Updated: Tokyo  2013/10/23 03:46  |  New York  2013/10/22 14:46  |  London  2013/10/22 19:46
 

債券は上昇、20年債入札順調で午後上げ幅拡大-米雇用統計を見極め

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  10月22日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。きょう実施の20年利付国債入札が順調だったことを受けて買いが優勢となり、午後に上げ幅を拡大した。新発20年債利回りは5カ月半ぶり低水準に達した。

東京先物市場で中心限月の12月物は前日比2銭高の144円74銭で開始。午後に入ると水準を切り上げ、一時は144円84銭と日中取引ベースで5月9日以来の高値を付けた。結局は7銭高の144円79銭で引けた。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは横ばいの0.62%で始まり、午前は同水準で推移。午後に入ると0.5ベーシスポイント(bp)低い0.615%に低下した。20年物の146回債利回りは1.5bp低い1.47%と5月2日以来の低水準。30年物の40回債利回りは1.5bp低い1.61%と4日以来の低水準を付けた。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは「20年債入札結果はそこそこしっかりした印象」だと指摘した。入札後の20年ゾーンの堅調さにつられて債券市場では買いが優勢になったとの見方も示した。

財務省がこの日実施した表面利率1.7%の20年国債(146回債、10月発行)の入札結果によると、最低落札価格は103円40銭と市場予想と一致した。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は7銭と前回の10銭から縮小。投資家需要の強さを示す応札倍率は4.34倍と昨年9月以来の高水準となった。

債券市場ではしばらく主要な国債入札がないことから需給が引き締まりやすいとの見方が出ている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジストは「債券相場は20年債入札をこなして下値を固める展開になる。きょうの入札を終えると、2年債や流動性供給入札を除くと、10年債入札(11月発行)までまとまった供給がない」と説明した。

米雇用統計発表

今晩には9月の米雇用統計が発表される。10月の米連邦政府機関の一部閉鎖の影響で発表が見送られていた。政府機関閉鎖の影響は反映されないが、先行きの米金融政策を見極める上で注目されている。ブルームバーグ・ニュースの調査によると、9月の米非農業部門雇用者数は中央値で前月比18万人増加が見込まれている。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは「雇用情勢が大きく改善していれば、量的緩和縮小の年内開始の思惑につながりかねない」と指摘した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/10/22 16:07 JST

 
 
 
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