ライツマネジメント株式会社に対する行政処分について
平成25年4月24日
関 東 財 務 局
ライツマネジメント株式会社に対する行政処分について
1.ライツマネジメント株式会社(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の法令違反行為が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(平成25年4月16日付)
○ 業務運営の状況に関し、公益又は投資者保護上重大な問題が認められる状況等
当社は、平成22年7月から同24年1月までの間、A株式会社、B株式会社及びC株式会社(以下、各社を「A社」、「B社」及び「C社」という。)他3社(以下「本件発行者」という。)が発行した合計7本の信託受益権の私募の取扱いを行った。これにより、当社において、営業員16名が、少なくとも約1,900名の顧客に対し、総額約40億円の信託受益権を取得させている。当該取得に係る勧誘等の状況について検証したところ、以下のとおり、不適切な状況が認められた。
(1) 信託受益権の取得勧誘において顧客に対し虚偽のことを告げる行為
当社営業員16名のうち、少なくとも6営業員は、少なくとも16顧客に対し、実在しない証券会社の営業員を名乗る第三者をして、顧客に連絡させ、「ライツマネジメント株式会社が販売している信託受益権は限定商品であり、購入できない方が欲しいと言っている。同社に連絡して、当該受益権を購入できれば、転売することで、短期間で儲かる」などと述べさせた上で、この連絡を受けた顧客が当社に連絡してきた場合、顧客に対し、当社営業員が「当社が販売する信託受益権を購入すれば、転売により短期間で利益が得られる」などの虚偽の事実を告げることにより、信託受益権の取得勧誘(以下「本件劇場型勧誘」という。)を行った。
当社は、平成22年10月頃、関東財務局から本件劇場型勧誘の疑いについて指摘を受けて勧誘の実態報告を求められたにもかかわらず、不十分な内容の報告を繰り返し、本件劇場型勧誘を停止することなく継続しており、上記16顧客のうち7名は、同年10月以降に当社営業員から本件劇場型勧誘を受けて信託受益権を取得している。
(2) 本件劇場型勧誘に関する報告徴取命令に対する虚偽の報告等
当社は、平成23年5月13日付で関東財務局長から本件劇場型勧誘に係る事実関係の調査及び報告を命じる旨の報告徴取命令を受けているが、同月25日付で「信託受益権のすべての取得者に対し、当社の勧誘行為の状況についてヒアリング調査を行った」、(一部の顧客に返金を行ったことについて)「返金は、不適切な勧誘がなされた顧客のうち継続保有の意思がない顧客に対し当社が自発的に行ったものである」などと虚偽の報告をした。
さらに、当社は、こうした虚偽の報告を行う一方で、信託受益権の販売を継続していた。
(3) 無登録の信託受益権を販売している状況
当社が販売した信託受益権は、いずれも信託法第3条第3号に掲げる方法により設定された自己信託の受益権として発行されたものである。こうした信託受益権を50名以上の者に取得させる場合には、発行者は信託業法第50条の2第1項の規定に基づき内閣総理大臣の登録を受けなければならないところ、本件の7本の信託受益権のうち6本は、いずれも受益者が50名を大幅に超えているにもかかわらず、本件発行者のうち5社は、いずれも内閣総理大臣の登録を受けていない。
それにもかかわらず、当社は、本件発行者が発行した信託受益権の販売を行っていた。
(4) 信託受益権が適切に管理・運用されていないことを認識しながら、新たな信託受益権の取得勧誘を継続している状況等
当社は、平成23年2月頃から、信託受益権の発行者から委託を受けて、信託受益権に係る配当金の必要額の計算及び顧客への支払業務を行い、信託財産に係る事業収益である利用権収入や配当収入を記載した信託財産状況報告書を、顧客に送付している。
顧客に支払う配当金額は信託財産に係る事業収益に基づき算出されるものであるところ、当社は、平成23年6月8日に、同日まで信託受益権の発行を行っていたC社から1,600万円の入金を受け、同月10日に、この中から、A社の発行する信託受益権を取得した少なくとも延べ約260顧客に対し、合計約70万円を支払うとともに、B社の発行する信託受益権を取得した少なくとも延べ約300顧客に対し、合計約280万円の配当金を支払った。
このように、当社は信託財産が本来の運用目的とは異なり適切に管理・運用されていないことを認識していたにもかかわらず、信託受益権の販売を継続し、さらには事業収益等について裏付けとなる資料を一切確認しないまま、発行者から口頭で伝えられた、信憑性に疑義のある事業収益等を記載した信託財産状況報告書を顧客に送付している。
(5) 契約締結前交付書面等の記載の不備
当社が信託受益権を販売した際に顧客に交付した契約締結前交付書面及び契約締結時交付書面には法定の事項が記載されていないなどの不備があることから、当社の顧客に対する情報提供は不十分であると認められる。
当社が行った上記(1)の行為は、金融商品取引法第38条第1号に規定する「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に、上記(2)の行為は、同法第56条の2第1項の規定に基づく報告徴取命令に対し虚偽の事実を記載した報告書を関東財務局長に提出したものであり、同法第52条第1項第6号に規定する「金融商品取引業に関し法令又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に、それぞれ該当するものと認められる。
上記(3)及び(4)の状況は、金融商品取引業者として極めて不適切な業務運営の状況であり、公益又は投資者保護上重大な問題があると認められることから、金融商品取引法第52条第1項第9号に規定する「金融商品取引業に関し、不正又は著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いとき」に該当するものと認められる。
上記(5)のうち、顧客に交付した契約締結前交付書面の記載の不備は金融商品取引法第37条の3第1項の規定に、契約締結時交付書面の記載の不備は同法第37条の4第1項の規定に、それぞれ違反するものと認められる。
2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
(1) 登録取消し
関東財務局長(金商)第1805号の登録を取消す。
(2) 業務改善命令
1) 顧客の状況、顧客が出資した財産の運用・管理状況を早急に把握し、当該財産の顧客への返還に関する方針及び返還する場合の方策について検討すること。
2) 顧客に対し、顧客が出資した財産の運用・管理状況等の説明に努め、顧客の意向も踏まえて必要な手続きを行うこと。
3) 顧客間の公平に配慮しつつ、顧客保護に万全の措置を講ずること。
4) 上記の対応・実施状況について、完了までの間、書面により随時報告すること。
○ 業務運営の状況に関し、公益又は投資者保護上重大な問題が認められる状況等
当社は、平成22年7月から同24年1月までの間、A株式会社、B株式会社及びC株式会社(以下、各社を「A社」、「B社」及び「C社」という。)他3社(以下「本件発行者」という。)が発行した合計7本の信託受益権の私募の取扱いを行った。これにより、当社において、営業員16名が、少なくとも約1,900名の顧客に対し、総額約40億円の信託受益権を取得させている。当該取得に係る勧誘等の状況について検証したところ、以下のとおり、不適切な状況が認められた。
(1) 信託受益権の取得勧誘において顧客に対し虚偽のことを告げる行為
当社営業員16名のうち、少なくとも6営業員は、少なくとも16顧客に対し、実在しない証券会社の営業員を名乗る第三者をして、顧客に連絡させ、「ライツマネジメント株式会社が販売している信託受益権は限定商品であり、購入できない方が欲しいと言っている。同社に連絡して、当該受益権を購入できれば、転売することで、短期間で儲かる」などと述べさせた上で、この連絡を受けた顧客が当社に連絡してきた場合、顧客に対し、当社営業員が「当社が販売する信託受益権を購入すれば、転売により短期間で利益が得られる」などの虚偽の事実を告げることにより、信託受益権の取得勧誘(以下「本件劇場型勧誘」という。)を行った。
当社は、平成22年10月頃、関東財務局から本件劇場型勧誘の疑いについて指摘を受けて勧誘の実態報告を求められたにもかかわらず、不十分な内容の報告を繰り返し、本件劇場型勧誘を停止することなく継続しており、上記16顧客のうち7名は、同年10月以降に当社営業員から本件劇場型勧誘を受けて信託受益権を取得している。
(2) 本件劇場型勧誘に関する報告徴取命令に対する虚偽の報告等
当社は、平成23年5月13日付で関東財務局長から本件劇場型勧誘に係る事実関係の調査及び報告を命じる旨の報告徴取命令を受けているが、同月25日付で「信託受益権のすべての取得者に対し、当社の勧誘行為の状況についてヒアリング調査を行った」、(一部の顧客に返金を行ったことについて)「返金は、不適切な勧誘がなされた顧客のうち継続保有の意思がない顧客に対し当社が自発的に行ったものである」などと虚偽の報告をした。
さらに、当社は、こうした虚偽の報告を行う一方で、信託受益権の販売を継続していた。
(3) 無登録の信託受益権を販売している状況
当社が販売した信託受益権は、いずれも信託法第3条第3号に掲げる方法により設定された自己信託の受益権として発行されたものである。こうした信託受益権を50名以上の者に取得させる場合には、発行者は信託業法第50条の2第1項の規定に基づき内閣総理大臣の登録を受けなければならないところ、本件の7本の信託受益権のうち6本は、いずれも受益者が50名を大幅に超えているにもかかわらず、本件発行者のうち5社は、いずれも内閣総理大臣の登録を受けていない。
それにもかかわらず、当社は、本件発行者が発行した信託受益権の販売を行っていた。
(4) 信託受益権が適切に管理・運用されていないことを認識しながら、新たな信託受益権の取得勧誘を継続している状況等
当社は、平成23年2月頃から、信託受益権の発行者から委託を受けて、信託受益権に係る配当金の必要額の計算及び顧客への支払業務を行い、信託財産に係る事業収益である利用権収入や配当収入を記載した信託財産状況報告書を、顧客に送付している。
顧客に支払う配当金額は信託財産に係る事業収益に基づき算出されるものであるところ、当社は、平成23年6月8日に、同日まで信託受益権の発行を行っていたC社から1,600万円の入金を受け、同月10日に、この中から、A社の発行する信託受益権を取得した少なくとも延べ約260顧客に対し、合計約70万円を支払うとともに、B社の発行する信託受益権を取得した少なくとも延べ約300顧客に対し、合計約280万円の配当金を支払った。
このように、当社は信託財産が本来の運用目的とは異なり適切に管理・運用されていないことを認識していたにもかかわらず、信託受益権の販売を継続し、さらには事業収益等について裏付けとなる資料を一切確認しないまま、発行者から口頭で伝えられた、信憑性に疑義のある事業収益等を記載した信託財産状況報告書を顧客に送付している。
(5) 契約締結前交付書面等の記載の不備
当社が信託受益権を販売した際に顧客に交付した契約締結前交付書面及び契約締結時交付書面には法定の事項が記載されていないなどの不備があることから、当社の顧客に対する情報提供は不十分であると認められる。
当社が行った上記(1)の行為は、金融商品取引法第38条第1号に規定する「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に、上記(2)の行為は、同法第56条の2第1項の規定に基づく報告徴取命令に対し虚偽の事実を記載した報告書を関東財務局長に提出したものであり、同法第52条第1項第6号に規定する「金融商品取引業に関し法令又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に、それぞれ該当するものと認められる。
上記(3)及び(4)の状況は、金融商品取引業者として極めて不適切な業務運営の状況であり、公益又は投資者保護上重大な問題があると認められることから、金融商品取引法第52条第1項第9号に規定する「金融商品取引業に関し、不正又は著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いとき」に該当するものと認められる。
上記(5)のうち、顧客に交付した契約締結前交付書面の記載の不備は金融商品取引法第37条の3第1項の規定に、契約締結時交付書面の記載の不備は同法第37条の4第1項の規定に、それぞれ違反するものと認められる。
2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
記
(1) 登録取消し
関東財務局長(金商)第1805号の登録を取消す。
(2) 業務改善命令
1) 顧客の状況、顧客が出資した財産の運用・管理状況を早急に把握し、当該財産の顧客への返還に関する方針及び返還する場合の方策について検討すること。
2) 顧客に対し、顧客が出資した財産の運用・管理状況等の説明に努め、顧客の意向も踏まえて必要な手続きを行うこと。
3) 顧客間の公平に配慮しつつ、顧客保護に万全の措置を講ずること。
4) 上記の対応・実施状況について、完了までの間、書面により随時報告すること。
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