Updated: Tokyo  2013/10/21 06:54  |  New York  2013/10/20 17:54  |  London  2013/10/20 22:54
 

10月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが一時2月来の安値-緩和縮小先送り観測

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが軟調な展開。主要10通貨のバスケットに対して一時8カ月ぶり安値を付けた。米連邦債務上限をめぐる議会の混乱の影響で経済成長が鈍化するほか、金融当局が量的緩和策の縮小を先送りするとの見方が広がった。

ドルは対ユーロで、週間ベースではここ1カ月で最大の下げ。米上下両院は今週、財政関連法案を可決した。オーストラリア・ドルと韓国ウォンは、高利回り資産の需要増加を手掛かりに上昇。中国で経済成長が加速したほか、米金融当局が債券購入の縮小を3月まで先送りするとの市場調査結果が示された。

バンク・オブ・モントリオールの世界為替戦略責任者、グレッグ・アンダーソン氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「議会が混乱したほか、今四半期の量的緩和縮小もなさそうだ」と指摘。ユーロは対ドルでここ2日間上昇しているが、「きょうは金曜日だ。勢いがなくなったようだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数 は前日比ほぼ変わらずの1002.73。一時1000.70と、2月13日以来の水準に下げる場面があった。週間では1%低下と、9月20日終了週以降で最大の下げ。

ドルは対ユーロで0.1%安の1ユーロ=1.3687ドル。一時1.3704ドルと、2月1日以来の安値を付けた。週間では1%安と、9月20日終了週以降で最大の値下がり。対円では前日比0.2%下落の1ドル=97円72銭。ユーロは対円で1ユーロ=133円79銭。一時134円19銭と、9月23日以来の高値を付けた。

豪ドル、ウォン

オーストラリア・ドルは週間ベースで上昇。中国国家統計局の発表によれば、同国の7-9月(第3四半期)の国内総生産(GDP )は前年同期比7.8%増となった。オーストラリアにとって中国は最大の貿易相手国。

豪ドルは米ドルに対し0.4%高の1豪ドル=0.9677米ドル。一時0.9678米ドルと、6月4日以来の高値を付けた。週間では2.2%高と、9月6日終了週以来で最大の上げとなった。

アジア通貨では韓国ウォンが特に大きく上げた。米金融当局が刺激策縮小を先送りするとの見方が背景にある。

ブルームバーグのデータによれば、ウォンは対ドルで0.3%上げて1ドル=1060.84ウォン。一時1060.32ウォンと、1月21日以来の高値を付けた。ブルームバーグ・JPモルガン・アジア・ドル指数は0.4%上昇。

米量的緩和の縮小開始見通し

ブルームバーグが今月17-18日、エコノミスト40人を対象に実施した調査の中央値によれば、米金融当局は最初の債券購入縮小を3月まで先送りする見込みだ。9月の調査では最初の縮小は12月と予想されていた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のシニア外為ストラテジスト、ポール・ロブソン氏(ロンドン在勤)は「少なくとも量的緩和の縮小開始がより明白になるまで、ドルは軟調な展開が続くだろう」とし、「当社は縮小開始を3月と予想している。よってまだしばらく先だ」と続けた。

原題:Dollar Reaches Lowest Since February onFed Bets; Aussie Climbs(抜粋)

◎米国株:S&P500種最高値更新、緩和縮小先送り観測で

18日の米国株 は上昇。S&P500種株価指数は最高値を更新した。グーグルの四半期決算がアナリスト予想を上回ったほか、金融緩和縮小の先送り観測が買いを促した。

グーグルは14%上昇し、初めて1株当たり1000ドルを突破した。同社の第3四半期決算は売上高がアナリスト予想を上回った。複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)も上昇。工業製品への需要が同社の利益を押し上げた。一方、医療保険最大手のユナイテッドヘルス・グループは3.7%下落。同社の四半期売上高はアナリスト予想に及ばなかった。

S&P500種 株価指数は0.7%高の1744.50。週間では2.4%高と、7月12日の週以来で最も値上がりした。ダウ工業株30種平均は28ドル(0.2%)高の15399.65ドル。

アルパイン・ウッズ・キャピタル・インベスターズのアソシエート・ファンドマネジャー、サラ・ハント氏は「投資家は企業決算に注目している」と指摘、「今回の政治的対立の後で、同じ状況が1月に繰り返されるとは誰も考えていない。ただ、株価にとってまずまずの環境を維持できるような若干良好な経済を求めている」と続けた。

エコノミストの予想

17日と18日に実施したエコノミスト調査の結果(回答者40人の中央値)によると、経済成長の減速と経済統計の発表遅延を受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)は来年の3月18-19日の会合まで資産購入ペースを維持するとみられている。

米金融当局による刺激策を背景に、S&P500種は2009年3月の安値から150%以上値上がりした。

米政府機関の閉鎖に伴い発表が遅れていた経済統計は来週から順次発表される。22日には雇用統計が発表される。雇用統計は当初、今月4日の発表予定だった。

経済統計の発表が限られている中で、投資家は第3四半期の企業決算に注目している。ブルームバーグが18日まとめた調査によると、S&P500種に採用されている企業の増益率は平均で2.5%が見込まれている。今月11日時点の予想では同1.4%だった。

企業決算

ブルームバーグがまとめたデータによると、これまでに四半期決算を発表したS&P500種構成企業100社 のうち、利益がアナリスト予想を上回ったのは70%となっている。売上高が予想を上回ったのは56%。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX )はこの日3.3%低下した。

S&P500種産業別10指数は9指数が上昇した。テクノロジー株や工業株が上位を占めた。

グーグルは14%高の1011.41ドル。7-9月期の売上高は提携サイトへの支払い分を除いたベースで119億2000万ドルとなった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均を上回った。広告単価は下がったものの、携帯端末や動画向けの広告販売件数が増えた。

GE は3.5%上昇。7-9月決算は、利益が市場予想を上回った。ジェットエンジンと掘削機器を中心に工業部門の売上高が増えたことが寄与した。

原題:S&P 500 Extends Record Amid Stimulus Betsas Google Surges(抜粋)

◎米国債:10年債利回り12週ぶり低水準、緩和縮小先送り観測

米国債市場では10年債利回りが12週間ぶりの水準に低下。政府機関一部閉鎖の影響で経済成長が抑制され、金融当局が債券購入を来年に入っても継続するとの観測が広がった。

10年債は週間ベースでは3週間ぶりに上昇。今週は16日間に及んだ政府機関閉鎖が解除され、デフォルト(債務不履行)も回避された。11月21日に償還を迎える米財務省短期証券(TB)のレートは約2週間ぶりにマイナスの水準となった。10年債のタームプレミアム (期間に伴う上乗せ利回り)に基づくと、米国債はほぼ3カ月ぶりの割高水準となっている。9月の雇用統計は10月22日に発表される。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの米金利セールス責任者、トーマス・ディガロマ氏は「現時点で、経済指標は緩和縮小を正当化していない」と指摘。「過去1カ月間にワシントンで起きたことのために、指標は軟調に転じる可能性がある」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.58%。一時は2.54%と、7月24日以来の低水準をつけた。週間では11bp低下。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は3/32上げて99 10/32。

30年債 利回りは2bp低下の3.64%。一時は3.62%と、8月12日以来の低水準となった。

11月21日に償還を迎える550億ドル相当のTBのレートはマイナス0.005%と、2日以来の低水準となった。11日には0.21%と、5月の発行以来の高水準をつけていた。

タームプレミアム

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米国債の出来高 は前日比33%減の2490億ドル。前日は3730億ドルだった。今年に入ってからの平均は3160億ドル。

タームプレミアム は0.21%と、7月22日以来の低水準。9月5日には年初来高水準の0.63%をつけていた。プラスの数値は利回りが適切水準を上回っていても買い意欲があることを示唆する。

10年債利回りの相対力指数 (RSI、期間7日)は32と、前日の40から低下した。15日は67に上昇していた。同指数は30を下回るか70を上回ると、方向感の変化を示唆するといわれる。

ブルームバーグがエコノミスト40人を対象にまとめた調査によれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)は債券購入プログラムの縮小開始を来年3月まで先送りする見通しだ。9月18、19両日の調査では今年12月の開始が予想されていた。

「不安」

SEIインベストメンツ(ペンシルベニア州)で80億ドル相当の資産運用に携わるショーン・シムコ氏は、「金融当局にとって、急いで緩和縮小に着手する理由はまったくない」と指摘。「経済指標の発表を待つという不安がある。今後1カ月間、10年債利回りは2.50-2.75%のレンジで推移するだろう」と述べた。

シカゴ連銀のエバンス総裁はこの日、当局は予期していなかった問題に直面し続けているとの認識を示した。総裁は前日には、政府機関閉鎖の影響で経済指標の発表が遅れていることから、金融当局は資産購入のペースを減速させるべきではないとの見解を示していた。

原題:Treasury Yields Reach 12-Week Low onWagers Fed to DelayTaper(抜粋)

◎NY金:反落、世界的な株高受け売り優勢-利益確定の動きも

ニューヨーク金先物相場は反落。一時は1週間ぶりの高値をつけたものの、世界的な株価上昇を受けて代替投資の買いが後退した。金は前日までの2日間には3.9%上昇していた。

T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポートセントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「最も利益が大きい投資先として株式が好まれている」と指摘。金は「大きく上昇していたため、利益確定の動きも見られる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.6%安の1オンス=1314.60ドルで終了。一時は1328.90ドルと、中心限月としては8日以来の高値となった。

原題:Gold Futures Drop From One-Week High asGlobal EquitiesAdvance(抜粋)

◎NY原油:小反発、中国の成長加速や米緩和縮小先送り観測で

ニューヨーク原油先物相場は小反発。世界最大の原油輸入国である中国の経済成長加速や、米国が景気刺激策を継続するとの観測が背景にある。中国の7-9月(第3四半期)の国内総生産(GDP )は前年同期比7.8%増だった。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の市場調査ディレクター、アディソン・アームストロング氏は「原油市場では、中国の経済データが支援材料になっている。米財政問題での混乱を受けて金融当局が緩和縮小を先送りするとの見通しも買いを誘った」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前日比14セント高の1バレル=100.81ドルで終了。週間では1.2%下げた。

原題:WTI Crude Advances After Chinese EconomicGrowth Accelerates(抜粋)

◎欧州株:7日続伸、シンドラーに買い-中国GDPを好感

18日の欧州株式 相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は今年最長の7営業日続伸となった。中国の経済成長が7-9月(第3四半期)に3四半期ぶりに加速したことが背景。

スイスのエレベーターメーカー、シンドラー・ホールディングは4.3%上昇。自社株購入計画が買い材料。フランス最大のコンピューターサービス会社、キャップジェミニは6年ぶり高値を付けた。同社は転換社債の買い戻し計画を発表した。一方、血漿(けっしょう)製剤欧州最大手、スペインのグリフォルスは3.5%下落。大株主による株式売却が嫌気された。

ストックス欧州600指数 は前日比0.8%高の318.47で終了。2008年6月以来の高値で引けた。前週末比では2.2%上昇。

中国国家統計局の発表によると、第3四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.8%増となった。1-3月(第1四半期)は7.7%増、4-6月(第2四半期)は7.5%増にそれぞれ減速していた。

オリエル・アセット・マネジメント(ロンドン)で資産運用に携わるリチャード・スクロープ氏は電話インタビューで、「中国の経済活動はここ数カ月で上向いており、GDP統計はこれに沿うものだ」と指摘。その上で、欧州では期待に沿う企業決算が出てこないと、一部銘柄に割高感が出始めるとも付け加えた。

この日の西欧市場では、18カ国全てで主要株価指数が上昇。英FTSE100指数は0.7%、仏CAC40指数は1.1%それぞれ上げ、独DAX指数は0.6%高となった。

原題:Europe Stocks Gain for Seventh Day asChinaEconomy Grows Faster(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債は続伸-米緩和策維持との観測で

18日の欧州債市場ではドイツ国債が続伸。米国の経済成長が今月の政府機関一部閉鎖の影響で鈍化し、金融当局が債券購入プログラムを維持するとの観測が広がった。

フランスとオランダ、スペインの国債も上昇。ドイツ国債は週間ベースでもプラスとなった。米シカゴ連銀のエバンス総裁は17日、政府機関閉鎖の影響で経済指標の発表が遅れていることから、資産購入ペースを減速させるべきではないとの見解を示した。

KBCバンクの債券ストラテジスト、マティアス・ファンデルユフト氏は「米財政をめぐる合意以来、経済と金融政策への影響を見極めようとする動きが見られ始めている。米当局は緩和縮小を2014年第1四半期まで先送りする可能性もある」と述べ、「こうした理由から、国債利回りは下向きのトレンドになった。米国債利回りが低下し、ドイツ国債もこれに追随した」と語った。

ロンドン時間午後4時32分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.84%。前週末比でも3bp低下。先週まで2週連続で上昇していた。同国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格はこの日、0.285上げ101.465。

フランス10年債利回り は3bp下げ2.35%。同年限のオランダ国債利回りは5bp低下し2.19%、スペイン国債利回りは3bp下げて4.26%となった。

英国債相場も米国債に追随して続伸。英10年債利回りはロンドン時間午後4時47分現在、前日比3bp低下の2.71%。9日以来の低水準である2.68%まで下げる場面もあった。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.285上げ96.015。

原題:Germany’s Bonds Rise Second Day on BetsFedto Maintain Stimulus(抜粋)Gilts Rise Second Day on Fed Bets; Pound Climbsto Two-Week High(抜粋)

更新日時: 2013/10/19 07:05 JST

 
 
 
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