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アルコール依存症治療に新薬 神経系に作用、欲求を抑制
2013.10.22 13:59
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天野宏一理事長兼院長によると、従来の治療では断酒が続く患者は3分の1程度。レグテクトの臨床試験では、6カ月の連続服用で47・2%、服用中止6カ月後も4割弱の患者がそれぞれ完全断酒したという。
天野院長は「服薬効果は連続服用期間の終了後を見なければならない」と指摘。そのうえで、「依存を自ら認め、心理社会的治療がないと生涯断酒は困難。その状況は変わらないが、抗酒薬との併用も可能な新薬の登場で新たな選択肢ができ、治療推進にもつながるのではないか」と話している。
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■アルコールの健康障害対策 基本法制定目指す動き
厚生労働省の研究班の試算では、アルコールによる社会的損失は年間4兆1483億円、アルコール関連死亡者数は3万5000人とそれぞれ推計される。
しかし、不適切な飲酒の撲滅に向けた教育や啓蒙(けいもう)、アルコール依存症の患者との連携などはなされぬまま。原因の一つに根拠法の不備があるとして、アルコール関連学会や民間団体、超党派の国会議員らが「アルコール健康障害対策基本法」制定を目指している。
アルコール・薬物問題に取り組むNPO法人「ASK(アスク)」(東京都中央区)の今成知美代表は「対策基本法があれば、アルコール関連問題は個人やその周囲だけでなく、社会全体が支援すべきことになる」と話している。
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