放し飼い大型犬、通行人襲う！１５分間で３人を次々かむ

路上で通行人にかみつき、大阪府警吹田署に捕獲されたシェパードとみられる大型犬

　大阪府吹田市山手町３丁目の路上で２０日午前１０時ごろ、「犬に襲われた」と通行人の女性（２５）から１１０番があった。吹田署によると、ほかにも６２歳の男性と３２歳の女性の計３人が１５分間のうちに立て続けに膝などをかまれ、病院に搬送された。現場に急行した吹田署員らが、シェパードとゴールデンレトリバーとみられる大型犬２匹を捕獲。２匹とも首輪、リードはついていなかった。数時間後に同署を訪れた飼い主の男性は、自宅内で放し飼いにしていたと説明したという。

　吹田署によると、２５歳の女性から通報があったのは午前１０時３分。「犬に襲われた」と自ら１１０番した。現場は阪急千里線関大前駅から南に約１００メートルの関西大学幼稚園の正門付近。女性は通行中に突然襲われ、右でん部をかまれたという。

　約１５分後、吹田署員らが現場に駆け付けると、ほどなくして関大前駅付近で３２歳の女性がシェパードに左足の太ももをかまれているのを発見。そこから署員十数人で２匹を囲い込むと、犬の扱いになれた署員が興奮しているシェパードをなだめて捕獲した。近くにいたゴールデンレトリバーは終始おとなしかったという。

　署員が現場に駆け付けるまでに、６２歳の男性も幼稚園の正門付近で左太ももをかまれており、約１５分間で３人が被害に遭った。かんだのはすべてシェパード。３人は病院に搬送されたが、軽傷とみられる。近くで見ていた会社員男性（２９）は「かまれた女性が壁にもたれかかり、顔をゆがめながら痛がっていた」と話した。

　２匹はいずれも体長約１メートルで、性別はメス。首輪もリードもついていなかった。この日昼過ぎ、現場近くに住む５０代の飼い主の男性が「犬がいない」と吹田署を訪れ、事情を聞いたところ、男性は「門の鍵を掛けて敷地内で飼っているが、今日は掛け忘れたかもしれない」と説明した。

　同署は府動物愛護条例違反の疑いもあるとみて調べているが、被害届が提出されれば業務上過失傷害にあたる可能性もあるという。犬は男性に返された。

　吹田市で飼い犬のしつけのトレーニングなどを行っている「山脇ドッグスクール」の山脇徹さんによると、シェパードは忠実、勇敢な性格。軍用犬や警察犬などに活用されるという。自宅で放し飼いにしていたことについては「大型犬なので、リードがないというのは基本的によくない」。道で放し飼いにされた大型犬と遭遇した際には「目を合わせずに近付かないこと。走って逃げると追いかけられる場合もあるので、ゆっくりその場を離れた方がいい」とアドバイスした。

（2013年10月21日06時05分スポーツ報知）