Updated: Tokyo  2013/10/23 18:16  |  New York  2013/10/23 05:16  |  London  2013/10/23 10:16
 

10月22日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル、対ユーロ2年ぶり安値-雇用減速で緩和継続観測

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで下落。ほぼ2年ぶりの安値を付けた。米雇用者数の伸びが市場予想を下回ったため、金融当局が緩和縮小を先送りするとの思惑が強まった。

主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数 は8カ月ぶりの低水準。9月の非農業部門雇用者数は14万8000人増と予想を下回り、10月に政府機関が一部閉鎖される前に景気が勢いを失っていたことが明らかになった。スイス・フランはドルに対して2012年2月以来の高水準に達した。円はユーロに対してほぼ4年ぶりの大幅安となった。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「ドルは全面安になっている。雇用統計は精彩を欠いた。ここ数カ月より良くもなかったが、劇的に悪いわけでもなく、金融当局が緩和を縮小するほど良くはなかった」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比0.7%安の1ユーロ=1.3781ドル。一時は1.3792ドルと、2011年11月以来の安値を付けた。対円ではほぼ変わらずの1ドル=98円14銭。円は対ユーロで0.7%安の1ユーロ=135円25銭。一時は135円51銭と、2009年11月以来の円安水準となった。

ブルームバーグ米ドル指数は0.5%安の999.46。一時998.93と、2月6日以来の水準に下げる場面があった。

「新興市場通貨に恩恵」

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「量的緩和の縮小が遅れ、現在のペースが維持されるのはリスク通貨や新興市場通貨には支援材料だ」と指摘。「経常収支が改善している新興市場通貨が恩恵を受ける可能性が高まっている」と語った。

JPモルガン・G7ボラティリティ指数は7.6%と、1月以来9カ月ぶりの水準に低下した。9月3日には10.2%を付けていた。価格変動が小さいほど、新興市場国通貨など高利回り・高リスク資産の魅力が高まる傾向がある。

8月の非農業部門雇用者数は19万3000人増と、速報値の16万9000人増から上方修正された。9月の雇用者数はブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値で18万人増だった。年初から8月までは平均で18万6000人増だった。1日から始まった政府機関の一部閉鎖の影響で、雇用統計は当初の4日発表からこの日に延期されていた。

縮小先送り観測

ブルームバーグが17-18日にエコノミスト40人を対象に実施した調査によれば、金融当局は月間850億ドルの量的緩和を来年3月まで継続すると予想されている。先月実施した調査では緩和縮小が始まる時期は今年12月とみられていた。

政府機関閉鎖の影響で10-12月期の成長率は0.3ポイント押し下げられたとみられている。

スターン・アギー・アンド・リンチのチーフエコノミスト、リンジー・ピエグザ氏は「金融当局の観点からすると、今朝の統計は資産購入の月額を維持するという立場を後押しするものだ。基本的に10月の緩和縮小の可能性はなくなり、12月もなくなった公算が大きい」と述べた。

連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合は10月29-30日と12月17-18日に予定されている。

原題:Dollar Drops on Bets Fed Won’t Slow Stimulus Soon; FrancGains(抜粋)

◎米国株:上昇、S&P500種年初来上昇率は03年以降の最大に接近

米株式相場は上昇。雇用者数の伸びが鈍化したことで、金融当局が緩和策を継続するとの観測が広がった。S&P500種 株価指数の年初来上昇率は、年間上昇率としての過去10年間における最大まであと1ポイント未満に迫った。

S&P500種 株価指数は前日比10.01ポイント(0.6%)高の1754.67。昨年12月以降の上昇率は23.0%となった。1761を超えれば年初来上昇率は2009年の年間上昇率23.5%を上回り、03年(26.4%)以来の大幅な上昇率となる。

S&P500種は09年3月に12年ぶり安値を付けたが、そこから12年末までにすでに2倍となっていた。

ダウ工業株30種平均は75.46ドル(0.5%)上げて15467.66ドルと、1カ月ぶり高値となった。

白物家電のワールプール は業績予想の上方修正が好感されて大幅高。資源会社フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドも高い。決算で利益が市場予想を上回った。アップルは10営業日ぶりに下落。一時1.4%高まで上げていたが、反転した。ネットフリックスは大幅安。リード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)は、これまでの同社株上昇について投資家の「陶酔感」によるものだと述べた。

雇用統計

S&P500種は一時0.8%高となった。9月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが市場予想に届かず、金融当局が量的緩和の縮小を先送りするとの観測が広がった。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの地域チーフ投資責任者、ダレル・クロンク氏は電話取材で、「今回の雇用統計は、金融当局がホリデーシーズンも現在の量的緩和の水準を続けることを示唆している」と指摘。「年内を通じて量的緩和を継続し、新年に入っても続く可能性が高い。現在のところ、経済データはいかなる緩和縮小も示唆していない」と続けた。

この日別に発表された8月の建設支出は5カ月連続で増加。居住用建設支出の伸びがけん引した。連邦政府の支出は減少した。

投資家は景気動向を見極める上で企業決算にも注目している。ブルームバーグがまとめた調査によれば、アナリストらは7-9月(第3四半期)の企業の利益予想を引き上げており、S&P500種の全構成銘柄の平均では2.5%増を見込んでいる。10月初めの調査では1.7%増と予想されていた。

企業決算

これまでに四半期決算を発表したS&P500種構成企業のうち、利益がアナリスト予想を上回ったのは約72%、売上高が予想を上回ったのは54%となっている。

BMOグローバル・アセット・マネジメントの米国担当チーフ市場ストラテジスト、サンディ・リンカーン氏は「予想を上回る決算が非常に多く、業種も多岐にわたっている」とし、「こうしたサプライズ要因は引き続き相場の押し上げ材料になるだろう」と続けた。

S&P500種の業種別10指数では9指数が上昇。資源や生活必需品、公益が特に上げた。景気敏感株で構成するモルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.7%上げて過去最高値となった。

ワールプールは12%高の146.19ドル。フリーポート・マクモランは3.8%上昇し36.36ドル。

アップルは0.3%安の519.87ドル。朝方は上げていたが反転し、一時2.6%安まで下げた。同社はこの日、タブレット端末「iPad(アイパッド)」の新製品を発表した。

ネットフリックス は9.2%安の322.52ドル。同社株は年初以降、前日までに3倍以上に上昇。バンク・オブ・アメリカ(BOA)はリポートで、ネットフリックスのバリュエーションについて「正当化するのは難しい」と記した。

原題:U.S. Stocks Rise as S&P 500 Annual Gain Nears BiggestSince 2003(抜粋)

◎米国債:上昇、利回りは3カ月ぶり低水準-雇用の伸び悩みで

22日の米国債市場では10年債利回りが3カ月ぶり低水準に下げた。朝方発表された9月の米雇用者数が予想を下回ったことから、米国経済の勢いはすでに減速しており、その後政府機関の閉鎖に至ったとの見方が広がった。

この日実施された1カ月物財務省短期証券(TB)入札では需要が政府閉鎖前までの年初来平均に近づいた。投資家によるデフォルト(債務不履行)懸念が緩和したことが背景にある。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏は「雇用統計を受けて、利回りが上昇に向かわないことは確かだ」と述べ、「ここから利回りが徐々に低下するだろう。近く、緩和策が縮小されることは恐らくないだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.51%と、7月24日以来の低水準。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は3/4上げて99 28/32。

RSIの変化

10年債利回りの相対力指数(RSI、期間7日)は34.7と、前日のの39から低下した。同指数は30を下回るか70を上回ると、方向感の変化を示唆するといわれる。

米JPモルガンが顧客を対象に調査した先週の米国債投資家心理指数によると、前日までの1週間でネットロングの比率は8ポイントと、前週の6ポイントから上昇した。

米国債の上昇を見込んだアウトライトロング(買い持ち)は23%と、前週の21%から上昇した。アウトライトショート(売り持ち)は15%で変わらず。ニュートラルは62%と、前週の64%から低下した。

1カ月物TBの入札では落札レートが0.03%と、8日に実施した際の0.35%を下回った。応札倍率 は4.31倍。前回の入札時は同4.33倍だった。

米労働省が発表した9月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比14万8000人増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は18万人増だった。家計調査に基づく失業率は7.2%に低下した。

「予想よりずっと弱い」

クレディ・スイスの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏は、「雇用統計は予想よりずっと弱かった。注目するような明るい材料は本当に何もない」と述べ、「恐らく10年債利回りは2.47%に下げるだろう」と続けた。

米財務省によると、8月の対米証券投資統計は外国政府と投資家の中長期金融資産取引額が外国人からみて89億ドルの売り越しとなった。前月は310億ドルの買い越しだった。

国別の米国債保有額では中国 が依然として世界最大。同国の保有額は8月に112億ドル減少して1兆2700億ドル。2位日本は1兆1500億と前月から137億ドル増加した。

ブルームバーグが10月17-18日に実施した調査によると、エコノミストらは来年3月まで米金融当局が月間850億ドルの債券購入策を維持すると予想している。

原題:Treasury Yields Fall to 3-Month Lows After U.S. Adds FewerJobs(抜粋)

◎NY金:大幅続伸、3週ぶり高値-緩和継続観測

ニューヨーク金先物相場は大幅続伸。3週間ぶりの高値となった。9月の米雇用者の伸びが市場予想を下回ったことを背景に、金融当局が緩和策を継続するとの見方が強まった。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「雇用統計で金は押し上げられている。景気に弾みがつくよう一段の支援が必要だと投資家が考えているためだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比2%高の1オンス=1342.60ドルで終了。一時は1344.70ドルと、中心限月としては9月30日以来の高値をつけた。

原題:Gold Rises to Three-Week High as U.S.Payrolls Trail Forecasts(抜粋)

◎NY原油:下落、バレル当たり98ドル割れ-在庫増見通しで

ニューヨーク原油先物相場は下落、1バレル当たり98ドルを割り込んだ。原油在庫統計で3カ月ぶりの高水準が示されるとの見方が背景。

IAFアドバイザーズ(ヒューストン)の商品調査ディレクター、カイル・クーパー氏は、「23日の在庫統計で再び大幅な在庫積み上げが示されるだろう。そうなれば原油相場に引き続き売り圧力がかかることになる」と述べ、「早晩90ドル台前半での取引になるだろう」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前営業日比1.42ドル安いの1バレル=97.80ドルで終了。終値ベースで6月28日以来の最低だった。

原題:WTI Crude Tumbles Below $98 on ProjectedU.S. Stockpile Increase(抜粋)

◎欧州株:9日続伸-業績見通し上方修正と米雇用統計で

22日の欧州株式 相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は9営業日続伸と、2010年6月以降で最長の上昇局面となった。ノバルティスやレキット・ベンキーザー・グループが業績見通しを上方修正したことが手掛かり。米雇用統計で9月の失業率がほぼ5年ぶりの低水準となったことも好感された。

スイスの医薬品メーカー、ノバルティスは2%上昇。英日用品メーカーのレキットは09年2月以来の大幅高。一方、スウェーデンの電話会社、テレ2は4年ぶり安値まで売り込まれた。同社が予想に反して赤字となり、2015年利益と売上高の見通しを下方修正したことが嫌気された。

ストックス欧州600指数 は前日比0.5%高の320.97で終了。月初来では3.4%上げている。

クロスブリッジ・キャピタルの投資責任者、マニシュ・シン氏(ロンドン在勤)は「米緩和縮小に関する議論が消えることはないだろう」とし、「雇用統計は劇的に目立った変化をもたらしたわけではなく、上方修正もあったものの、増加ペースは鈍化した。これは米当局が緩和を継続する期間が長くなったと投資家がみていることを意味する。株式にとってはプラス材料だ」と語った。

9月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比14万8000人増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は18万人増だった。前月は19万3000人増と、速報値の16万9000人増から上方修正された。失業率は7.2%に低下し、2008年9月以来の低水準となった。

22日の西欧市場では18カ国中12カ国で主要株価指数が上昇した。

原題:European Stocks Climb for Ninth Day,Longest Rally in 40 Months(抜粋)

◎欧州債:スペイン債中心に上昇、米緩和継続観測-英国債も上げる

22日の欧州債市場ではスペイン国債を中心にユーロ圏の国債が軒並み上昇した。この日発表された米雇用統計で9月の雇用者数が予想ほど増えなかったことから、米連邦準備制度が現行の債券購入を継続するとの観測が高まった。

スペイン2年債は5営業日続伸。同国は3カ月物と9カ月物の証券を計35億2000万ユーロ発行した。イタリア国債の2年物と10年物利回りは6月以来の水準まで下げた。ドイツ10年債利回りは2週間ぶり低水準となった。ドイツ30年債は4日続伸。同国は23日に同年限の国債を20億ユーロ入札する。

ラボバンク・ネダーランド(ユトレヒト)のシニア市場エコノミスト、エルビン・デフロート氏は「周辺国債は米連邦準備制度や他の中銀が極めて慎重になるとの見方から恩恵を受けている」と指摘。「データが余りにも弱過ぎるということもなく、あるいは米金融当局が緩和縮小に乗り出すには十分強くないという状況が続く限り、ほぼ理想的なシナリオとなる」と続けた。

ロンドン時間午後4時18分現在、スペイン10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.22%。一時は7日以来の最低 となる4.19%となった。同国債(表面利率4.4%、2023年10月償還)価格はこの日、0.505上げ101.48。2年債利回りは9bp下げて1.59%。

ドイツ10年債利回りは5bp低下し1.80%。9日以来の低水準となる1.79%まで下げる場面もあった。30年債利回りも5bp下げ2.67%。

英国債相場は上昇。10年債利回りはロンドン時間午後4時37分現在、前日比11bp低下し2.63%と、8月27日以来の低水準となった。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.885上げ96.69。

原題:Spain’s Bonds Rise With Italy’s as GrowthOutlook Boosts Demand(抜粋)Gilt Yields Fall to Eight-Week Low on U.S.Payrolls; Pound Rises(抜粋)

更新日時: 2013/10/23 07:02 JST

 
 
 
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