フジテレビ「Mr.サンデー」2013/10/20放送SNH48レポートの事実改ざんについて

昨晩、2013/10/20(日)フジテレビ『Mr.サンデー』が中国のAKB48姉妹グループ、SNH48についてレポートしていたが、意図的な事実の改ざんがあったので、ここに指摘させていただく。

日本のメディアがSNH48を取り上げるのは大歓迎なのだが、日本メディアの中国報道は不正確なことがあるので、みなさんも要注意だ。

番組の最初、SNH48劇場の客席で一人取り残されていているファンが紹介されていた。

最初は日本のアイドル文化に違和感を感じていたが、だんだんSNH48に夢中になり、最後は合いの手(AKB48用語でいう「MIX」)も完璧、というシナリオで紹介された黄(コウ)さんだ。

黄さんの中国ツイッター(新浪微博)アカウントはこちらにある

番組中に出てきた、SNH48一期生のタンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)とのツーショット写真がアイコンになっているので分かりやすい。

彼は上海のSNH48ファン仲間のあいだではかなり有名人らしい。

じっさい番組直後に中国ツイッターで「お前日本のテレビに出てたよ」的なツイートが流れた。中国では「風雲直播」というサイトで日本の地上波テレビもリアルタイムで視聴できるからだ。

彼はSNH48一期生のタンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)推しだったが、タンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)はSNH48専用劇場「星夢劇院」が開業する前、2013/08中旬にすでに事実上退団している。

こちらのSNH48公式サイトの通知では、タンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)は健康上の問題で「星夢劇院」のこけら落とし公演に参加できないとあるが、この後、一度もSNH48の活動に参加していない。

さらにその前、SNH48として2枚めのシングル『フライングゲット』の発売記念握手会も、タンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)は欠席している(こちらのSNH48公式サイトのニュース参照)。

過去、SNH48運営から正式に発表がなく、事実上退団(フェードアウト)したメンバーは何人かいる。タンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)もその一人だ。

すでに『Mr.サンデー』のレポートに意図的な改変があることは、お分かりだろう。

『Mr.サンデー』の最初、黄さんが一人取り残されているのは「星夢劇院」である。つまりタンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)が事実上退団した後だ。

そして番組の最後、「やっとSNH48メンバーとツーショットを撮影できた!」として、黄さんがいっしょに写っているのはタンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)である。

このツーショット写真は、ご本人のこちらのツイートから(下図参照)、2013/07/14に開催されたSNH48版『ヘビーローテーション』発売記念握手会だとわかる。

SNH48公式サイトのこちらのニュースにある握手会だ。

つまり、このファンの方は、すでに2013/07以前から本格的なSNH48ファンで、2013/07/14にすでに推しメンのタンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)とツーショットを撮影することに成功している。

このツーショットを撮影するために、彼はいったいSNH48版『ヘビーローテーション』を何枚購入しただろうか。AKB48ファンなら想像できるだろう。

さらに驚くべきことに、このファンの方の2013/06/12のこちらのツイートを見ると、何とSNH48一期生メンバー全員の生写真フルセットをそろえていることが分かる。

SNH48生写真の交換会は、上海市街の大型書店の決まった階で、毎週末行われている。

この場所は、以前から現地のAKB48ファンが生写真交換会に使っていた場所で、この黄さんも、おそらく自分のもつ生写真の重複分を交換して、全メンバーフルセットをそろえたと思われる。

では、このファンの方が、仲間といっしょに部屋でMIXの練習を始めたのはなぜか。

それは、待ちに待ったSNH48専用劇場「星夢劇院」が開業することになり、2013/08/30のこけら落とし公演に向けてだ。

別に、それまで日本式アイドルと距離をとっていたが、本格的にSNH48に夢中になり始めたからではない。『Mr.サンデー』のシナリオは事実とまったく違う。

SNH48一期生は「星夢劇院」完成まで、2013/01/12のお披露目公演『Give Me Power!』、2013/05/20の宝鋼大舞台での公演『Blooming for You』など、単発の公演しかできなかった。その他は、個別イベントでのミニライブだけ。

そのため、現地のSNH48ファンは、まとまったセットリストでMIXを叫ぶチャンスがなかった。だから「星夢劇院」開業を目標に、現地ファンが本格的にMIXの練習を始めた。それだけのことだ。

では番組レポートの冒頭、黄さんが劇場の座席で、ポツンと座っている様子だったのはなぜか。

たぶん、この日たまたま舞台かぶりつきの立ち見席チケットが手に入らず、後ろの方の席だったので、がっかりしていただけだろう。

番組レポートの最後、黄さんがハイテンションなのは、この日は立ち見席だったからだ。別に、今まで距離を置いていたSNH48にのめり込んで、MIXも習得したからではない。

しかも、フジテレビの付けた字幕で、黄さんは「佐江ちゃ~ん」と叫んでいることになっているが、よく聞くとわかるように、「タコちゃ~ん」と叫んでいる。

SNH48一期生のタコちゃん(張語格 Zhāng Yǔ Gé タコちゃん 1期生)のことだ。「張語格 Zhāng Yǔ Gé タコちゃん 1期生」という名前の最初の2文字が、中国語でタコを意味する「章魚」と同じなので、日本語で「タコちゃん」とあだ名がついている。

このファンの方は、SNH48結成以降ずっとタンミン(湯敏 Tāng Mǐn タンミン 1期生)推しだったが、彼女が事実上退団し、SNH48の活動を完全にやめてしまったため、タコちゃん(張語格 Zhāng Yǔ Gé タコちゃん 1期生)に「推し変」しているのだ。

この方の2013/08/24のタンミン(湯敏)あてのお別れツイートを読むと、SNH48結成時から「324日間」、ずっとタンミン(湯敏)推しだったことが分かる。

AKB48ファンなら、彼の気持ちは分かるだろう。

フジテレビ『Mr.サンデー』は、SNH48結成当時から現地メンバーを熱心に応援し続けているファンのいきさつを、番組に都合のいいように勝手に改変して、架空のシナリオを作り上げたというわけだ。

もしあなたがAKB48ファンで、外国のテレビ局に取材をOKしたにもかかわらず、そのテレビ局に自分のファン歴を勝手に改変され、ありもしないストーリーをでっち上げられたら、どう思うだろうか。

そんなフジテレビに総選挙を放送する権利があるのか、僕にはよく分からない。


Comments are closed.