安倍晋三首相は21日午前の衆院予算委員会で、特定秘密保護法案について「各国の情報機関との情報の交換、政策における意見の交換を行っていく上では、秘密を厳守することが大前提だ。NSC(国家安全保障会議)の機能を発揮させるには、どうしても必要ではないかと考えている」と述べ、政権が来年1月を目指すNSC発足に向け、特定秘密保護法を成立させる考えを強調した。

 首相はNSCについても「安全保障上の重大な決断を下さなければいけない事象が起こる可能性は常にある。その際、首相がどういう対策を取るかは、あらかじめある程度、選択肢が用意されていた方がいい」と答弁。NSCの役割として、首相が判断する際の選択肢を提供すると説明した。いずれも自民党の石破茂幹事長への答弁だ。

 また、石破氏が特定秘密の指定に際し「行政の恣意(しい)をどのように防ぐか」と質問したのに対し、同法案担当の森雅子消費者相は「30年後に内閣の承認を要することでチェックする。さらに国民の知る権利をしっかり法定し、情報公開法の手続きも適用することで、行政の恣意をしっかりと排除していきたい」と答えた。

 また、首相は集団的自衛権行使などの安全保障法制の見直しについて「しっかりと前に進め、議論を行っていく」と答弁。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の議論については「例えば外国の潜水艦が、領海に入ってきて沈んだまま徘徊(はいかい)して、なかなか出て行かない状況を恒常化させようとする(外国の)狙いもある。今の法制度で適切な対応ができるかも議論を重ねている」と述べた。NSCが首相に対し、判断の選択肢を提供するうえで安保法制懇が有意義な議論をしているとの認識を示した。

 一方、内閣が提出予定の国家戦略特区関連法案に関して「安倍内閣には抵抗大臣が存在しない。(大臣は)意見を述べる機会を与えるが、(意思)決定には(関係分野の大臣を)加えない方向で検討している」と述べた。自民党の塩崎恭久政調会長代理への答弁。

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