岩手のニュース

2年7ヵ月ぶり無事帰還 津波で米西部漂着、高田高のボート

震災の津波で米国まで漂流し、2年7カ月ぶりに陸前高田市に戻ったボートを見つめる高田高生徒

 東日本大震災の津波で流失し、米西部に漂着した高田高(岩手県陸前高田市、現在は大船渡市内の仮校舎で運営)の実習用小型ボートが22日、米国の高校生らの支援などで、2年7カ月ぶりに返還された。ボートは陸前高田市博物館に寄託され、震災を伝える資料として展示される予定だ。

 ボートは長さ約6メートル。同校海洋システム科の授業で、ホタテの養殖実習や潜水練習などに使われた。震災時は広田湾で陸揚げされていた。
 引き渡し式が同市矢作町の市博物館であり、海洋システム科の2年生26人をはじめ高校関係者らが参加した。ボートは2年間の漂流中に貝などが付着していたが、きれいに洗い流され、目立った損傷もなかった。トラックからクレーンで降ろされると、生徒たちは感慨深げに見詰めていた。
 横田昭彦校長は「2年も漂流したのに、大きな損傷もなく帰ってきた『奇跡の船』。言葉や文化の壁を乗り越え、支援がつながったおかげだ」と感謝の言葉を述べた。
 兄の海(ひろ)さん(18)が今春、海洋システム科を卒業した菅野港さん(16)は「兄も乗った船なので一度乗ってみたかった。帰って来ただけでうれしい」と話した。
 ボートはことし4月、米カリフォルニア州クレセント市に漂着。船体に高校名が記されていたため高田高のボートと判明し、地元の高校生らが返還を呼び掛け、船を洗うなど活動してきた。9月下旬に米国を出港し、今月13日に仙台港に入港した。


2013年10月23日水曜日

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