿敵・赤穂亮との対戦を熱望。だが、交渉はまとまらず、ほかに前日本スーパーフライ級王者の井上尚弥らも候補に挙がったが、最終的にオファーを受けた河野が快諾した。
河野は5月6日の初防衛戦でWBA王座から陥落後、再起を目指している。2011年4月に日本王者時代の佐藤に挑んで判定負けした因縁もある。引退を決めた佐藤に勝ってもさほど意味はなく万一やられでもしたら、現役としての立場がない。メリットは少ないが、佐藤の花道を飾ってやりたいというおとこ気で引き受けた。
佐藤は「やるからには本気でやる。男だから負けたくない。練習してないヤツが勝てるほど甘くないのがボクシング。でも3回戦ならまだ河野に負けない。これはWBCとWBAの前王者同士の裏王座統一戦」と言い切る。
来年3月には故郷の岩手に帰り、焼き肉チェーン店店長として再出発の予定。第2の人生に心置きなく踏み出せるように、完全燃焼する。 (竹下陽二)
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