ソ連の有人宇宙技術は世界一!!!
2006年05月22日
カテゴリー: 日々思うことなど
ソ連の有人宇宙飛行技術はアメリカを凌駕していた、らしい。
Soviet Conquest of Space
「もし第二次大戦で枢軸国が勝っていたら…」といった "if" 世界を空想したSFは多いけれど、現実味のあるものは少ない。だが、「ソ連がアメリカより先に月へ到着」「ソ連が有人火星飛行を実施」が実現する可能性はたしかに存在したのである。
特に面白かったのは「ソ連有人月旅行計画」。1968年12月9日に二人の宇宙飛行士を乗せた「ソユーズL1」を打ち上げ、人類史上初の月周回飛行を実現する計画が完全に準備されていたという。ちなみに、アポロ8号の月周回飛行(1968年12月21日打ち上げ)の12日前である。
しかも、「ぶっつけ本番」だったアポロ8号とは違い、ソユーズL1の打ち上げは完全自動操縦のリハーサルを2回行った後に実施されることになっていた。そして2回のリハーサルはほぼ完全に成功したのだが…
驚くのは、ソ連の有人宇宙計画のコンセプトが「完全な自動操縦」と「人命尊重」であることだ。
ソ連邦崩壊後の宇宙ステーション「ミール」は資金不足でずいぶんひどいことになっていたが、全盛期ソ連の有人宇宙飛行にかける志はアメリカを超えている。ソユーズ計画は全自動操縦が前提であり、事前に無人での完全リハーサルを行った後に有人飛行を実施していた。宇宙飛行士の手動操縦に頼るアポロ計画では不可能な方法だ。
人命尊重は幻の「有人月着陸計画」においてその極に達する。何しろ、1974年11月に行われる予定だったソユーズL3計画では自動操縦の予備機が月軌道と月面に用意され、有人機にトラブルが起きたときは予備機に乗り換えて地球に帰還することが可能なのだ。何と用意周到なことだろう!
まるで常に予備機を引き連れて飛ぶ政府専用機なみだ。
"Soviet Conquest of Space"の著者、太田順治氏は以下のように米ソ両国の有人月着陸計画をまとめている。
資本主義アメリカの宣伝のため宇宙飛行士に命がけの冒険を強いるアポロ計画とは違う。
誰が何と言おうと、ソ連の有人宇宙技術は世界一!!!
…と、楽しい夢を見るのはこれくらいにしておこう。
それにしても、独ソ戦やチェルノブイリ原発事故>、そして収容所群島におけるソ連のすさまじい非人命尊重ぶりと、有人宇宙飛行計画での人命尊重はあまりに対照的でとても同じ国のこととは思えない。
奇妙奇天烈、摩訶不思議。崩壊して十数年たった今も、ソ連はやっぱり謎の国である。
Soviet Conquest of Space
ソ連の宇宙開発は「計画の事前発表は全く無く、失敗したことは隠し、成功したことのみ公表した。驚いた。そして、もの凄く面白かった。これはほとんどSFだ!
時には、成功したことすら隠した。しかし、失敗したことを成功したと偽ることは絶対にしなかった」といったところです。
この「成功したことすら隠した」というのが最大のポイント。驚くべき情報・映像が、今でもガンガン、リークされている。
大抵の人は「何だいまさらソ連なんて」と思うでしょうが、そんなわけでタイムリーなのだ。
99.99%の人は、このトップページを見ただけで去ると思うけど、まあ、観ていってください。驚くことも多いはず。
「もし第二次大戦で枢軸国が勝っていたら…」といった "if" 世界を空想したSFは多いけれど、現実味のあるものは少ない。だが、「ソ連がアメリカより先に月へ到着」「ソ連が有人火星飛行を実施」が実現する可能性はたしかに存在したのである。
特に面白かったのは「ソ連有人月旅行計画」。1968年12月9日に二人の宇宙飛行士を乗せた「ソユーズL1」を打ち上げ、人類史上初の月周回飛行を実現する計画が完全に準備されていたという。ちなみに、アポロ8号の月周回飛行(1968年12月21日打ち上げ)の12日前である。
しかも、「ぶっつけ本番」だったアポロ8号とは違い、ソユーズL1の打ち上げは完全自動操縦のリハーサルを2回行った後に実施されることになっていた。そして2回のリハーサルはほぼ完全に成功したのだが…
驚くのは、ソ連の有人宇宙計画のコンセプトが「完全な自動操縦」と「人命尊重」であることだ。
ソ連邦崩壊後の宇宙ステーション「ミール」は資金不足でずいぶんひどいことになっていたが、全盛期ソ連の有人宇宙飛行にかける志はアメリカを超えている。ソユーズ計画は全自動操縦が前提であり、事前に無人での完全リハーサルを行った後に有人飛行を実施していた。宇宙飛行士の手動操縦に頼るアポロ計画では不可能な方法だ。
人命尊重は幻の「有人月着陸計画」においてその極に達する。何しろ、1974年11月に行われる予定だったソユーズL3計画では自動操縦の予備機が月軌道と月面に用意され、有人機にトラブルが起きたときは予備機に乗り換えて地球に帰還することが可能なのだ。何と用意周到なことだろう!
まるで常に予備機を引き連れて飛ぶ政府専用機なみだ。
"Soviet Conquest of Space"の著者、太田順治氏は以下のように米ソ両国の有人月着陸計画をまとめている。
アポロは、とにかくソ連より早く有人月面着陸をするのが動機だったので、やっつけ仕事で作った人命軽視の宇宙船。全ての労働者の故郷、ソ連邦の宇宙計画は人命尊重で素晴らしい。ウラー!
ソユーズL 3は、動機が「アメリカと同じ事をする」というもので、計画スタートがアポロより3年以上遅れたので、アポロより月面着陸が遅れるのを知った上で、徹底した人命重視から石橋を叩いて渡るように準備周到に作られた、安全第一の宇宙船。
資本主義アメリカの宣伝のため宇宙飛行士に命がけの冒険を強いるアポロ計画とは違う。
誰が何と言おうと、ソ連の有人宇宙技術は世界一!!!
…と、楽しい夢を見るのはこれくらいにしておこう。
それにしても、独ソ戦やチェルノブイリ原発事故>、そして収容所群島におけるソ連のすさまじい非人命尊重ぶりと、有人宇宙飛行計画での人命尊重はあまりに対照的でとても同じ国のこととは思えない。
奇妙奇天烈、摩訶不思議。崩壊して十数年たった今も、ソ連はやっぱり謎の国である。
宇宙計画云々でソ連は人名尊重というのは完全に与太ですが(ロケットの事故を含めて何人も死んでる)、ソ連の科学技術がすごかったというのは本当ですね。
わたしが凄いと思うのはマイク級潜水艦。完全に実戦可能な原子力攻撃潜水艦で、船体はチタン製。実用潜航可能震度は1000m。こんなにすごい船はマイク級潜水艦以外ありません。1000mもぐれる原子力潜水艦はアメリカももってます(NR-1)が、これは研究調査救難用で非武装でかつ、サイズも小さい上に鈍足です。そのかわり海底を進めるようにキャタピラついてるけど。。
でも、なんといっても凄いのはソ連はその貴重なマイク級潜水艦に訓練をろくろくほどこしてないクルーを乗り込ませて、事故で沈めてしまったことですね(ということろからして、ソ連の人名尊重というのは信用できません)。
人類はかって月に到達しいまそこに帰る技術的手段をもちませんが、同様にマイク級潜水艦も人類の技術史においていまのところ空前絶後の存在です。
お久しぶりです。
ソ連の人命尊重というのは、われわれの道徳律や倫理観、あるいは宗教的なヒューマニズムとは対極を為す存在、つまり究極の合理主義・効率主義だと思います。
個々の人命はソビエト国家という巨大かつ複雑な機械を維持・巨大化させる為の部品に過ぎない。そしてここで出てくる「部品に対する扱いの差」は、言うまでもなく代替品が豊富かつ安価に揃えられる部品であるか、稀少かつ高価な部品であるかの差に他ならないでしょう。
……と思っています。あまりうまくまとめられませんでしたが。
何にしても、人命が、人命であるが故に尊いという認識が存在する世界と時代に生まれたこと。お前は生まれるときに一生分の幸運の八割を使い果たした、と突然言われたとしたら、ああそうかもしれない、とうなずいてしまうかも知れませんw
始めまして。ソ連の生産技術は世界一ですね。いやだったという過去形ですか。WW2の時のドイツの戦車の有名どころはソ連のモノのコピーですしね。銃のカラシニコフみたくものすごく単純で生産しやすく優秀なものや最近の攻撃機のSu-27〜3xのように複雑怪奇なものまでなんでもござれ。
同志ニキタ・フルシチョフの性格にあるのかも。
トップダウンの意志決定の際に偶々重点目標にあった、というだけじゃないのかな?宇宙飛行士の生残性。
その場合は他を犠牲にしても辻褄合わせはするでしょう、あの体制ならば。
>zzztkfさん
スチール製のMiG25、チタン製のマイク級潜水艦。
設計や材料選択の思い切りのよさがすごいです。
銃が好きな私はAN94ライフルの超独創的なメカに憧れます。モデルガン発売希望。
>youzさん
「自動操縦」「人命尊重」はアメリカの宇宙計画との差別化のためだったのかもしれませんね。
>k-74(投錨備忘録)さん
冷戦時代のソ連は、今にして思うと魅力ある悪役でした。
>煬帝さん
スターリン=怖い人
フルシチョフ=変な人
ブレジネフ=つまらない人
というイメージがあります。
>トリルさん
ガガーリンの前に有人宇宙飛行に失敗、パイロットが死亡したという噂がありますね。
そのときのトラウマが人命尊重志向を強めたのでしょうか。