韓国が、オーストラリアなどアジア・太平洋地域の資源国2-3カ国との通貨スワップ協定締結を推進している。ヒョン・オソク経済副首相兼企画財政部(省に相当)長官が21日、全羅北道群山市で行われた化学大手OCIの熱併給発電所起工式を訪れた席で、オーストラリアなどと協定の締結に向けた議論を進めていることを明らかにした。
通貨スワップとは、2カ国が互いの通貨を融通し合うことを約束する協定だ。急に外貨が必要になったとき、自国の通貨を協定相手国に預け入れるのと引き換えに相手国の通貨を借り入れ、外貨を確保することができる。
韓国は先ごろ、資源が豊富なインドネシア、アラブ首長国連邦(UAE)、マレーシアと相次ぎ通貨スワップ協定を結んだ。政府は「貿易関係が深い資源国との金融協力を強化するため」と説明しているが、金融業界では、韓国が外貨流動性を安定的に管理するための手段として通貨スワップを選択したとの見方が強い。
ある政府高官は「一連の通貨スワップ協定締結には、韓国の外貨流動性ネットワークを広げ、金融市場の危機に備えセーフティーネットを強化する狙いがある」と説明した。また「協定によって韓国が相手国に流動性を支援する可能性が高いケース、反対に韓国が支援を受ける公算が高いケースがあるが、全体として見るとわれわれにとって利益になる」と話した。例えば、インドネシアとの通貨スワップは韓国が流動性を支援するという性格が強いが、オーストラリアやUAEなど対外的な信認度が高い国との通貨スワップは、主に韓国がさらなる外貨流動性を確保するためのものだということだ。
オーストラリアドルは世界の外国為替市場で5番目によく使われる通貨で、国際金融市場で米ドル、ユーロなどと共に通用する。