ろうそくの芯が飛び 火災の原因に10月23日 0時11分
仏壇や神棚にともしたり、災害で停電したときに使ったりするなど、身近な「ろうそく」ですが、ろうそくの芯が火がついたまま数十センチ飛んで火災をつながったとみられるケースがあることが消防の実験で分かりました。
ろうそくメーカーで作る団体は注意を呼びかけることにしています。
ろうそくの火が飛んだことが原因とみられる火災は、ことし2月、大阪・枚方市の住宅で発生しました。
居間の障子の中央部分から突然火が出て住民が消し止めました。
けが人はいませんでした。
消防によりますと、障子の近くには、ろうそく立てがありましたが、20センチ以上離れ、ろうそくは燃え尽きた状態で、ほかに火の気もなく、当時は原因を突き止めることができませんでした。
消防では、現場のろうそく立ては水で洗ったあとだったと住民が話していたことから、ろうそく立ての受け皿部分に水分がある状態で火をつけて半年にわたって実験を繰り返したところ、まれにろうそくの芯が火がついたまま飛ぶ現象が起きることが分かりました。
ろうそくが燃え尽きるとき、溶けたろうの膜に閉じ込められた水分が数百度の炎に熱せられて沸騰し、ろうの膜が破裂して芯を飛ばしたとみています。
ろうそくの火が飛んで火災が起きる事例は全国に例がないということで、実験を行った枚方寝屋川消防本部の梶井一さんは「過去の火災の中にも同じような原因が含まれている可能性があり、注意してほしい」と話しています。
一方、実験結果を受けて、大手ろうそくメーカーでも独自に実験を行い、同じ現象が起きることを確認したということです。
全国のメーカーで作る「全日本ローソク工業会」は、安全のため、ろうそく立ての水分を拭き取ったうえで使うよう注意を呼びかけることを決めました。
ローソク工業会の鳥居邦夫会長は「水分をよく拭き取って使えば安全なので、火事にならないよう正しく使ってほしい」と話しています。
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