巨人が21日、楽天との対戦が決まった26日からの日本シリーズに向け、本拠地の東京ドームで練習を再開した。原辰徳監督(55)は約2時間半にわたった全体練習で、選手の動きをチェック。敵地・Kスタ宮城での第1、2、6、7戦で採用されるDH(指名打者)は極力9番に入れることで、セ・リーグを制した打順をなるべく変更せず頂上決戦へ臨むという姿勢を示した。
相手に不足はない。巨人が掲げる最大目標・2年連続日本一に向け最後に倒す敵は楽天。相手が決まった直後に原監督は球団を通じてコメントをを発表。端々に決戦への熱き思いがにじみ出た。
「これからの時間を有効に使って十分な態勢をつくり上げ実戦を迎えることが重要です。日本プロ野球の頂点にふさわしいゲームをお見せしシリーズ連覇を実現します」
万全の策を取る。東京ドームで再開した全体練習を見つめた指揮官。頭の中は仙台での第1戦のことでいっぱいだった。報道陣に指名打者(DH)をどの打順に入れるかと聞かれると、間髪入れず言い切った。
「DHや普段出ていない人は9番に入れることになるだろう。打順をいじる必要はない」。いわば、不動オーダー宣言。「今のチーム状況から言って流れを崩す必要はない」と思い、DHを投手の打順である9番に配するプランをたてている。
実はこの打順をフェニックス・リーグでテスト済み。殊更、気にする必要はない。「試合にいかにいい態勢で入っていけるか」。チームを100%に仕上げれば勝てる。これが原監督の信念だ。
そんな指揮官にハプニング。坂本の指導中にティー打撃の打球が右腕を直撃した。「申し訳ないです」と平謝りの坂本をよそに「大丈夫。オレの腕がちぎれたって、大した問題じゃない」。不動の心で選手を信じる原監督。頂点へ力強く進んでいく。 (川越亮太)
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