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一品更屋 × へうげもの タイアップ企画
exhibition Chanoyu Oribe-tique
2013年10月23日(水)~ 11月5日(火)
伊勢丹新宿店 本館5階 特選和食器
茶道の大成者・千利休の美は、師である村田珠光が開眼した「茶禅一味」を体現すべく、脱俗に重きを置き、極限まで人の作る「表現」をそぎ落とすことで、茶を点てる・飲むという行為を、無の境地の中に置くことを目指したと考えられる。そのため、利休好みの茶道具は究極にまで装飾を避けることで「有ることを疎む」というレベルまで昇華されており、反面、その極端な非表現は、西洋のミニマリズムにも通じる「物自体の持つ美しさ・場との調和」を際立たせることにもつながった。
利休の弟子であった古田織部は、利休の非表現の美から大きく逸脱した、真逆ともいえる過剰な表現の美を残している。これは、利休が作り上げた何物も雑音をたてることを許さない非表現に付きまとう「窮屈さ」に対するアンチテーゼだったのではないだろうか。織部は、利休の茶が表現を排斥することで自由になることを目指していたはずなのに、逆に不自由になっていることに気づいたのだ。人間本来が持つ「無」とは、「何も無い」ことではなく、喜びや楽しみ、悲しみ、生活そのものを自ら受け入れ、そこに自然に対峙できることだという一つの結論を得たのではないだろうか。
織部の美は「人間美」である。織部は、器自体をゆがませることで利休の窮屈さから抜け出し、器を人間本来の自由な姿に近づけた。利休が嫌っていた作為的な絵付けも積極的に取り入れ、様々な地方の景色を描き、身の回りの自然をそのまま器に写しこみ、最終的には線や点、六角形や三画形などの抽象化された幾何学紋様が器全体に絵付けされるようになる。紋様をパターン化し器を装飾する「デザイン」の意識が芽生えている。
織部好みの器は「デザイン」の持つ身近さから、生活の中に自然に溶け込み、人の営みと一体化することで存在感を消し、利休好みの堅苦しさとは別のアプローチで「無」を体現することにつながった。結果として織部好みは、当時の武家だけではなく広く一般庶民にまで広がり、一時代を作る大きなムーブメントとなっていく。
今回開催される「Chanoyu Oribe-tique」展は、利休の美に対して織部が行ったイノベーションを手本とし、現代に生きる作家がこの時代に対してどのようなイノベーションを起こすかを考察する展示会となる。必ずしも伝統的な「織部焼」を手掛けるのではなく、現代において「織部的=織部ティック」とはどのような意味を持つのかを掘り下げ、「現代の織部」とは如何なるものになるのかを提示する。本展では「織部好み」の器に宿る、新しい美を築き上げる「勢い」を、震災で停滞したムードや、長引く不況を打破する創造の勢いへと変化し、茶とデザインのニューウェーブとして捉え直すことで、「織部精神」を受け継いだ意欲ある作家と共に新たな価値を持つ作品を創作、展示・販売する。
また、講談社「週刊モーニング」好評連載中の古田織部を主人公とした漫画「へうげもの」とのコラボレーションにより、一品更屋が古田織部をポップアート化。茶人による茶会イベントの実施、イセタン
デザインウイークへの参加など、茶湯、アート、デザインを存分に楽しめる2週間となる。 |
Artist |
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東一仁 |
石井隆寛 |
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伊勢貴俊 |
大中和典 |
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小野穣 |
金理有 |
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佐藤尚理 |
篠原希 |
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二階堂明弘 |
藤平寧 |
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箕浦徹哉 |
望月薫 |
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大町憲治 |
阪本修 |
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橋本千毅 |
藤澤秀行 |
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藤野征一郎 |
三橋鎌幽 |
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竹浪祐介 京都市産業技術研究所 |
石黒昭 |
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一品更屋×へうげもの Collabo-Works |
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Chanoyu Event |
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SHUHALLY 松村宗亮 |
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