【NQNニューヨーク=増永裕樹】22日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は反発した。前日比75ドル46セント(0.5%)高の1万5467ドル66セントで終え、9月19日以来、約1カ月ぶりの高値をつけた。9月の米雇用統計が低調な内容となり、米連邦準備理事会(FRB)が雇用回復を促すために緩和的な金融政策を当面続けるとの見方が浮上。市場への余剰資金流入が続くとの期待から買いが入った。
朝方発表の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比14万8000人増と、18万人増程度との市場予想を下回った。雇用回復の勢いが鈍いとして、量的緩和の縮小など金融政策の正常化へのハードルが高まったとの見方につながった。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は5日続伸。前日比10.01ポイント(0.6%)高の1754.67で終え、4営業日続けて過去最高値を更新した。
ハイテク関連の比率が高いナスダック総合株価指数も5日続伸し、9.52ポイント(0.2%)高の3929.57で終えた。2000年9月8日以来、約13年ぶりの高値を回復した。
業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち9業種が上昇した。「素材」と「生活必需品」の値上がりが目立ち、「IT(情報技術)」が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億5000万株(速報値)、ナスダック市場は約18億2000万株(同)だった。
増益決算を発表した化学のデュポンが上昇。利益予想を引き上げた防衛のロッキード・マーチンの値上がりが目立った。映画・娯楽のウォルト・ディズニーや、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も上げた。
一方、多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」の新型機を発表したアップルが下落。減収減益決算を発表した高級皮革のコーチは大きく値下がりした。機械・航空機関連のユナイテッド・テクノロジーズも下落。業績予想が物足りないとして売りに押された。
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