フランス:「米が7030万件盗聴」に外相「許しがたい」
毎日新聞 2013年10月21日 20時58分(最終更新 10月21日 21時39分)
【パリ宮川裕章】フランスのルモンド紙(電子版)は21日、米国家安全保障局(NSA)が昨年12月から今年1月にかけ、仏国内で民間人など7030万件の盗聴を行っていたと報じた。仏政府は報道を受け、駐仏米大使を呼び、事情説明を求めている。
ルモンド紙は元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者が英ガーディアン紙のグレン・グリーンワルド記者に提供した資料を入手し、内容を報じた。それによると、NSAは昨年12月10日から今年1月8日の30日間にわたり、仏国内の通話7030万件分を録音などしていた。指定した電話番号で通話があると自動的に会話内容を録音する装置が使用され、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)は特定のキーワードに反応する仕組みで監視されていた。
米国はこれまで国外で盗聴を行うケースとして、テロやサイバー攻撃の脅威、核拡散に関する事案があった場合と説明しているが、ルモンド紙は今回明らかになった盗聴について「テロ活動との関係が疑われた人物の他、ビジネス関係者、政治家、官僚も対象となっている」と報道した。 報道を受け、仏政府は21日、リフキン駐仏米大使を呼び出した。ファビウス仏外相は訪問先のルクセンブルクで報道陣に応じ、「同盟国間でのプライバシーを侵害する行為は許しがたく、いかなる状況でも再発しないよう求める」と述べた。