金属バットを手にボールを拾いにいく上原

【上原密着２４時】レッドソックスは２１日（日本時間２２日）、カージナルスとのワールドシリーズ（２３日＝同２４日開幕）に向けて本拠地フェンウェイ・パークで７０分ほど、ストレッチ、キャッチボール、フリー打撃などで調整した。ア・リーグ優勝決定シリーズでＭＶＰに輝いた上原浩治投手（３８）は田沢純一投手（２７）相手に遠投を軽めにこなした程度。フリー打撃が始まるとすぐにクラブハウスに引き揚げた。プレーオフ全１０試合で８試合に登板して疲労はピーク。治療などを行ったようだ。

　しかし、ワールドシリーズを前に心身ともにいっぱいいっぱいかといえば、そうでもない。練習開始前には長男・一真君（７）とキャッチボールなどで３０分ほど触れ合った。外野の芝生で行ったキャッチボールでは捕手としてグラブを構え、トス打撃では投手だけではなく、子供用の金属バットを手に打者にもなった。マウンド上の厳しい表情とは対照的に、“パパ”の顔だった。

　ちなみに一真君は左投げのスイッチヒッター。当初は飛球をなかなか捕ることができなかったが、今では問題なくグラブに収めるなど上達が著しい。９月には遠征先のタンパで、同じ左投げのニエベス投手コーチから指導を受けた。上原も「うまくなってるよ」と成長に目を細めている。一真君との貴重なひと時をエネルギーに、上原は大一番に臨む。（マサチューセッツ州ボストン発）