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【芸能・社会】

3月に終わっていいとも! タモリ32年の歴史に幕

2013年10月23日 紙面から

 1982年10月4日から平日昼に生放送されてきたフジテレビ系のバラエティー番組「笑っていいとも!」が、来年3月末で終了することが22日、分かった。同局系の“顔”ともいえる国民的娯楽番組は、30年余にわたる歴史に幕を閉じることになる。後続の番組は未定という。

 同日の放送で司会のタモリ(68)が明らかにした。番組のエンディングで、タレント笑福亭鶴瓶(61)が突然登場。「聞いたんやけど、『いいとも』終わるってホンマ?」と問いかけると、タモリは「はい。来年の3月に終わります」とあっさりと電撃発表し、スタジオは「えっ!!」と騒然となった。

 タモリは、続けて「本当。3月いっぱいで『いいとも』終わるんです。でもね、オレね、30からこの世界に入ったじゃない。するするするって横滑りして入ったんで。30からやって6年後にこの番組やったんですよ。『いいとも』で初めて芸能人として格好付いたんで。32年(目まで)、フジテレビがず〜っと守ってくれたんで本当に感謝してもしきれません」と今の心境を述べた。

 出演したSMAPの中居正広(41)が「正式なことですか?」とたずねると、タモリは「正式なことです。出演者の皆さんにも大変お世話になって。国民の皆さんにも。どっち見ても本当に感謝です。ありがとうございました」と語った。観客の悲鳴や絶叫が響く中、タモリは「本当にありがとうございました。本当、感謝です」と締めくくった。

 フジテレビ広報部は、番組終了について「編成上の理由」としか説明しておらず、来年4月の番組改編に向け、「しかるべきタイミングで総合的に(後日)説明させていただきたい」と答えるにとどめている。このタイミングでの発表については「理由はないが約32年続いたことになる番組。来年3月に向けて盛り上げるための準備もあるので」と説明。出演者らによる会見は行わないという。

 番組は、タモリが旬のゲストと軽妙なトークを繰り広げる「テレフォンショッキング」、レギュラー陣のお笑い芸人によるコント、クイズコーナーなどが人気を集めた。「楽しくなければテレビじゃない」をコンセプトにスタートし、人気を博した同番組は、22日時点で放送回数7947回、レギュラーメンバーは総勢約290人を数える。

 2002年には通算放送回数が5000回を超え、「生放送単独司会 世界最高記録」として、ギネスブックにも登録された。「友達の輪」「いいとも!」の掛け声は流行語にもなったほか、日曜日に放送されるダイジェスト版も好評だった。

【いいとも青年隊の総人数】

39人

【テレフォンゲスト回数の上位】

(1)和田アキ子=写真、浅野ゆう子(21回)(3)藤井フミヤ(20回)(4)陣内孝則(19回)(5)竹中直人(18回)(6)中村雅俊、近藤真彦、内藤剛志、YOU、渡辺えり、原田芳雄(15回)

【テレフォン最長出演記録】

(1)黒柳徹子=写真(84年3月14日、約43分)(2)有吉佐和子(84年6月22日、約42分)(3)明石家さんま(84年2月13日、約35分)

【レギュラー最長記録】

(1)関根勤(85年から28年間)(2)笑福亭鶴瓶(87年から26年間)

◆タモリ倶楽部は現状維持

「いいとも」が終了すれば、タモリのレギュラー番組はテレ朝系の音楽番組「ミュージックステーション」とバラエティー「タモリ倶楽部」の2つだけになる。

 「毎度おなじみ流浪の番組…」というタモリの語り出しでおなじみの「タモリ倶楽部」は、「いいとも」の4日後の82年10月8日にスタートした。ともにすでに31年続く長寿番組だが、同局によると、現状では終了予定はないという。

◆近年1ケタ台 視聴率戦争への打開策か

 過去、最高視聴率は1988年4月29日の27・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、国民的人気を誇った「いいとも」。96年に調査方法が変更されて以後も、98年1月15日には、21・8%(同)を記録。

 ただ、2002年以降は、20%超えはなくなり、最高でも15〜16%程度で、近年は一ケタ台にとどまっていた。フジテレビによるとこれまでの平均視聴率は11・5%で、89年から24年連続で、民放の同時間帯横並びトップ。

 昼の番組は近年、各局の視聴率争いで激戦区になってきた。「いいとも」は安定して強いが、東日本大震災、原発事故などの社会情勢を背景に、ニュース色の濃いTBS系「ひるおび!」が調子を上げ、2部(午前11時59分〜午後1時49分)の視聴率が同時間帯トップを取る日も出てきた。日本テレビ系「ヒルナンデス!」も昨年あたりから人気上昇。

 ちなみに前日21日の視聴率は「ひるおび」第2部が6・5%、「いいとも」は5・9%、「ヒルナンデス」が5・1%、テレビ朝日系「ワイドスクランブル」第2部が5・2%で、「いいとも」は「ひるおび」に抜かれている(同)。

 このため、夜のゴールデンタイムなども含めて視聴率争いで昨今低迷してきたフジにとって、今回の「いいとも」終了発表は、視聴率戦争の局面打開に向けての策との見方も。またフジが亀山千広新社長の体制に変わったという点を背景に挙げる声もある。

 ただ、業界内では、すでに昨年の段階で「再来年(2014年)3月をXデーの方向で模索しているらしい」などと、ささやかれていたという情報もある。

<テレビ評論家でコラムニストのペリー荻野さんの話> 終了はびっくりした。日本の日常の一環が失われる感じがする。この番組が終わっちゃえばいいと思っている人はあまりいないと思う。現役感のあるうちに幕を引く花道を探していたのでは。長い間よくやってくれたと拍手で見送りたい。

 

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