◇日本オープン<最終日>
▽21日、茨城県つくばみらい市、茨城GC東C(7320ヤード、パー71)▽曇り時々晴れ、気温20・7度、風速1・8メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽64選手(うちアマ5人)▽観衆967人
前日サスペンデッドとなった最終ラウンドが、21年ぶりに予備日を使って再開され、3打差2位から発進した小林正則(37)が6バーディー、2ボギーの67で回り、通算10アンダーで首位に立っていた高校の後輩・小田孔明(35)を逆転して初の日本一に輝いた。今季初V、ツアー通算3勝目。賞金ランキングも前週の67位から7位にジャンプアップ。2018年まで5年間のシード権と来年の全英オープン出場権も獲得した。
小田孔に2打差をつけて迎えた最終18番パー5の2打目。「刻むか攻めるか迷った。でも、守って勝ったことがないので。4を取れば負けないし、最後まで諦めない強い気持ちでやった」と小林。見事に2オン成功。2パットでVをたぐり寄せ、ガッツポーズをつくった。
7月に麻理子夫人(25)との婚姻届を出した。8月には新婚旅行を兼ねて欧州ツアーに出場したが、ISPSハンダウェールズオープン初日に88をたたいた。「あの悔しさは一生忘れない。(日本に)帰って成績が出なかったら行ってきただけになる」。帰国後は不調のパット修正に着手。「半分以上の欧州ツアー選手がクロスハンドグリップ。やってみようと思った」。9月下旬のパナソニックオープンの時、加瀬秀樹に「どうせならクローズスタンスにしちゃえ」と言われた。こうした変更が栄冠につながった。
順延となった前日は、焼酎を5合飲んでリラックスした。プレーがずれ込んだため、予定していた結婚式(来年1月予定)の衣装合わせをキャンセルして臨んだ決戦。麻理子夫人も応援した。「朝は『優勝する』と言ってました。最高のプレゼントですね」と笑顔を振りまいた。5年間シードと来年の全英オープン出場権を獲得。最近はアジアなど海外に積極的に挑んでいたが「全英!? 忘れてました。うれし〜い! アジアにもうちょっと行けるし、ヨーロッパにも挑戦できる。出無精になってはいけない。試合のあるところには行きたい」。世界への扉を開けた小林が目を輝かせた。 (櫛谷和夫)
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