ガールズ&パンツァー それゆけトラさんチーム (エウクランテ)
プロローグ
この日、私こと
そう、これは『戦車道』の授業の一環。今日はここ大洗女子学園で戦車道部が復活して始めての練習試合が催されていました。
「さすが聖グロリアーナです、綺麗な隊列を組んでますね!」
と私の左横で興奮した声を挙げるのは同チームの
「ううん、あれだけ速度を合わせて隊列を乱さないで動けるなんてすごい」
と同じく匍匐状態で双眼鏡を除きながら秋山さんのさらに左隣の少女が本当に感服したように返す。
彼女は西住《にしずみ》 みほさん。この大洗女子学園の戦車道部のリーダーであり、復活したばかりの弱小チームをまとめ上げて優勝にまで導いた凄い人だったりする。
あ、あと私と苗字が同じなのは偶然じゃなくて・・・・この話は長くなるから後でにしておこう。
「内容はチャーチル1両とマチルダ4両、さらにクルセイダーが3両と・・・・あれはトータス重駆逐戦車です!」
「夏帆殿詳しいですね、特にトータス重駆逐戦車なんかはレア中のレア戦車ですし!!」
そう言って目を輝かせる秋山さん。本当に嬉しそうで何よりです。
「それにこちらの徹甲弾では夏帆殿の戦車以外ではあの装甲を抜けませんね、西住殿」
「「そこは戦術と腕かな?」」
「はい!・・・・って、え?」
しまった!?無意識に返しちゃった上におk・・・・みほさんとセリフまで被らせてしまった。
しかも秋山さんも不思議そうにこっちを見てるし!!
「あ、いや、えーっと。ほら、西住さんって黒森峰時代も言ってたじゃないですか!!ちょっと真似してみようかなーなんて・・・・」
「なるほど、夏帆殿もかなりの戦車道ファンだったのですね!!分かります、その気持ち!!」
誤魔化せた・・・・のかな?
未だにみほさんは目を丸くしてこっちを見ているけど・・・・。
「ほら!敵の戦力も分かりましたし、さっそく作戦を実行に移しましょう!!戦車達が待ってますよ!!」
そう言ってかなり強引だけど私は言い終わると同時に走り出して自分の戦車に戻る。
ヤバイヤバイ、私達の『秘密』がバレるとこだった・・・・。
そんな心臓にかなり悪い状況から脱出した私はみほさん達『あんこうチーム』のⅣ号戦車の隣に停まっている戦車へと乗り込む。
コイツの名前は『E-50
「あ、危なかったー」
「どうかしました?カホ?」
キューポラから中に入るなり、待機していたクルーの一人がコーラを飲みながら声を掛けてくる。
栗色の髪をポニーテールに纏めた髪型とソバカスが特徴の彼女は
「いやー、さっそくボロがでちゃってさ。バレかけた」
「ガホッ!!ゴヒッ!!・・・・さらりと何仕出かしているんですか!?」
飲んでいたコーラを吹き出すカリサ。
「いや、バレかけただから!多分まだセーフな筈!!」
「心臓に悪いのでやめて下さいっ!!」
「うぅ・・・・ごめんなさい」
「メンタル弱っ!?」
そして2人して少し深めの溜息を吐いた後に私は顔を2回軽く叩いて気持ちを切り替える。
「よし、これより戦闘行動に入ります。
「「「「了解!!」」」」」
他のチームの人達に聞かれないように無線を切ってから激励を飛ばし、この戦車の乗員4名の返事を聞いた後に私は拳を握って気合の入った声で指示を出す。
「