先月５日にお亡くなりになった政界陰陽師・冨士谷紹憲先生を偲ぶ会が昨日、帝国ホテル松の間にて執り行われました。

生前、議員会館に足繁く通っていた先生だけあって、会には政治家や著名新聞記者などそうそうたる顔ぶれが集まりました。
以下、列席者の弔辞から印象に残ったお言葉。

「私は冨士谷さんの本名も知らなくて……」
「何というか得体の知れない……」
「いつもあの大きな鞄から資料を持ち出してくださるんだけれども、時になるほどと思いながら、熟読し、時に面倒だなと思いながら、流し読みしつつ……」
「こう言っては何ですが、忙しいときにいらっしゃると、正直、ウザい……」
「大陸浪人のような、怪しげな……」
「某宗教団体の話になると、烈火のごとく怒りだし、居酒屋中に聞こえるような大声になって……」
「晩年はユダヤ問題にだいぶとらわれていたようですが……」
「実はユダヤ問題を吹き込んだのは私でして……」
「出勤前に毎日、電話をくださるものだから、どうしたものかと思っていましたが……」
「『私はフィクサーになる』と仰っていましたが、あんな人のいい人がフィクサーなんて……」
「私もユダヤ問題にかぶれていた時期がありまして、その時に冨士谷さんと知り合ったのですが……」
「「セックスをするな」と普段から言っていましたが、そのわりにエロかったような……」

最後には決まって「あんな人の好い、愉快な人はいなかった」という言葉で締めくくる人が多かったように思います。

冨士谷先生のご冥福をお祈りいたします。

以下、昔に書いた冨士谷先生の漫画原作。
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●政界の陰陽師が教える「出世する政治家、出世しない政治家」

ナレーション「政治家と占い師――両者は実は切っても切れない関係にある。古代において、占いは国家存亡に関わるきわめて重大な問題についての解決法であり、占い師は命がけの責任をも負って臨んでいたという。現代政治の世界においても占い師の需要は根強く、表舞台からは見えないものの、政治家に対して隠然とした影響力を持つ占い師も数多いという。ここでは、そんな政界占い師の一人、陰陽師の冨士谷紹憲先生に「出世する政治家」について語ってもらった――」

○プロフィール

富士谷紹憲（ふじたにしょうけん）先生

１９３６年生まれ。神霊師、陰陽師、鍼灸師、指圧師。四柱推命、姓名判断、霊視などを駆使した独自の占いを行う。師に陽明学者の故安岡正篤（やすおかまさひろ）氏を持ち、１５年ほど前に白血病の治療にも成功。現在、数十人の国会議員にアドバイスを行うほか、各国大使館関係者の人脈を持ち、国際政治、オカルト神権政治、イルミナティーなどにも造詣が深い。

記者「（取材場所でキョロキョロしながら）「富士谷先生、ここって衆議院第一議員会館じゃないですか？　どうしてこんなところが取材場所に……」

富士谷「森英介自民党衆議院議員の部屋じゃよ。最近、ワシがプッシュしている政治家が森だから、使わないときにワシの事務所代わりに貸してもらっておる。ホッホッホ」

（秘書がお茶を持ってくる）

記者「政治家と占い師って、そんなに関係が深いものなんでしょうか？」

富士谷「古くは紀元前１６００年ごろの中国、殷の時代に亀甲を焼き、そこに現れる亀裂の形で国家的な行事の吉凶を占う「亀卜（きぼく）」が神事として盛んに行われていたという記録がある。日本でも７世紀後期の飛鳥時代には、亀卜が政策決定に駆使されていた。アメリカ政界で今でも語り草になっているのは、故レーガン元大統領の占い好きだろうね。レーガンは、主要な政策決定のすべてを占星術師に頼っていた。ナンシー夫人がかなり占いに凝っていたようだね。日本の政界だって、占い師の活躍は目覚しく、ほとんどの議員に占い師や祈祷師がついていると言われている。ワシも日ごろから数十人の議員の相談を受けておる。まあ、そんなこともあって、雑誌で叩かれることもあるがな。ホッホッホ」

（机の上に『噂の真相』（00年08月号）「永田町の黒幕として暗躍する風水師に群がる政治家たちの「実名」」という記事のコピーをポンと出す富士谷。それを手にとって読んで、感心する記者）

記者「一寸先は闇というのが政治の世界。普段はえばりちらしているような国会議員でも、時に占い師に頼りたいときもあるんでしょうかね……」

富士谷「５月に農林水産大臣だった松岡利勝が自殺してしまったじゃろ。実は、松岡は自殺の１ヶ月前にワシに相談しておった。ちょうど「ナントカ還元水」問題で世間から猛バッシングを受けていた頃じゃ。「先生、私は辞めたほうがいいんでしょうか？」なんて、気弱なことを言っていたが、ワシは「安部首相はあなたを絶対に裏切らないから、辞めるべきじゃない。５月は運勢が悪いが、それさえ乗り切れればなんとかなる」とアドバイスした。松岡が死んだのは、５月28日。あと数日、我慢していればあんなことにはならなかった……」

記者「なるほど、運に見放されたというような状況になったら、頼れるのは神か占い師というわけですね。先生はこれまで数々の予言を的中させてきたそうですが……。

富士谷「橋本龍太郎、小渕恵三、羽田孜、この３人の首相経験者は前もってワシが「総理大臣になる！」と予言しておるからな。小渕には、外相時代に「天皇陛下に会う機会があったら、なるだけ近づいて声をよく聞き、その声を自分の中に飲み込んで、自分のものにせよ。それさえやれば、必ず首相になれる！」と断言したな。小渕はワシの言ったことをちゃんと実行して、実際に首相になれた」

記者「天皇の声を飲み込む……？」

富士谷「ワシは昭和天皇の声を録音したテープを毎日聴くということを20年以上続けている。大宇宙を支配する万世一系のパワーがワシの肉体に宿るばかりではなく、日本の歴史上、もっとも厳しい時代を生き抜いた統治者の精神が自分の中にあるという自信が沸いてくるようになるわけだ。この地球で日本人に生まれたことが最高の救い。生きるということは、次元率を上げるための進化だ。どうだ、ワシの声は、自信に満ち満ちているだろう？」

記者「ハァ……」

富士谷「どうも、よく分かっておらんようじゃな。これを見て、勉強しなさい。ホレ」

（自作資料を渡す富士谷。※添付ファイル参照）

記者「何だか難しいですね……。ところで、今後の政局をどう占いますか？　参院選での自民党惨敗はどのような帰趨をたどるでしょうか？」

富士谷「安部さんは人を見る目がなかったね。安部さん個人としての今年の運勢は強いんだが、内閣に相性がいいのが１人しかいなかった。結局、子分の失言に足を引っ張られてしまった。安部内閣には、運勢の悪いのがたくさんいたんだよ」

記者「打って変わって、小沢民主党は大躍進しましたね」

富士谷「民主党の躍進は棚からボタ餅に過ぎない。自民党の敵失によって、伸びただけなんだから。運勢面では、小沢一郎より、安部さんのほうが格段に上だったが、小沢と幹事長の鳩山由紀夫との相性は良かったし、鳩山と菅直人代表代行の運勢が良かった。ただし、民主党はいずれ分裂するよ。自民党も分裂して、新しい保守合同が行われ、政権から公明党が追い出される。加藤紘一なんてのは、そもそも自民党らしくないんだから。ワシが加藤を潰したときにね……。

記者「あの加藤紘一を潰した？　どうやって、潰したんですか？」

富士谷「もともとはワシが懇意にしている政治家が加藤にしてやられたというのがきっかけなんだが、あいつは北朝鮮利権を漁る国賊。人間として許せなかったんだよ。どうやって潰すかというと、まず加藤の生年月日を調べておく。そして加藤がテレビに出てくるだろう？　そういうときに、フガッフガッてな（手を広げ、鼻から大きく息を吸い込むしぐさ）」

記者「先生、何をやってらっしゃるんですか？」

富士谷「加藤の生気を吸い取っておる！　ワシはサポートしている政治家のためなら、愛人の示談やらスキャンダルのもみ消しまでなんでもやってきた。生気を吸い取って、潰すぐらいなんてことない」

記者「あのまた、話は代わりますが……」

富士谷「この呪いで２００１年、加藤を員辞職に追い込んだ。去年も実家が放火されただろ？　ワシは事件の１週間前に「加藤に落とし前をつける」と断言した。証人は野中広務さんだ。政治家にとって生気というのは重要なんだよ。ブッシュにしてもケネディにしても、権力者というのはみんな若い女の血を飲んでおる。日本の政治家だって同じ」

記者「なるほど、政治家が出世するために必要なのは、若い女の生き血を吸うこと……メモメモ。政界というのは、一般人には窺い知れない世界ですね。他には何か条件はありますか？」

富士谷「先祖運というのは大きいな。安部さんも父に安倍晋太郎元外相が、母方の祖父に岸信介元首相が、という具合のそうそうたる閨閥だ。先祖に力がないと、首相には絶対なれない。これも世界中同じ。共産党の志位和夫委員長だって祖父は陸軍中将なんだから。麻生太郎も先祖運がかなりいい。来年ぐらいから、運勢が急上昇するぞ」

記者「健康面ではどうでしょうか？」

富士谷「政治家が健康を良くするためには、塩水を飲んで身体を浄化させる。ただし、岩塩はダメ。食塩を使うべし！」

記者「これはすぐにでも実践できそうですね」

富士谷「あと、政治家が出世するためにもっとも重要な条件は、ワシの言うことを聞くこと！」

記者「ハァ、なるほど。最後の質問になりますが、安部政権の支持率がアップするためには、どうすればいいでしょうか？」

富士谷「ワシに相談すること！」

記者「他にはないですか？」

富士谷「ないっ！　小渕さんだって、ワシのアドバイスを聞いて、首相になった。安部さんも、ワシの言うことを聞いたら支持率アップ間違いなしだよ！

　政界に隠然たる影響力を持つとされる陰陽師・富士谷紹憲先生。齢70を迎えたが、「今年よりスパイラル波動人生最重要期に入った。80歳までが勝負の10年」という。