2013-10-22
帝国データバンクの「出版業界 2012年度決算調査」の内容が興味深かった
先日、このようなページ・ならびに資料を見付けました。
帝国データバンクによる、出版業界の動向をまとめた調査報告です。
この内容が、なかなかに興味深い内容だったので、かいつまんでご紹介しておきたいと思います(詳細はリンク先の資料をご覧戴ければと)。
調査対象となっているのは、出版社(654社)・取次業者(212社)・書店経営業者(301社)の合計1167社です。
やはり全体的な傾向として、市場の縮小は止まっていないとのこと。
出版社では上位10社中7社、取次では上位8社中6社、書店経営業者では上位10社中6社が減収となっています。2期連続で減収となっているところも、少なからぬ割合を占めています。
全体としては、出版社の359社(54.9%)・取次業者は133社(62.7%)・書店経営業者は207社(68.8%)が減収。実に厳しい現状が見て取れます。
そのいっぽうで、損益については前年を上回っている企業が少なからぬ割合を占めている、というのも特徴です。赤字部門の削減とか、諸々のコスト削減によって黒字に持ってきている模様。出版社・取次の8割くらいは黒字とのことで、書店経営業者も7割が黒字のようです。
しかしながら書店の場合、小規模の書店だと赤字が連続している割合が大規模書店に比べ高く、小規模書店は損益面でも厳しい状況が続いているとのこと。
出版においては、「売れる本」「売れない本」の二極化が進んでいるとの指摘も。
これは、今年だと『進撃の巨人』を例に挙げると判り易いかもしれませんね。
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この10巻は、アニメ放映開始とほぼ同じ頃に発売されました。
その際、単行本の帯には「累計1200万部突破!」みたいな惹句が書かれていました。そしてその直後に、どこの書店でも品切という状態に。品切状態は確かGW直後あたりがピークでしょうか、その後重版分が市場に出回るようになった訳ですが、次から次へと帯に記載される発行部数が増えていったのですね。「1300万部突破!」「1500万部突破!」「1900万部突破!」という具合に。
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そして11巻発売の際には「2300万部突破!」になっていました。
4ヶ月で1100万部発行されたという計算ですね。単純に400円で掛けてみますと、44億円。
因みに2012年の講談社の売上は約1200億円です。今年の売上がどれくらいかはまだ判りませんが、仮にこれを基準とすると、講談社の売上の3%くらいは『進撃の巨人』、という可能性が高い訳です。
と、この他にもデータを仔細に眺めると、いろいろと見えてくるものがあります。
正直なところ、決して景気の良い内容ではないですが、ご興味のある方はご一読を。
といったところで、今回はこのあたりにて。
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