コープさっぽろ:エゾシカ肉を販売…農林業被害防止
毎日新聞 2013年10月22日 22時07分(最終更新 10月22日 22時30分)
コープさっぽろ(札幌市)は22日、北海道内の一部店舗で、大手スーパーでは初めてエゾシカ肉の販売を開始した。エゾシカによる農林業被害(昨年度約63億円)を防ぐ狙いで、道は捕獲や肉の販路拡大に取り組んでいる。肉の安全性確保に課題があったため、エゾシカ肉のトレーサビリティー(履歴管理)制度も初導入された。
◇安全性確保へ履歴管理
道は今月から食肉処理過程で獣医師による検査を導入。生産者の情報公開の体制も整ったため、コープは「一定水準の安全性の確保が可能」(大見英明理事長)と判断した。
コープが調達するのは、エゾシカ食肉事業協同組合(斜里町)で処理された肉。組合は、捕獲されたシカの健康状態をチェックし、処理するまで数カ月飼育。道の認証を受けた処理場で解体する。組合ホームページで、処理場と性別、個体識別番号を公開する。
コープは、札幌▽旭川▽北見▽釧路▽遠軽の5市町の6店舗で、生肉と加工品8種を販売。年間400頭分、1700万円の売り上げを目指す。
組合の曽我部元親理事長は「エゾシカ肉が安心安全な食品として認知される」と期待する。
一方、札幌市中央区の丸井今井札幌本店の「欧風惣菜店ヴィヴルアンサンブル」も22日、道認証の処理場で解体されたエゾシカ肉を使った総菜の販売を始めた。【円谷美晶、高橋克哉】