Updated: Tokyo  2013/10/22 03:58  |  New York  2013/10/21 14:58  |  London  2013/10/21 19:58
 

貿易収支は15カ月連続赤字、過去最長更新-年度上半期の赤字最大 (1)

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  10月21日(ブルームバーグ):9月の貿易収支 は15カ月連続の赤字となり、過去最長を更新した。赤字額は事前予想をわずかに上回り、9月としては比較可能な1979年以降で最大だった。自動車を中心に輸出額が7カ月連続増と回復基調にあるものの、通信機や半導体などが輸入額を押し上げた。

財務省が21日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比12%増の5兆9721億円。一方、輸入額は同17%増の6兆9043億円となり、11カ月連続で増加した。これにより貿易収支(原数値)は9321億円の赤字となった。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査による予想中央値は、輸出額が前年同月比16%増、輸入額は同20%増。貿易収支は9186億円の赤字だった。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは統計発表後のリポートで、貿易収支の先行きについて「当面は赤字基調からの脱却は難しい」と指摘。全原発停止による燃料輸入の増加に加え、「内需堅調となる中、燃料以外の輸入も強い」ことを理由に挙げた。

輸出品目で増加したのは、円安を背景とした自動車(前年同月比30%増)、鉱物性燃料(73%増)など。輸入はスマートフォン(多機能携帯電話)を中心とした通信機(64%増)、半導体などの電子部品(59%増)が増えた。

地域別の輸出動向をみると、米国向けが自動車を中心に19%増と、9カ月連続で増加。対欧州連合(EU)も14%増と4カ月連続で増え、回復基調にある。中国向けは有機化合物の輸出が好調で、11%増と6カ月連続で増加したが、2カ月ぶりに米国向けを下回った。

併せて発表された2013年度上半期の速報によると、貿易収支は4兆9892億円の赤字となり、年度の半期ベースで過去最大を記録した。内訳を見ると、輸出は円安を背景に米国向けの自動車が主導し、前年同期比10%増と5期ぶりに増加。一方で、輸入が原粗油を中心に同14%増と輸出の伸びを大幅に上回った。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2013/10/21 11:29 JST

 
 
 
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