じゅら『純愛サディスティック』
下手するとアマゾンで1000円切ってるアルバムとかありますからねぇ。
さて本日は、じゅら先生の初単行本『純愛サディスティック』(富士美出版)のへたレビューです。結構楽しみにしていましたが、個人的には大アタリな1作でした。
自由気ままに立ち振る舞う我儘&変態お姉さん達に(性的な意味で)ソフトに虐められたい貴兄にお勧めな1作ですよ。
描き下ろしのフルカラー掌編作「快感スイッチ」(4P)と上述の描き下ろし後日談(6P)を除き、1話・作当りのページ数は12~20Pで大半の作品が16P。エロ・シナリオ共に分量的には多くはないですが、要所を押さえた構成・スムーズな展開がエロの扇情性と話の楽しさを作り出しており、良質な読後感が味わえます。
おそらく、愉快なキャラクターが動かすコメディと変態チックを絡めるエロの魅せ所がそれぞれ単純明快に整理されている点が、コンビニ誌らしい“明るく楽しいエロ漫画”としての完成度を高めています。
個人的に、収録作中で最も強く存在感を覚えたのは上述の「お姉ちゃんはドS」シリーズ。
弟君にエッチないじめをしちゃうSなお姉ちゃんという、M男子羨望ながら平凡なスタートを切りつつ、姉と弟のエロ関係における攻防をお馬鹿なノリで勢いよく描けているのが大きな魅力です。
ドM体質を習得しながら弟君を「もっとお姉ちゃんをいじめなさい!」と叱責するSなんだかMなんだか分からない第2話が象徴するように、結局のところ素敵に傍若無人なお姉さまが全てを支配している感覚が狂奔しているシナリオに独特の落ち着きを与えています。
女性側の快楽至上主義な作風でありながら、サラッと挿入してくる優しい表情や抱擁で根底にある温かい姉弟愛を何となく表現してしまうことも作品の雰囲気を良くしています。
この「お姉ちゃんはドS」シリーズや短編「純愛サディスティック」、「人間書道部」などのコメディ系ではセンスの良い台詞回しが印象的であり、上述の“エロゲーだけ”発言のようなインパクトのある台詞を登場人物に放たせて意外性のある展開を導いたり、微笑ましさと楽しさを無理なく融合させた地味に巧い台詞のやり取りでコミカル&エッチな雰囲気を醸成したりなリズムの良さはなかなかのものです。
ハチャメチャなギャグ展開を見せる短編「人間書道部」の変態お姉さんの童貞チ○コ超理論(↓の引用コマも参照のこと)は一読の価値アリかと(笑。
女の子の独占欲の業の深さをダークに描く短編「誘惑」と彼女の元彼に嫉妬してセックスで暴走してしまう男の子を女の子が優しく包み込む短編「ハツコイ」は若い男女の恋とセックスを両者で真逆の視点で描くシリアス系。短編「純愛サディスティック」でも見せたシンプルながら意外に素敵な情念の描写が光っていますが、ページ数的にやや話の構築に余裕がないことだけが残念です。
なお、作風に関わらず話の締め方がどれも気持ちがよいのは大変好印象です。
お姉さまキャラ達は年齢的にはハイティーンクラスから成人女性(推定20代前半)といった感じで「甘いのがお好き♪」の菓子店の女店主に代表されるように、全員年下の男性を変態チックな行為をばんばん絡めてエッチな悪戯をするのが大好きな女性達です。
男の子の困る顔とエロの快感のためならば変態プレイも大歓迎なお姉さん達は、拘束レイププレイやコスプレHに興じたり、易々と異物挿入を敢行したりとエロシーンで大暴れして男性陣を振り回してくれます。
エロ作画的には初単行本ながらかなり高水準にあり、つま先までしっかり描く画としての緊張感がある肢体全体の描写や、適度なマッスのある乳尻および快楽に紅潮する淫らな表情をアップにして扇情的に見せるコマ展開は共に抜きへの没入度を高めてくれます。寝ころんだ男の子の上で女性二人が携帯電話でレズプレイという破天荒なプレイを見事な構図で描き切ったシリーズ第3話「お姉ちゃんはドS→M2」などは個人的には拍手大喝采。
白濁液の逆流まで描く中出しフィニッシュシーンへと続く抽挿シーンは勢いよく描けているものの、エロ展開的には変態チックな前戯シーンにこそ力が入っており、ピストン運動をたっぷり楽しみたい貴兄はやや不満を感じさせるかもしれません。
絵柄はある程度変遷している感がありますが、絵の上手さの水準はそれ程大きく変化していないので個人的にはあまり気になりません。
あと、余談ですが、キャラの名前があまりに阿呆なのは人によってはちょっとマイナスかもしれません。個人的には楽しいですけどね。
責めたり責められたりのSMチックなエロも、各種ギミックを活かす変態プレイも、それらを行うSなお姉さん達の扱い方にしても、少しも邪気がなく、変態チックだけど楽しいエロ漫画を存分に描き切って卑俗に堕とさず、しかも毒気のないサラリとした雰囲気に仕立て上げているのは、コンビニ誌エロ漫画のオーソドックスな手法に依っているからとはいえ、やはりじゅら先生自身の確かな力量故だと感じます。
最近ペンギンクラブでお見かけしないのが心配なのですが、2冊目をかなり楽しみにさせてくれる初単行本でした。楽しくて抜けるエロ漫画をお探しの貴兄(M願望持ち)はマストバイですよ!
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