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公務員改革―情実、猟官生まぬよう

中央省庁の幹部公務員人事を内閣が一元的にとりしきる。そんなうたい文句の国家公務員法改正案を、安倍内閣がこの国会に提出する。官僚の人事は基本的に各省[記事全文]

鉄道トラブル―JR一体で安全確保を

JR北海道で、耳を疑うような不祥事が止まらない。線路の異常が270件も放置されていたのに続き、今度は非常ブレーキが利かない状態の特急が3カ月も営業走行していた疑いが発覚[記事全文]

公務員改革―情実、猟官生まぬよう

 中央省庁の幹部公務員人事を内閣が一元的にとりしきる。

 そんなうたい文句の国家公務員法改正案を、安倍内閣がこの国会に提出する。

 官僚の人事は基本的に各省が差配してきた。首相官邸がかかわるのは次官・局長級のみ。それも、各省がつくった案を官邸の会議に諮る方式だった。

 政府・与党で合意した改正案の骨格によると、官邸がかかわる対象を部長級にまで広げる。新設する内閣人事局で適格性を審査したり、首相や官房長官からも閣僚に幹部人事をもちかけられるようにしたりして、官邸の役割と権限を強める。

 実現すれば、前向きな効果も生むだろう。官邸の人事権を強めれば、官僚の視線は省庁よりも官邸に向かう。省益優先のふるまいが減り、縦割りの弊害が薄まるかもしれない。

 だが深刻な副作用を生みはしないか。政治家が官僚の人事にむやみに口を出し、官僚が政治家におもねる恐れがある。

 閣僚は人事権を持つが、多くの場合、事務次官以下でまとめた人事案を尊重しているのが現状だ。今度の案では▽閣僚が民間人を含め、これはと思う人を推薦▽首相・官房長官と閣僚が協議――と、選考過程で政治家が果たす役割を明文化した。

 近年の政治は2度の政権交代に加え、首相は毎年、閣僚はさらに頻繁に代わる不安定ぶりだった。もしも首相や閣僚がお気に入りを省庁の幹部に並べた揚げ句、ともに頻繁に代われば、行政は大混乱に陥る。

 こんな時代だからこそ、政治には節度が求められる。

 それでも政治の関与を強めるのなら、副作用を抑える仕組みが要る。

 まず、内閣人事局による適格性審査を実効あるものに練り上げることだ。

 審査を通った幹部候補の中から人選し、閣僚と首相・官房長官が協議する段階でも透明性が必要だ。抜擢(ばってき)や降格の理由を国会で説明したり、協議の記録を残して後日公開したりすることは可能なはずだ。

 一元化は4度目の挑戦だ。麻生、鳩山、菅の3内閣が法案を出したが、廃案となった。

 公務員の労働基本権回復をめざした民主党政権とは立場が違うため、安倍内閣は麻生内閣の法案を下敷きにした。人事の公正を図る第三者機関である人事院の意見を聴く規定を加えるなど、徐々に穏当な内容になりつつある。

 だが、まだ不十分だ。情実人事や猟官運動がはびこらないよう、いっそうの工夫がほしい。

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鉄道トラブル―JR一体で安全確保を

 JR北海道で、耳を疑うような不祥事が止まらない。

 線路の異常が270件も放置されていたのに続き、今度は非常ブレーキが利かない状態の特急が3カ月も営業走行していた疑いが発覚した。

 線路異常の情報は、現場部署内でさえ共有されていなかった。本社はチェック機能を果たさず、経営陣は不祥事の原因把握もおぼつかない。状況の深刻さは想像を超えているようだ。

 弱い経営基盤、40代が8%しかいない社員の年齢構成、労組間の激しい対立など、多くの要因が浮上している。

 全株式を実質保有する政府は、JR北の経営陣を刷新する方針だ。JR東日本も中堅社員を派遣する。だが、その場しのぎの対策では傷を広げるばかりだ。思い切った改革のため、企業再生に実績を持つ鉄道業界外の人材登用も考えるべきだ。

 これまでの国の安全施策についても検証を求めたい。

 05年のJR宝塚線脱線事故後、国は、鉄道事業者が自主的に安全管理体制を整えるよう促す政策を推し進めた。安全意識を組織の隅々まで行き渡らせるねらいがあった。

 方向性は悪くない。ただJR北も、形の上では体制を整えてきたはずなのに、結局は機能していなかった。

 太田昭宏国土交通相は、鉄道事業者への監査を見直す考えを示した。全国に32人いる監査官の増員も検討する考えだ。

 重要な一手だが、鉄道は技術の専門性が高く、役人による監査には限界もある。そこで、監査に加えて、事故や重大トラブルを調査し、安全対策を提言する専門機関の運輸安全委員会を強化してはどうか。

 5年前に発足した安全委は鉄道でこれまで79件の調査報告書を公表した。9件をJR北が占め、事業者別で2番目に多い。

 工事箇所の確認不足、本社と現場、社員同士の連携ミスなど、現在の窮状に通じる問題がいくつもあった。

 トラブルが続く事業者は、経営構造や労務環境に問題を抱えていることが多い。安全委はそうした背景に深く切り込み、予防に役立つ提言をする権限をもっている。フル活用し、改革を強く後押しすべきだ。

 人口減少の時代を控え、鉄道事業の経営環境は厳しい。効率化を急ぎ、安全性を損ねたJR北の例はひとごとではない。

 技術者を共同で育て、車両や部品を共通化するなど、業界が一体となって効率と安全の両立に挑戦する。そこを怠ると、鉄道は明るい未来に向かえない。

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