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【オリコンうがや訴訟9】ソニーME元社長が証言 オリコンのチャート操作、働きかけ日常化
02:00 11/28 2007
 
丸山茂雄(まるやましげお)氏。1941年生まれ、早大商学部卒。 ソニー・ミュージックエンタテインメント元社長(1998年~2000年)。 新しいインターネット型レコード会社「247music」社長。

 レコード業界のリーディング・カンパニーであるソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)元社長の丸山茂雄氏は、「オリコンが正確だなんて誰も期待してない」「権威だと思い始めたのがヘン」と語る。日常化しているレコード会社員によるオリコンのチャート集計責任者との会食の目的は「順位を上げてほしい」と希望を伝える働きかけだという。小売店での操作や組織的買い取り、業界誌という位置付けなどの話からも、「チャートの公平性・中立性など最初から期待していない」ことが業界の常識であることが分かった。

【Digest】
◇「生まれながらにしての権威」と勘違い
◇レコード業界「順位何とかしてよ」
◇「今回大事な時期」とアピール
◇オリコンの建前「お話を聞くだけ」
◇サウンドスキャン登場でズレをなくすことに
◇「順位を甘くしてもらえる」雰囲気を出す
◇レコード店での操作と組織的買い取り
◇オリコンは音楽業界の応援団
◇オリコンはまさに『業界誌』


 オリコンは、チャート集計の透明性について疑問を投げかけたフリージャーナリストの烏賀陽弘道氏を相手取り名誉毀損で5000万円の損害賠償訴訟を起こし、今も係争中である。12月11日の東京地裁の第6回口頭弁論では、烏賀陽氏とオリコン側証人への尋問が行われる。

 レコード業界のリーディング・カンパニーである、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)の元社長(1998年~2000年)である丸山茂雄氏は、ソニー時代はレーベル「エピックソニー」を育て、佐野元春、TMネットワーク、大江千里、渡辺美里、バービーボーイズなどのスターを輩出し、日本のポピュラー音楽の黄金時代を築いた人物である。

 ソニーを退いてからは「247music」という新しいインターネット型レコード会社を興し、今も一線で活動中。現在も、音楽業界への影響力は非常に大きい。

 その丸山氏が実名でのインタビューに応じ、レコード会社とオリコンの関係についてその実態を詳しく証言した。

◇「生まれながらにしての権威」と勘違い
--レコード会社にとって、オリコンとはどういう会社なのですか?

丸山「オリコンという会社は、先代のお父さん(オリコン創業者・先代社長の小池聰行氏)ががんばってアメリカの『ビルボード』なんかを見ながらつくった会社ですが、(2001年に)亡くなった後、いまは息子さん(小池恒氏)が事業を継いでます。

 お父さんは、自分が広告塔になって、いろんな媒体に『オリコン調べ』『オリコンデータ』とかいうクレジットを出してもらうことでブランドを作り上げました。マスコミ、音楽業界、テレビやラジオがみんなオリコンのデータを使うことで、自分達のビジネスに役立ったので亡くなったお父さんは大変尊敬されてました。

 息子は2代目なので、もともとオリコンには絶対的権威があるというふうに感じているようですね。あと株を(2001年に)上場したことがあの会社にとって大きいですね」

--株の上場が、ですか?

丸山「上場すると『コンプライアンス』ということが重要になるよね。法的に極めて公正であることがね。あらゆる法律に違反しない社会的責任がある。だから、『業界に支えられて権威を作り上げたオリコン』ではなく『生まれながらにして権威あるオリコン』は『社会的に公正である』と自己規定されちゃう。

 それにアンチを唱える人には、自分が公正であることを立証しなくてはならないという強迫観念になるんでしょうね。そこに弁護士もいるから、コンプライアンス遵守しなくちゃいけないと助言する。(訴訟という)方法は何となくヘンだけどね(笑)。

 僕は何もチャートの公正さだけがオリコンの必要とする唯一のよりどころじゃないと思うんだけどね」

◇レコード業界「順位何とかしてよ」
--裁判でオリコンは『チャートは公正だ』と主張してますよ。

丸山「ぼくらの側から言えば、(音楽チャートなんて)おおよそ分かればいいよね、って感じなんだ。『きょうの温度は32度だ』っていうけど、それが30度でも構わないわけ。生活に何の影響もない。

 だけど、陸上選手は9秒70なのか9秒75なのかという数字を争っているのですから『数字』の意味が違う。オリコンは今までの成り立ちがあるからね。『自分は陸上選手だ』っておっしゃるんだったら、それはそれでいいんじゃないですか。けど、そうじゃないと思っている人もいる。それが基本だよ。

 だって、『(チャートの)順位何とかしてよ』ってこっちは言いに行くし、『何とかしてよ』って言っているの承知で(オリコンはぼくらに)会っているの分かってるんだもん。みんな。でも『だからといって手心は加えてません』てのがオリコンの公式な立場でしょ?」

--それは驚きですね。よくあったことなんですか?

丸山「あったことだし、今でもあるよ.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



レコード業界のリーディング・カンパニーであるSMEの元社長が、レコード会社からオリコンへの働きかけを詳細に証言したことの意味は非常に大きい。

 

丸山氏の「オリコンが『正確だ』と言っちゃあ、おしめえだよ」に、オリコンはどう答えるのだろうか。

 

12月11日(火)13時半~、東京地裁の第6回口頭弁論では、烏賀陽氏(写真)とオリコン側証人への尋問が行われる。

 

記者コメント
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■オリコン訴訟の詳細は、うがやジャーナル

■第6回口頭弁論期日:2007年12月11日(火)13時半~。東京地裁709号法廷。
そのあと地裁隣の弁護士会館5階で弁論内容の説明会を予定。誰でも参加自由。
 
烏賀陽氏本人のほか、2003年1月に烏賀陽氏の電話を受けたという元オリコン社員が証言台に立ち、双方の弁護団の質問を受ける。一連の「オリコン裁判」では最大の山場である。審理はこの12月11日の証人尋問で事実上結審し、後は判決を待つだけになる可能性が高い。

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青山住人  00:58 03/05 2008
A社はオリコンに大量の広告を出しており、その見返りなのかA社所属のアーティストのCDオリコン・ポイント数はどうみても高いだろ!というのが多かった。
オリコン取材班  14:34 12/01 2007
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