「資金面や計画面などに疑問が多い。最悪、準備が間に合わない恐れすらある。韓国側は『ロンドン五輪で韓国は日本の2倍近い金メダルを取った』と豪語しているが、相互協力の本音は『日本から技術とカネを引き出すこと』ではないのか」
ちょっと待っていただきたい。
東京五輪の決定前、韓国は「東京五輪ボイコット」を国際社会に働きかけ、国際オリンピック委員会(IOC)総会直前には、福島第1原発の汚染水問題を根拠に「福島県など8県の水産物輸入全面禁止」を発表した。日本メディアは「卑劣な妨害工作」と報じた。
もし、今になって“当たり前”という顔で「技術とカネ」を日本に要求してくるとすれば、あきれたご都合主義、二枚舌というしかあるまい。
韓国在住の日本人ビジネスマンがこういう。
「韓国では当初、『平昌五輪の経済効果は約20兆5000億ウォン(約1兆8450億円)』などと盛り上がっていたが、最近はあまり話題にならない。あり得ないと思うが、ネットには『五輪返上』という声すらある」
安倍首相にお願いしたい。韓国と関係改善を望むなら安易な譲歩はしないでいただきたい。朴槿恵(パク・クネ)大統領にも申し上げたい。本当に相互協力を望むなら、大統領自らが動いて日韓首脳会談を実現させ、安倍首相と握手をすべきではないのか。
「1000年恨む」などという、「反日」姿勢を政治の枢要にすえるなど愚かだと悟るべきだ。
■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍。2011年11月、月刊「文藝春秋」で「尾崎豊の遺書・全文公開」を発表し、大きな話題となった。