UPDATE 2-米雇用統計、9月は予想下回る14.8万人増 FRB慎重姿勢強める公算

2013年 10月 23日 00:01 JST
 
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(内容を追加します。)
    [ワシントン 22日 ロイター] - 米労働省が22日に発表した9月の雇用統計
は、非農業部門雇用者数が14万8000人増にとどまり、市場予想の18万人増を大き
く下回った。景気の失速を示唆しており、米連邦準備理事会(FRB)は緩和縮小開始時
期をめぐり慎重姿勢を強める公算が大きい。
    8月分は16万9000人増から19万3000人増に上方修正された。一方、7月
分は10万4000人増から8万9000人増に下方修正され、2012年6月以来の低
い伸びとなった。
    ただ失業率は7.2%と0.1%ポイント下がり、2008年11月以来の低水準を
つけた。失業率の算出に使われる家計調査は、前月に雇用が拡大していることを示してい
る。
    雇用統計の発表を受けた金融市場では、米国債価格が上昇。ドルは円とユーロに対し
下落した。一方、FRBによる金融緩和が長期化するとの思惑から、米株も上昇して始ま
った。
        
    9月の雇用統計は、財政協議のこう着による政府機関の一部閉鎖の影響で当初予定よ
り2週間以上遅れての発表となった。統計の内容は、財政協議が行き詰る以前から景気が
失速している兆候を示しており、財政問題をめぐる議会対立が経済にどの程度打撃を与え
るのかが明確になるまで、FRBは緩和縮小を見送る可能性がある。
    エコノミストは16日間に及ぶ政府機関の一部閉鎖で、第4・四半期の年率国内総生
産(GDP)が最大0.6%ポイント押し下げられると予想しており、FRBの緩和縮小
開始は来年以降にずれ込むとの見方が支配的になっている。
    
    バイニング・スパークスの首席経済ストラテジスト、クレイグ・ディスミューク氏は
「FRBとFRBの政策に対する疑問が強まった。FRBは今後、雇用市場が改善してい
るとは主張しづらくなる」と述べた。
    ディシジョン・エコノミクスの首席エコノミスト、キャリー・リーヒー氏は「年明け
早々の1月半ばには、財政問題をめぐる議会の対立で再び同じ状況が繰り返される可能性
があり、FRBが行動するとは思えない。財政問題が決着するまで、FRBが緩和縮小に
乗り出すとは想像しにくい」と述べた。
    米議会は、政府資金を来年1月15日までしか手当てしておらず、連邦債務上限につ
いても2月7日までの国債発行しか認めていない。そのため来年早々に再び財政協議がこ
う着し、政府機関の閉鎖やデフォルト(債務不履行)危機といった状況に陥る恐れがある
。
        
    内訳は強弱まちまちとなった。
    政府部門の雇用者数は8月の3万2000人増に続き、9月も2万2000人増えた
。州・地方政府の雇用が増え、連邦政府の雇用減を補った。
    半面、過去数年ほぼ一貫して雇用が拡大していたレジャー・接客部門は、予想外に1
万3000人減少し、2009年12月以来の大幅減となった。
    情報は4000人増とやや持ち直したが、映画業界の人員削減を背景とする8月の落
ち込みをすべて取り戻すことはできなかった。
    一方、建設は2万人増となり、住宅建設の伸びが頭打ちになっているとの懸念を軽減
する可能性がある。過去2カ月は雇用がほぼ横ばいだった。
    製造業は2000人増にとどまった。自動車組み立てでの人員削減が響いた。
    小売りは2万0800人増加。ただ今年これまでの堅調なペースからは伸びがやや鈍
化した。
    
    時間当たり賃金は24.09ドルと、前月の24.06ドルから0.03ドル増加し
た。過去1年では0.49ドル(2.1%)増えた。
    平均週間労働時間は34.5時間で変わらずだった。
    
    
    関連グラフィックは以下をご覧ください。
    雇用者数:link.reuters.com/ram54t
    失業率:link.reuters.com/wam54t
    
    詳細は以下の通り。
    
               Sept    Aug  (Prev)    July  (Prev)  
非農業部門雇用者増減     148     193     169      89     104   
(単位:1000人)
失業率(%)        7.2     7.3     7.3     7.4     7.4  
    
平均週間労働時間      34.5    34.5    34.5    34.4    34.4  
製造業労働時間       40.8    40.8    40.8    40.7    40.7  
  ─残業時間        3.4     3.4     3.4     3.2     3.2 
時間当たり賃金(ドル)  24.09   24.06   24.05   23.99   24.00
  増減率(%)        0.1     0.3                       
     
業態別雇用者数増減(単位:1000人)
              Sept     Aug  (Prev)    July  (Prev) 
民間部門合計         126     161     152     100     127      
    
 財生産            26      18      18     -12     -17
  建設            20       2       0       3      -3 
  製造             2      13      14     -17     -16   
 サービス          100     143     134     112     144 
   卸売         16.1     9.1     8.4    14.1    11.6 
   小売         20.8    31.9    44.0    41.0    48.8 
   輸送・保管      23.4     6.3    12.0   -13.6   -13.9    
  情報             4     -17     -18      12      13   
  金融取引          -2      -3      -5      14      17 
  専門職            32      30      23      35      32
   人材派遣       20.2    21.2    13.1    13.4     8.1
  レジャー・接客      -13      21      27      -3      13  
    
政府              22      32      17     -11     -23
    
家計調査
              Sept    Aug    July(単位:1000人) 
 労働人口増減        73    -312     -37
 就業者増減        133    -115     227
 失業者増減        -61    -198    -263
    
U‐6失業率(%)*    Sept     Aug    July
              13.6    13.7    14.0 
長期失業者(27週間以上)  Sept     Aug    July  
(単位:1000人)      4,146   4,290   4,246  
    
エコノミスト予想(ロイター調査)
非農業部門雇用者増減     +180,000
民間部門雇用者数      +180,000 
失業率             7.3 pct 
時間当たり賃金増減      +0.2 pct  
平均週間労働時間        34.5 hours
    
 *U6:(完全失業者+縁辺労働者+経済情勢のためにパートタイムで就業している者)
 
/(労働力人口+縁辺労働者)
 
 
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*統計に基づく世論調査ではありません。