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【プロ野球】

楽天 日本一だ

2013年10月22日 紙面から

日本シリーズ進出を決め、田中(18)ら楽天ナインに胴上げされる星野監督=Kスタ宮城で

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◇CSパ・リーグ ファイナルステージ<第4戦>楽天8−5ロッテ

 楽天は21日、Kスタ宮城で行われたクライマックスシリーズのファイナルステージ第4戦でロッテを8−5で下し、対戦成績を3勝1敗とし、リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて球団創設9年目で初の日本シリーズ進出を決めた。5−5で迎えた7回、ケーシー・マギー内野手(31)が決勝ソロ。3点リードの9回はエース・田中将大投手(24)が無失点救援。星野仙一監督(66)は中日、阪神監督時代に果たせなかった初の日本一を目指して、26日から巨人との日本シリーズに臨む。

     ◇

 名演出で決めた。パ王者のイヌワシ軍団がCSファイナルを突破。最後はリーグ優勝決定と同じく田中が締めた。歓喜の輪の真ん中で、星野監督が宙に舞う。7度。地元Kスタ宮城のファンの前で球団初の胴上げが実現した。

 リーグ制覇は西武ドームだった。「必ず、このクリネックス(Kスタ)で胴上げしたい。みんなの前で胴上げしてもらいたい。選手とそう約束していた。本当に幸せな男だね、僕は」。優勝監督インタビュー。指揮官は声を張り上げた。

 仙台のファンに最高のシナリオを用意した。9回だ。8回を抑えた則本の後を継ぎ、マウンドに向かうのは24勝無敗のエースだった。「田中」がコールされると、イヌワシ党のボルテージは最高潮に達した。

 主役も応える。2死を奪った後に連打を許す。一発で同点の危機を自ら演出し、打席には井口を迎えた。スプリットで三ゴロに打ち取ると、小さなガッツポーズに喜びを詰め込んだ。

 初戦の完封。そして、胴上げ投手。「僕で良いのかな」というMVPにも選ばれた。「どちらに転ぶか分からないゲームだった。最後はウチが相手より失点を抑え、相手より多く得点したということ」。CSファイナルは田中に始まり、田中で終わった。

 狙い通りの展開。星野監督もほくそ笑んだ。雨天中止となった前日は、一人暮らしの指揮官にとって退屈な1日だった。「ずっと家にいたよ」。時間を持て余せば、頭の中には日本一のシナリオが駆け巡った。

 中日を率いて2度、阪神では1度、リーグ制覇に導いた。今季、楽天で4度目の胴上げ。両リーグ制覇を果たした手腕は「名将」にふさわしい。しかし、1つだけ足りないタイトルがある。

 竜の将として挑んだ88年、99年の日本シリーズはともに1勝4敗。虎を率いた03年も3勝4敗で涙をのんだ。短期決戦に弱い−。周囲の声が耳に入る。自身初のCS。開幕前には「俺も初めてだからな。選手を信じるしかない」と話した。

 その信頼に応えてくれた。田中、則本、美馬の先発陣。ジョーンズ、マギー、銀次の勝負強い打撃。星野監督は「息子たち」と表現した。「常にファンのために、そして己のために、家族のために、チームのために、すべてのみなさんのために選手はやってくれました」

 就任から3年。大事に育ててきた芽は大輪の花となった。さあ、いよいよ日本シリーズ。「私の永遠のライバル、ジャイアンツに、しっかりと胸を借り、頭を下げて、やっつけます!」。闘将率いるイヌワシ軍団が、最高峰の戦いに乗り込む。 (井上学)

 

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