毎日新聞 10月21日(月)11時23分配信
【デトロイト(米ミシガン州)芳賀竜也】自身4度目となる合計200点台に乗せ、銀メダルに輝いたバンクーバー冬季五輪の合計点まであと0.95点に迫った。最終日は20日、当地で行われ、女子は、ショートプログラム(SP)1位の浅田真央(中京大)がフリーで131.37点をマークし、合計204.55点で初優勝した。浅田は2011年ロシア杯からGP5連勝。日本勢は男子を制した町田樹(たつき)=関大=と合わせて男女制覇を果たした。
フリーではトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に失敗したものの、表現力を表すプログラム構成点で高い評価を得て、3回転半を2度成功させたバンクーバー五輪の得点に肉薄した。
2位は12年4大陸選手権覇者のアシュリー・ワグナー(米国)、3位は昨季の世界ジュニア選手権覇者で国際スケート連盟が設けた年齢制限でソチ五輪の出場資格がない14歳のエレーナ・ラディオノワ(ロシア)だった。ペアは、SP1位のタチアナ・ボロソジャル、マキシム・トランコフ組(ロシア)がフリー154.66点、合計237.71点で優勝した。この種目に日本勢は出場していない。
◇ソチ五輪へ視線
スタートダッシュに成功した。シーズン後半から調子を上げることが多かった浅田が、GP初戦の今大会で表彰台の頂に立った。
看板のトリプルアクセルに失敗するなど万全ではなかったが「大崩れしなかった。これを最低限として次の試合、また次の試合と階段を上っていければいい」。現役生活の集大成と決めているソチ五輪に視線を向けた。
冒頭の3回転半。前日のSPでは演技要素として認められたものの、両足着氷気味で低評価だった。だが、この日は「昨日よりいい感じで跳び上がって。片足で下りられると思った」と浅田。安全策を取らなかった結果、勢い余って尻餅をついた。「転倒でリズムが崩れ、もう失敗できないという気持ちになった」と、続く3−3回転は後半を2回転にとどめた。
その結果、総要素点ではトップに立てなかったが、プログラム構成点ではおおむね8点台後半を並べて勝利。「課題も収穫もあった」と次につなげた。
次戦は11月のNHK杯(東京・代々木)。「NHK杯では、最初に失敗しても他のもの(の技のレベル)を落とさないようにしたい」。勝利の余韻を封印し、浅田はまた階段を上がる。【芳賀竜也】
◇フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ◇
国際スケート連盟公認の賞金大会で、1995年にチャンピオンシリーズとして始まり、99年から現名称。7大会あり北米(米国、カナダ)、アジア(日本、中国)、欧州(フランス、ロシア)の6大会とGPファイナル(12月・福岡)がある。1季最大2大会まで出場でき、各種目の2戦合計ポイント上位6人・6組がファイナルに進める。得点は自己ベストや世界歴代最高得点として公認される。
最終更新:10月21日(月)11時54分
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