勇『姉熱体』
DVDを購入しようと思ったらどうも限定生産らしく1巻は既に在庫切れの模様で涙目です。でも、その人気には非常に納得がいきますなぁ。
さて本日は、勇先生の『姉熱体』(クロエ出版)のへたレビューです。前単行本『時間外禁務』(ティーアイネット)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
淫臭溢れまくりのエロバディをお持ちのお姉さん達と繰り広げるハード&ラブラブエッチが楽しめる濃ゆい単行本ですよ。
収録作は短編9作で、1作当りのページ数は20~30P(平均23P強)と十分なボリュームを有しています。
シナリオのコンストラクションは緩いタイプであり、お話的な読み応えは乏しいですが、濃厚なエロシーンとのバランスが取れており、読書感は意外なまでに良好です。
【ご都合主義を効かせながらも素朴な味わいの恋物語】
如何にも“堕ちモノ”が似合いそうなフェロモンたっぷりな絵柄ですが、セックスを介して心と体を通わせる男女を描く穏やかなラブストーリーこそがこの先生の真骨頂。
母子相姦(ただし義母)の短編「義母」や元彼に性的調教を受けていた姉を性的に満足させるために弟が奮闘する短編「犯虜」、なんちゃって女子校生をしていた美人教師を脅してコスプレエッチな短編「なんちゃって先生」など少々不穏な要素が絡む作品もありますが、背徳感や性愛の異常性を出すのではなく、あくまでセックスの快楽を通じて幸福を得る男女を描くため、大変気持ち良く読ませます。
ストーリー展開そのものは比較的平凡ではありますが、ヒロインの笑顔が素敵なハッピーエンドへの導入に力みが無く、エロ漫画的ご都合主義を考慮しても、展開自体はスムーズと言えるでしょう。
読者の親近感を呼び込む、間口の広いグルーブ感こそが勇先生の作劇面における強い魅力と思います。
管理人は、陰口を言われながらも会社で頑張るデコメガネなエリート女性会社員が、偶然出会った求職中の青年とのセックスで心の緊張を解きほぐす短編「その人は天使?」のハートウォームな読書感が特にお気に入り。
【ツヤツヤ衣装に彩られるムチムチバディの年上ヒロイン】
タイトルに姉とありますが、狭義の姉が登場するのは短編「犯虜」のみなので姉属性の方は要注意。
年齢的には20代前半から30代半ばクラスの女性教師や人妻、キャリアウーマンといったお姉さま方と年下の男性というカップリングで統一されてるので、広義の意味では、まぁ“姉”オンリーの単行本と言えるでしょう。
ただし、濃厚な色気でゴリ押ししているようで、日常パートなどではヒロインの可愛らしさや清楚な印象を生み出せており、劇画寄りの絵柄の中でも比較的訴求層が広いのではないかと個人的には思います。
また、勇先生といえばムチムチな太股とそれを包む黒タイツやストッキングの組み合わせのエロティックさがエロ的な強みの一つであり、艶々とした生地の光沢が好きな方は要チェック。
短編「義母」のみちょっとタッチが異なる印象がありますが、絵柄は概ね安定しており表紙絵が気に入ったならば、中身の白黒絵も楽しめると思われます。
【迫力優先のエロ作画が強い魅力】
ただでさえ画やキャラデザにこってりとした重みがあることに加え、余裕のあるページ数から十分な分量を割り振られたセックスシーンのボリューム感は強力です。
ド迫力の巨乳や量感たっぷりのお尻を時にコマぶち抜きで見せたり、性器結合部の描写をラッシュさせたりなコマ展開・ページ構成のアグレッシブさは作風によくマッチしており、大変頼もしいです。
青筋立ちまくりな凶悪サイズのち○こ以外は、男性の存在感は比較的抑えられており、だらしのない陶酔の表情を晒すヒロインの痴態に集中させる作画ながら、ラブいエロ台詞も含めて要所で恋の熱情の演出があるために殺伐とした感じがないのも好感が持てます。
この際、粘度の高い白濁液が噴出する結合部を前面に押し出す構図を多用しますが、このフィニッシュシーンを筆頭に迫力優先でデッサン的にちょっと怪しいコメは散見されます。
また、特に女性側の性器描写は陰毛濃い目のリアル系ながら充血しまくった媚肉の描き方にまだ淫猥さが足りない感はあります。
しかし、それらのディスアドバンテージをさほど気にさせない勢いのあるエロ展開・エロ作画であるのは間違いなく、がっつりハードエロを楽しみたい諸兄の強い味方になってくれることでしょう。
ネオ劇画系のエロ漫画作品のレビューは久しぶりな気がしますが、やっぱりこのジャンルはこのジャンルで良い所がいっぱいあるなぁと再確認した次第であります。
絵柄は万人受けし難いかもしれませんが、お姉さまとのハッピーな恋物語とがっつり濃厚ハードエロが両方楽しめる1作として結構なお勧めですよ!
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