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世界最高性能へ自信/再処理工場 新型溶融炉
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15日に完工した研究開発施設。再処理工場の南側に立地する |
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研究開発施設内に設けられた中央制御室。ここから遠隔操作で試験炉の運転などを行う |
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日本原燃が、六ケ所再処理工場で使用しているガラス溶融炉の2017年の更新を見据え、15日に完工した研究開発拠点施設に設置した新型試験炉には、ガラスの流下不調に悩まされた過去の反省を踏まえ、最新の知見が随所に取り入れられた。原燃が目指すのは「世界最高性能の溶融炉」で、原燃内部からは数年内に実現する─と自信の声が聞こえる。
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07年11月に始まったガラス固化体製造試験では、高レベル廃液に含まれる金属粒子(白金族元素)が、炉底部に堆積し、ガラスの流下性が低下するトラブルを解消できず、3年半にわたる試験中断の主因となった。
原燃はその後、温度管理を徹底し、白金族元素の堆積を抑制する運転方法を確立。改善策が奏功し、再開後の試験は順調に進んだ。原燃は改善策により、現行炉を着実に運転することは今後も可能─としている。
ただ、改善策にも課題はある。ガラスの流下を回復するための洗浄運転は、固化体量の増加につながり、廃棄物減容の観点からは逆行する。一般財団法人「エネルギー総合工学研究所」は、洗浄運転の回数や廃棄物の量を低減できるよう、原燃に一層の技術向上を求めていた。
新型試験炉では、炉の構造を変えるなど抜本から見直した。白金族元素が流れやすいよう、炉の形を四角すいから円すいに改良、炉底部の傾斜角度も45度から60度に変更した。炉底部を加熱する電極も追加した。炉の設計寿命も現行炉の5年に比べ、新型炉は7年となった。
原燃は既に、先行して作った炉底部の試験を実施。中村裕行理事・再処理計画部長は「炉の流下性は向上した。今後の試験で効果を見極めないといけないが、うまくいけば洗浄(運転)をしなくても、炉の運転を継続することができるのでは」との見方を示した。
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