10月 20

滋賀県の医療観察病棟が開棟/内覧会見学

10月20日、滋賀県の医療観察病棟が開棟した。開棟式では嘉田知事や県議会議長が祝辞を述べ、越市長は来られなかったとのこと。
内部を案内してもらった。
精神医療センター中庭から入る。警備室を通り、2階に上がると、回復期病棟、急性期病棟に分かれていた。女性用の病棟もあり、人数に応じて仕切れるようにしている。全室個室だ。ベットと木調のタンスがあり、トイレもついている。
2階は他に、1つの保護室、2つの準保護室。急性期病棟の室内はナースステーションのカメラで見れるようになっている。 正に観察病棟。大勢のスタッフが廊下にずらりといて、病棟はきれいだが、ずっと監視されているようで非常に居心地が悪い。 内覧会なので、病棟スタッフだけでなく手伝い要員もいるとのことだが・・。
また、2階には体育館もあり、一般精神科病院の貧弱さと比較して、豪華すぎるのではないかと思った。
1階は、作業療法室やカンファレンス室(広い)などがあった。
さすが約13億円もかけているだけがある(本体建設費は約6億円)
一般精神科病院より、更に貧弱なのが地域の社会資源なのだが・・。
スタッフは、専任医師が2人、兼任が1人、看護師30人、精神保健福祉士3人、心理療法士1人、作業療法士1人とのことだ。
滋賀県の患者6、7人が順次入棟し、他府県の患者合わせて18人ほどが入棟になるまで、厚労省から運営補助金が入る。 やはり近畿厚生局でないと入棟予定者についてははっきりわからない。
11月5日に入棟する1人に30人以上のスタッフがつく。しばらく、数人にその状態のようだ。
豪華な病棟と貧弱な社会資源。
無機質、機械的、大事なものが欠けているように感じた。
医療観察病棟はやはり問題ありだ。

<内部は写真撮影不可。外から撮影した外観写真>

医療監察病棟① 医療観察病棟② 医療観察病棟③ 医療観察病棟④


10月 19

間に合っているのに開棟/合言葉は「人権」!建設推進に暗躍した人たち

いよいよ、明日が開棟。
2年間を振り返り、おさらいしよう。

病棟建設推進のカモフラージュの合言葉は「人権」だった。

嘉田知事が発言し、厚労省の資料にも書かれ、病院事業庁も説明し、黒幕ごっこが大好きな地域の自称ご意見番長老族たちが言い、人権意識にほど遠い人権の会長が暗躍し、一度は逃げ出してからリターンしたへなちょこ福祉の会長が騒ぐ。

しかし、実際調べてみると、H25年6月時点で768床整備済み。
<厚労省・指定入院医療機関の整備状況>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sinsin/iryokikan_seibi.html

入院対象者はというと、670人。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sinsin/nyuin.html

すでに間に合っている。
厚労省の当初の整備目標数は、700床程度と初期の資料に書いてあった。
それでも建設をやめない。
厚労省の部署の名前も「医療観察法医療体制整備推進室」という名称。
間に合っているのに、「整備推進室」。

地方では、病床数が大きい病棟を建設すればするほど、交付金が国から入る。
そして、診療報酬で運営できるようになるまで、病床数に応じた運営補助金も出る。医療観察法全体予算は、670人ほどの対象者に200億円以上。

明らかに「人権」という名の公共事業だ。
その公共事業も、未来につながるものだったら納得できるが、おかしすぎることが多い。

精神障害者の犯罪件数は横ばい(法務省資料)。

京都の大杉弁護士の調査報告書をご本人の同意を得て、当HPでも掲載した。
<過去投稿から>
http://green-hill.info/2012/07/16/%e5%8c%bb%e7%99%82%e8%a6%b3%e5%af%9f%e6%b3%95%e3%81%ae%e5%ae%9f%e6%85%8b%ef%bc%8f%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e5%a0%b1%e5%91%8a%e2%91%a0/

この中で、「軽微な傷害」でも申立てされていると書かれている。
以前、家族会の方からいただいた資料によると
「この法律の対象は重大な他害行為を行った人とされています。ところが実際には、自宅の窓枠を焦がしただけの放火事件だの、弁当2個を奪ったなどのごく軽微な事件にも適用されています」
「殺人や殺人未遂の事例で「医療観察法」の適用が申し立てられたケースでは、被害者の大半が加害者の親族です」
と書かれている。

軽微な傷害でも医療観察病棟に入れられている?
家族や親族と対象者との葛藤?
ここに「医療観察法」の問題があるのでは。

下記は、読売新聞の佐藤記者の「精神医療ルネサンス」の記事より。
医療保護入院などの問題点があぶりだされている。

ならず者医療(1)「拉致」された女性(P1)
ならず者医療(1)「拉致」された女性(P2)
ならず者医療(2)「それは拉致です」と厚労省(P1)
ならず者医療(2)「それは拉致です」と厚労省(P2)
保護入院の闇(2)抵抗したら「統合失調症」
保護入院の闇(3)なぜ薬物中毒?
保護入院の闇(4)悪用防ぐ改革を

こちらの「人権」も問題にすべきなのではないのか?

明日の開棟式では、珍しく当地域に足を運ぶ嘉田知事。小沢氏との見つめ合い会見(誰もが興ざめした)後の破局以来、精彩さがなくなりたそがれすぎている。
第2ステージの始まりだ。
滋賀県の医療観察病棟の運営もじっくり観察しよう。


10月 17

裏話⑥変わる変わる厚労省の担当者/専門職員がいない

医療観察病棟については、わからないことが多い。調べるしかなかったので、厚労省に、情報公開請求をかけ続けた。 入手した資料をよく読むと、またわからないところが出てきて、電話でも確認した。

2年前は、担当者とやりとりをしながら、理解していった。
ようやく、わかりかけて次の疑問点を確認しようとしたら、担当者が異動。
次の年の担当者と、また一からやり直しの確認作業。
ようやく、わかりかけて次の疑問点を確認しようとしたら、担当者が異動。
今年の4月、また、新しい若手職員が配属になり、一からやり直しの確認作業。
担当者に質問してもわからないので、説明した。「確認しますので、ちょっと待って下さい」ばかり。
「わかる方を出して下さい」と伝えると、電話を保留にしてから「外出しています」との答え。
「何時頃、戻られますか」と尋ねても「こちらで確認してから連絡します」とだけ。上司が出てこない(これは県も一緒)

ちらっと聞いたところによると、厚労省は、人手が足りなくてハードらしい。若手が酷使されているようだ。
「天下りの爺さんたちをファイリング作業やコピーで使えばいいのに」と伝えると
「元上司は使えない」とボソリ。

医療観察病棟の部署なのに、医療観察病棟について詳しい専門職員がいない。
各県から届いた書類を、ただ黙々と流れ作業のように回すだけ。
医療観察病棟の会議のときは、外部から専門家(司法関係、精神医療関係)を呼ぶ。

その専門家も決まったメンバーのようだ。
医療観察病棟の監査委員もお抱え医師だらけ。このお抱え医師たちを厚労省が任命している(厚労省は各厚生局が任命すると言っていたが、近畿厚生局は厚労省が任命していると言っていた。どちらが正しいかまだ未確認。)

専門職員がいないから、調査することも、展望ある計画を立案することもない。
要る要らないは関係なく、建設推進の惰性が続く。


10月 17

裏話⑤2人の室長/精神医療改革はなし?ひたすら箱作り

2年前、滋賀県精神医療センター医療観察病棟開設準備室の室長は、洛南病院の元院長の岡江氏(精神科医)であった。
当時、何度か岡江室長と住民説明会の後に話をした。
「箱ものの病棟を建てる前に、出た後の受け皿の整備が先なのではないですか?住民説明会が始まっているのに受け皿の施設などに話はしているのですか?」と問うと、
「この間、1ヵ所挨拶に行って来た」と岡江室長が自慢げに話をした。
「遅すぎるでしょう」と問い詰めると、「これからもっと行くから」とヘラヘラした感じで返答していた。
その2ヶ月後、龍谷大学のシンポジウムで村木病院事業庁長と岡江室長が一緒だったが、いつもと目つきが違っていた。 まるで別人だ。
数ヶ月後、岡江室長の退職が決まり、精神医療センターを出られる直前に会った。去り際に、「医療観察病棟には関わらない。余生をうつ病患者のため使いたい」と神妙な顔で言っていた。
その舌の根も乾かない内に、鑑定書の本を出版した。どちらが本当の顔なのか。

岡江元室長へ
本の印税を、あの時言っていたうつ病患者のためにぜひ使ってほしいですね。本の出版の後に、問い合わせの電話が滋賀県の精神医療センターに来て、迷惑しているみたいですよ。消息不明なので、洛南病院へ全部まわしているとのことですから。もうすぐ開棟です。顔を出されたらどうですか。

岡江元室長の後は、元厚労省の職員で医療観察法にも間接的に関わった苗村氏(精神科医)である。
一度、当地域の住民の前にも現れたが、都合が悪くなると、部下を置いて逃げ出す、逃げ足の速さに驚いた。
その後、苗村室長へコメント入りの新聞を持って訪問したが、「あなたとは話をしない」と言われた。
「では、誰となら話をするのですか?」と尋ねたら「地域の代表」とのこと。
かけもちの役職もちの偉いさんと自負でもされているのか、(また、兼務が増えたようで)人を選別して話をするらしい。
どおりで・・。
上田上学区の事前説明会では、ぼそぼそした話し方で「聞こえない」と住民より注意をされていたと聞いたが、過去の医療関係の講演では、大勢の前で話をされていたのでは・・。

精神科医でありながら、行政マン、医療観察病棟の監査委員、いくつもの兼務、いくつもの顔。
どれが本当の顔なのか・・。

医療観察病棟の建設を躍起になって進めた精神科医でもあり、役人でもあるおふたりさん。
精神医療が抱えている根深い問題はスルーですか。

精神医療改革はなしですか?
自分自身の診断をしたほうがいい精神科医が多いでしょう。

下記は、読売新聞の佐藤記者の「精神医療ルネサンス」の記事より(一部)。

「精神科面接に問う」に反響続々①
「精神科面接に問う」に反響続々②
「精神科面接に問う」に反響続々③

DSMの功罪 小児の障害が20倍①
DSMの功罪 小児の障害が20倍②

「治療抵抗性」という名の誤診

頻発する患者の死(1)多量の薬剤投与・・入院9日後に心肺停止
頻発する患者の死(2)わがままな子の治療
頻発する患者の死(3)原因不明、謝罪なし

めちゃくちゃにされた人生(1)抗うつ薬と衝動性
めちゃくちゃにされた人生(2)かぜにバキシル?

相次ぐ突然死 患者の心不全16倍①
相次ぐ突然死 患者の心不全16倍②


10月 15

裏話④市民、県民、国民の声/誰が聞く?どこが聞く?

いろんなところに電話をしたが、一番対応が悪かったのが、市民、県民、国民と身近に接する部署だった。

例えば、県民の声室。
県民の声を聞いてくれる部署かと思えば、その件は聞きたくないの一点張り。直接話をしに行っても、怒気を含んだ対応で話にならない。
過去投稿でも取り上げた。
http://green-hill.info/2012/02/21/%e3%80%8c%e7%9c%8c%e6%b0%91%e3%81%ae%e5%a3%b0%e3%80%8d%e3%81%a7%e3%81%aa%e3%81%8f%e3%80%8c%e7%9c%8c%e5%ba%81%e3%81%ae%e5%a3%b0%e3%80%8d%e3%81%b8%e6%94%b9%e7%a7%b0%e3%82%92/?preview=true&preview_id=1687&preview_nonce=bafe5239c9

県民の声室には、ひどい目にあったが、内閣府の国民の声はどうなのかと思い、電話した。
担当者が不在なので、折り返し電話をくれるとのことだったが来ない。別の日にもかけたが同じだった。時間の無駄だから、もうかけなかった。
こちらも過去投稿で取り上げた。
http://green-hill.info/2012/09/24/%e8%a1%8c%e6%94%bf%e5%88%b7%e6%96%b0%e3%80%8c%e5%9b%bd%e6%b0%91%e3%81%ae%e5%a3%b0%e3%80%8d%e5%8f%97%e4%bb%98%e7%aa%93%e5%8f%a3/

そして、自治会関係の担当部署である大津市の自治協働課。
以前、大津市自治連合会の平成22年、23年の会議議事録の情報公開請求をかけた。この病棟について、どのようなことが話し合われたのかを調べるためだ。
公開請求をかけたことに対して、自治協働課の不機嫌さがひしひしと伝わった。県の各課も厚労省もそんな対応をするところはどこもなかった。 そして、結果的に大津市連合会の議事録は自治協働課で保管はしていないという通知であった。
大津市が自治連合会に補助金を交付し、自治協働課が会議に協力している。そして、市役所で開催しているのに、なぜ議事録のコピーがないのかと質問しても、「ない」と言うだけ。話にならなかった。

身近な部署以外では、滋賀県の土木交通部の電話応対に驚かされた。

土木交通部の部署に医療観察病棟の本体建設について聞きたいことがあったので電話したことがある。
「内田組が、医療観察病棟の本体建設の落札をしたことについて教えてほしい」と言ったら、
「ちょっと待って下さい」と言われ、受話器がそのままの状態で「内田組の落札について教えてほしいと言っている人がいる」と 職員同士で笑いながら話をしている声が聞こえてきた。保留にするのを忘れたのか、いつもそうなのかはわからない。
その後、「丸聞こえですよ。電話は保留にしましょうね」と職員に伝えたら、慌てていたが・・。当たり前のことだろう。


10月 15

裏話③弁護士として市長として/越市長はどうする?

越市長が市長に就任する前、討論会の会場ロビーで会い、この問題について話をした。
越市長は、当選したら、嘉田知事に大津市長として言うべきことは言うとその時約束をされた。

2度目は、市役所で面談した。地元住民だけでなく、精神障害者家族会もこの病棟建設に反対していることを、再度、伝えた。
弁護士会も、法制定時は反対であったことを、同席していた弁護士の方たちがおっしゃっていた。

弁護士として、越市長もよくご存じであろう。

例えば、「強制医療/医療観察法」
http://www.arsvi.com/d/f0102.htm#1b

同じ弁護士の八尋 光秀氏は、下記の通り述べている。

◇八尋 光秀「『再犯のおそれ』を理由にした強制隔離は憲法に違反しないか」、『季刊福祉労働』、95、2002.

「精神障害者」の犯罪率、再犯率、犯罪件数はどうか
「今回の法案作成のための資料として、法務省法制局が作成した『犯罪精神障害者対策について』(試案、手続メモ)は端的に言及している。/『精神障害者』の犯罪は、『最近、特に増加しているわけではない』し、『法務省において、犯罪を犯した精神障害者とそれ以外の者との再犯率を比較検討しているが、精神障害を持たない者と比較して、精神障害者の再犯率が高いとの調査結果は得られていない』のであるから、『精神障害者を危険な存在(犯罪予備軍)と見ることは社会情勢からみて困難』だとする。」29

越市長、いろんな弁護士の方たちが反対意見を述べられていますよね。

大津市の住民たちが中心になって、住民訴訟中であること、飯田弁護士が弁護団団長であることもよくご存じですよね。
また、なぜ必要ないのかを調べて書いた「青山時事新報」を、秘書課を通じてお渡しもさせていただきました。

<過去投稿から>
http://green-hill.info/2013/05/15/%e9%9d%92%e5%b1%b1%e6%99%82%e4%ba%8b%e6%96%b0%e5%a0%b1%ef%bc%93%e5%8f%b7%e7%99%ba%e5%88%8a/

20日の開棟式はどうされるのでしょうか?
また、下記のようなことも、当学区で起きてましたので、連合会と民生委員のチェックをお願いします。
過去投稿から
http://green-hill.info/2013/10/06/%e8%ad%a6%e5%af%9f%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e8%a8%98%e4%ba%8b%e5%89%8a%e9%99%a4%e8%a6%81%e8%ab%8b%e3%81%ae%e4%bc%9d%e8%a8%80/?preview=true&preview_id=7570&preview_nonce=e1ba109b7a


10月 14

裏話②県の岩戸から登場/元病院事業長のつぶやき

2年前の冬、龍谷大学のシンポジウムに登壇していた村木病院事業庁長へ、終了後、話をしに行った。
天の岩戸ならぬ県の岩戸からやっと出てきた病院事業庁長へ聞きたいことがあったからだ。
近づいて行くと、県の職員がずらりと取り囲み、話をしようとするとさえぎった。まるで親衛隊だ!
女性1人が、ちょっと話しかけに行っただけなのに、この物々しい警戒感はなんだろう。
「村木病院事業庁長へ質問したいことがあるんですが・・」と話しかけると
「地域に出さないから」と病院事業庁長の憮然とした一言。
「えっ」と驚くと
「庁長は忙しいから」と県職員たちが、病院事業庁長を促すようにして足早に連れ去った。

地域に出さないとはどういうことだろう?
入院処遇ガイドラインには、社会復帰訓練として、外出計画について書いてあった。地域に出ずして、どう外に出るのだろうか。
そして、それを決めることは、病院事業庁長の独断では出来ないはず。
そんな権限は、法にはない。
シンポジウムの席上で、病院事業庁長は、法の目的である対象者の社会復帰を訴えていただろう。
今まで県が配布した資料にもそう書いてあった。

<入院処遇ガイドライン>
http://www.ncnp.go.jp/nimh/shihou/inpatient_shogu_guideline2012.pdf#search=’%E5%85%A5%E9%99%A2%E5%87%A6%E9%81%87%E3%81%8C%E3%81%84%E3%81%A9%E3%82%89%E3%81%84%E3%82%93′

どの言葉が本当なのかわからなかったので、病院事業庁長宛に「地域に出さないとおっしゃった意味について」の質問状を出したが、なかなか返事がもらえず。 1ヶ月後に、病院事業庁長ではなく、担当職員の名で回答文書が届いた。
「周辺を散歩したりすることはない」とだけ書いてあった。あの時言った「出さない」という強制的な意味合いがぼかされて、質問と違うニュアンスの回答であった。

それから、数ヶ月後、県庁近くの食堂で、偶然、村木病院事業庁長と再会した。お互い挨拶だけ交わしたが、後姿が妙に哀愁が漂っていた。後でわかったことだが、その時は既に、退職(更迭人事?)が決まっていたらしい。
今、元病院事業庁長は、何処に?天下り先の企業に再就職しているとか、農業しているという噂も耳にしたがその後の消息はわからない。元責任者の1人として、20日の開棟式にはぜひ来るべきであろう。


10月 12

裏話①県議会傍聴/飲み屋が議場に

2年前の秋、医療観察病棟問題が動き出した。
当時、対話の会の議員にこの問題の話をするため、県庁を訪れた。
ついでに、ちょうど開催していた県議会の傍聴をすることにした。
初体験なのでワクワクしながらドアを開けると、 傍聴人はほとんどいなくて、傍聴席は静かだった。
県議会議員はまだ現れず、正面席には県庁の幹部たちが座っていた。
その幹部たちが大声で雑談を始めた。
内容は、全盛期であった「維新の会」の橋下知事(当時)の批判ばかり。
「維新にあらずんば人にあらずというところか。いやあ、大阪は大変だ」というような言いたい放題の内容。
静かな議場に響き渡るような声、声。
「品位のかけらもない、まるで飲み屋でのうさばらしだ」と思い、側にいた記録係?の職員に尋ねる。
「いつもこんな感じですか?」
慌てたように「も、もうすぐ議員が来られますから・・」とどもりながら答えてくれた。

その後、議員が現れると、幹部たちは話をやめ、飲み屋が議場に変わった。
嘉田知事の芝居がかった挨拶(確か東日本大震災についての内容だった)。
「異議なし」連発の県議会議員の声。
さっぱり面白くない。先ほどの飲み屋の会話のほうが、本音が出ていて面白かったのに・・と議場を後にした。
幹部の雑談しか記憶に残っていない初傍聴体験であった。


10月 11

今までを振り返り、裏話/情報発信は続く

昨日の投稿で500。巻き込まれた形で、この問題に関わり3年目に突入。
それまで、政治家や行政の動向には全く興味がなかった。
議員たちに腰巾着のようにペタペタつきまとっていた当時の自治連合会の役員たちを冷ややかに見ていた。
情報封鎖、隠蔽体質、連合会の私物化などおかしなことが多かった。
おかしなことをおかしいと調べていく内に、どんどんどんどん疑問が広がった。

疑問に思ったことを調べに行った。疑問に思ったことを聞きに行った。
政治活動にも、イデオロギーにも興味なし。
どこぞの住民たちが、個別訪問、電話攻撃などありとあらゆる手段で、事実でないことを平然と発信するミニ政治活動に薄気味悪さを感じた。普通の自治会ではありえないだろう。堂々と公の場で議論するのが民主社会だと思っていた。

おかしなことを事実として伝えれば、政治家や行政は動くだろうと思っていた。
いろいろな人に会いに行った。いろいろな人に聞きに行った。電話で尋ねたりもした。

厚労省、法務省、外務省、市長、国会議員、県議会議員(各会派)、県庁(秘書課、広報課、子ども家庭課、土木交通部、議会事務局、県民の声室、情報課、福祉政策課など)、病院事業庁、当事者会、家族会、精神医療センター、精神科医、日精協事務局。

来週には医療観察病棟が開棟する。今までを振り返り、ここしばらくは、感じたこと、思ったこと、驚いたことを書いていきたい。
開棟しても終わりではない。もっともっとおかしなことが出てくるだろう。
じっくり調べてぼちぼち発信していくつもりだ。


10月 11

交付金欲しさの追従行政!時代錯誤の日本の精神医療政策

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朝日新聞の元記者でジャーナリストの大熊一夫氏の著作「精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本」より。

奇妙奇天烈な政策

日本には、21世紀になって司法精神医療に類似した特殊精神病院をつくる法律ができた。法の指針に沿った布陣の国立某指定病院では、33人の被収容者に医師約4人、看護師43人、臨床心理士3人、精神保健福祉士2人、作業療法士2人が配備されている。普通の精神病院の入院費は年に365万円だが、新特殊病院は2,200万円。これは一般精神病院の実に6倍のコストだ。
罪を犯した精神病の人々のための、この豪華な特殊病院は、日本の精神病棟の新しいモデルだ、日本の35万床の貧弱な精神病院はこのような重厚な装備を備えた少数の病院に集約していくべきなのだ、と医療観察法賛成者たちはいう。だがそれなら、精神病棟縮小計画が厚労省から打ち出されていなければおかしい。
私も東京都小平市の旧国立武蔵病院にできた新観察病棟を見せてもらった。それはグアンタナモ基地みたいな厳重な柵の中にあった。これもおかしい。触法入院者も、普通の入院者も、同じ病人である。イタリアのように、同じ医療体制で治療されるべし、とするのが、差別のない社会というものだ。
罪を犯したのなら、病人であろうと一般市民であろうと、監獄に入るべきだ。フランコ・ロテッリも日本の講演でそう言った。
もし「罪を犯した精神病の人は手厚い治療を受けているので安心」と世間に示したいのであれば、刑務所の中にしっかりした治療装置を作ればいい。「オッカナイ患者は檻に入れました。当分出しませんからご安心を」と誇示するのは、100年遅れのセンスではないのか。

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医療観察病棟には、対象者1人当たり約年間2,200万円のコストと、運営交付金などが国庫より立地県に使われる。23人で約5億円。運営交付金は病床数に応じて交付される。
滋賀県は「残り枠がなくなる」と交付金目当てに建設を決めた(精神保健審議会の資料より)
http://green-hill.info/2013/05/12/%e7%97%85%e5%ba%8a%e6%95%b0%e3%81%ab%e5%bf%9c%e3%81%98%e3%81%9f%e9%81%8b%e5%96%b6%e8%b2%bb%e4%ba%a4%e4%bb%98%e9%87%91%e3%81%8c%e6%94%af%e7%b5%a6%ef%bc%8f%e5%8c%bb%e7%99%82%e8%a6%b3%e5%af%9f%e7%97%85/

http://green-hill.info/2013/02/03/%e6%ae%8b%e3%82%8a%e6%9e%a0%e3%81%8c%e3%81%aa%e3%81%8f%e3%81%aa%e3%82%8b%ef%bc%9f%ef%bc%81%e4%ba%a4%e4%bb%98%e9%87%91%e3%82%92%e3%81%a8%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%ae%e5%85%ac/


10月 10

あと10日で開棟式!嘉田知事は何を言う

滋賀県が強引に進めた医療観察病棟の開棟式が近づいている。
10月20日(日)の午前に式典、午後に地域住民向けの内覧会がある。
式典には、知事、国会議員、県議会議員(厚生・産業常任委員会メンバー)や精神関係の各協議会メンバー、各地域の代表者が出席予定。 開設準備室の担当者によると、上田上学区など他学区からの返答は来たが、青山学区は保留状態。今週の役員会を経て返答するとのことだ。
平成23年度に学区として「陳情書」(⇒当時の自治連合会長の不手際により「請願書」が「陳情書」になった)を県議会に出した当学区の代表が、式典に晴れ晴れしく参加することほど滑稽であろう。
平成23年度の代表に続くおまぬけな連合会長として、地域住民の記憶に残るのでは。
参加するのであれば、どのような内容の式典であったか、知事が何を話したのか、しっかり住民に知らせてほしい。私的な参加でなく、地域の代表として、責任ある立場であることを忘れずに。

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午後の地域住民向けの内覧会は下記の通り

受付開始  12時50分~

案内

①13:00~

②14:00~

③14:30~

④15:00~

⑤15:30~

⑥16:00~

精神医療センター開設準備室に確認したところ、現在115人の申し込みあり。

申し込み締切は、9月30日となっているが、今でも受付している。

11月1日に稼働し、5日には最初の対象者が入棟。今後、他府県の対象者が週末ごとに入棟し、来年3月末には満床予定らしい。

「そんなにいるわけないでしょう。他府県の病棟を調べても満床でどうしてもという実態ではないですよね」と問うと

「近畿厚生局が決めているから」との返答であった。

矛盾だらけの医療観察病棟が、近畿でまた1つ誕生する。

<案内文>

地域住民対象内覧会の案内/滋賀県精神医療センター


10月 06

警察からの記事削除要請の伝言/警察に伝言返しを依頼

2ヶ月ほど前に、大津警察署から、当HPのある記事の削除要請の伝言があった。
青山のある住民から依頼があったとのこと。
名指しで、この人の書く記事はけしからんとのことだったが、名前がわかっているのなら、堂々と質問や意見を言いに来ればいいのに 警察にお願いするとは・・。ただあきれるだけであった。
削除はしなかったが、伝言返しを警察の方にお願いしたが、しっかり伝えていただいたのかどうか??
「大の大人が警察を使って削除しろと言うのは大変情けない。この件を含め、連合会の場で正々堂々としっかり答えるし、説明したいことがあるので、連合会定例会への参加要請の招待状を送ってほしいと伝えて下さい」とお願いしたのだが、その後、音沙汰なしだ。その要請したであろう住民たちは、「精神障害者の人権のために、医療観察病棟は必要だと思い建設に賛成だ」というようなことを触れ回っているから、驚くばかり。まともに議論をすることを避け、見えないところでは、誹謗、中傷、デマばかりをまき散らす。弱いものいじめの常習犯だ。

下記の過去投稿でも書いたが、平成25年度の青山学区の自治連合会長さん!医療観察病棟については、2年間も貴重な時間を費やしてしっかり調べた私をぜひ定例会へ招待して下さいな。責任ある立場の人であれば、詳しい情報収集が必要なのでは。呼べない理由はないでしょう。

過去投稿から
http://green-hill.info/2013/05/27/%e5%89%8d%e7%95%a5%e3%80%81%e9%9d%92%e5%b1%b1%e5%ad%a6%e5%8c%ba%e8%87%aa%e6%b2%bb%e9%80%a3%e5%90%88%e4%bc%9a%e9%95%b7%e6%ae%bf%ef%bc%8f%e9%80%a3%e5%90%88%e4%bc%9a%e3%81%ae%e5%ae%9a%e4%be%8b%e4%bc%9a/

追記・・削除依頼の過去投稿
http://green-hill.info/2013/05/01/%e6%80%92%e5%8f%b7%e3%81%a8%e5%8f%b1%e8%b2%ac%e3%81%a7%e9%9d%92%e5%b1%b1%e5%ad%a6%e5%8c%ba%e3%81%ae%e5%a5%b3%e6%80%a7%e3%81%8c%e9%9d%99%e9%a4%8a%e4%b8%ad/


10月 05

診断と投薬は脇役の精神医療

引き続きイタリアの地域精神保健を紹介した大熊一夫氏の「精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本」から

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じつは、バザーリアやその弟子たちの実践する精神医療と、私たち日本人の知っている精神医療とでは大きな違いがある。仮に日本で、私が統合失調症になったとする。おそらく医師は、病的な言動がいつ始まって、どんな振る舞いがあって、周囲がいかに困惑したか、を根堀り歯掘り聴きだして、病名や病状をカルテに記載し、抗精神病薬を処方し、ことによると精神病棟へ送り込んだり、強制治療をしたり、といった作業をするはずである。
バザーリア派は、このような診断・治療プロセスを嫌う。彼らは、反精神医学の旗手と言われた英国のレインや米国のサスのように「精神病など存在しない」とは言わない。抗精神病薬も使わないわけではない。だが、診断や投薬は主役ではない。
その理由はこうだ。「生殺与奪の権を振りかざす」医師と、医師の「ご宣託」に振り回される「無知・無能な」患者という図式の人間関係は治療に有害無益である。医師の診断は、患者の社会的評価を失墜させたり、一般社会からの排除を助長したりするおそれが十分にある。だから診断することを躊躇するし、権威の象徴である白衣を着ないし、電気ショック療法は捨てたし、強制治療を極力避けるし、とにかく、患者の心身をねじ伏せる恐れのある処置を回避しようとするのである。
「強制」もなくはないが、人手と説得技術、濃厚なコミュニケ―ション、信頼感、連帯感、対等な人間関係、で乗り切る。それらが徒労に終わっていない証拠に、トリエステでは強制治療が極めて少ない。バザーリアが赴任した1971年は150件だった。2001年は23件、2004年は16件。その後はもっと減った。強制治療の3分の2はセンターで行われ、あとの3分の1がSPDCである。
トリエステ住民で司法精神病院に送られた人は、1971年は20人だったが、2001年はたったの1人だ。以後、ゼロの年もある。地域の支えが充実すれば、司法病院送りは確実に減るのである。
トリエステの地域精神保健センターの原則は明快である。
「受け持ち地区六万弱の市民から上がってくる精神保健上の要求は全て受け止める」「重症度に関係なくすべての患者を受け入れる」
 この体制には、イタリア全体の平均より1、7倍ほど厚い人手をかけている。トリエステの精神保健関係予算は全国医療保険予算の4.9%。国内最高水準だ。

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日本はというと、200億円以上の精神医療関係予算の内のほとんどは、医療観察法関連予算に充てられている。
地域の精神保健関係予算はほんのわずか。訪問支援も治療を受けることが前提となり、いわゆるケアにだけ特化した試みは、各地の保健所まかせというところがほとんどではないだろうか。

過去投稿から
http://green-hill.info/2013/06/01/%e7%89%87%e8%bc%aa%e3%81%a7%e6%9a%b4%e8%b5%b0%e4%b8%ad%ef%bc%81%e5%8c%bb%e7%99%82%e8%a6%b3%e5%af%9f%e6%b3%95/


9月 26

厚労省の展望なき精神保健行政

滋賀県の医療観察病棟の開棟が近づいている。

巷では、医療観察病棟について、聞きかじった情報だけでよく調べもせずに勝手な思い込み配布物を配り歩いている住民もいるとのこと。

なぜ必要ないのか、これからじっくり、先達の書籍などを引用して解説しよう。

まずは、ジャーナリストの大熊一夫氏の著作「精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本」から。

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日本の精神保健は半世紀も前から今日まで、病院経営の都合が第一、患者の身の上は二の次だ。この優先順位は変わっていない。クラークは40年前に言っている。「日本の行政機関は精神病院をコントロールできていない」と。今は、もっとその傾向が強まったように見える。
日本精神科病院協会(日精協)は、20年以上前から、自由民主党や同党厚生族議員たちに多額の政治献金を続けてきた。2003年には、心神喪失者等医療観察病法が自民党のごり押しで成立した。これで、手に余る患者を新設特殊病院に厄介払いすることに成功した。同法成立の背後で、日精協が金にものをいわせて自民党にロビー活動をしていたことを疑わせる事実が、当事者会有志による綿密な政治資金報告書調査で明らかになっている(2003年4月18日付毎日新聞、5月19日付朝日新聞、9月12日毎日新聞など)
同法の奇妙奇天烈さについては第4部第3章で触れる。

クラーク勧告から24年たった1990年1月、私も厚生省の精神保健課長にはがっかりさせられた経験がある。朝日新聞厚生文化事業団の招きで講演のために来日したイタリア・トリエステ精神保健の最高責任者フランコ・ロッテリを厚生省の精神保健課長に引き合わせたくて、霞が関のレストランに昼食の席を設けた。精神病院を廃絶したトリエステの経験は日本の精神保健行政に大いに参考になるのでは、と私も随分とおせっかいなことを考えて、わざわざ一流のイタリア語通訳まで用意した。結果は、無残なものであった。

課長は日本精神病院協会から今しがたファックスで送ってもらったらしい資料(資料の縁に発信元の日本精神病院協会とあるのがはっきり見えた)を手に、「トリエステが精神病院なしでやれるのはトリエステから重い患者が出て行ってしまったからではないか」の一点張りで、WHOのパイロットモデルであるトリエステの「精神病院なしの精神保健システム」に、みじんも興味を示さなかった。
昼食は、砂を噛むような妙な雰囲気に終始した。
かねがね日本厚生省の精神保健行政には失望させられることばかりだったが、この日をもって、私の愛想は完全に尽きてしまった。
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平成23年12月に滋賀県の日精協は、「当該施設は患者の治療有効性が実証されていない」として建設凍結の反対声明文を出した。

翌月、一転して「施設の運営を工夫することによって、治療効果の高い、安全の確保された治療的な環境を維持していくこと」を条件に白紙撤回した。

治療の有効性が実証されていないとしながら、どう治療効果を高めるのか・・?全く具体的な方法を提示もせずに、白紙撤回をするのは無責任極まりなかった。

結局は、大熊氏も書いている通り、手に余る患者の厄介払いである。そして、特殊病棟には、たいした効果がないにもかかわらず(かえって悪化するのでは?)莫大な予算が国費から垂れ流しのようにつぎ込まれる。いつまで作り続けるのか厚労省は明確にしていない。


8月 08

真相の究明を!青山学区自治連合会の問題

昨年の青山学区の女性自治会長が、連合会の問題で、精神的苦痛を受け、警察に被害届を出して静養中である。この件に関して、現自治連合会は、過去のこととして全く無視するつもりだろうか。連合会の問題が発端なのだから、事実をしっかり究明して対処すべきだろう。

過去投稿から
http://green-hill.info/2013/05/01/%e6%80%92%e5%8f%b7%e3%81%a8%e5%8f%b1%e8%b2%ac%e3%81%a7%e9%9d%92%e5%b1%b1%e5%ad%a6%e5%8c%ba%e3%81%ae%e5%a5%b3%e6%80%a7%e3%81%8c%e9%9d%99%e9%a4%8a%e4%b8%ad/


7月 10

誰のための事業?医療観察法の予算

滋賀県では、医療観察法の「地域共生事業費」は、街灯整備に使われる。

地域共生とは、精神障害者が地域で生活できる拠点の整備に使われると思っていたのだが・・。

医療観察病棟整備の予算配分は、いったい誰のための事業なのだろうか?

下記は、当事者が地域で暮らしている北海道のべてるの家について。

<北海道の浦賀べてるの家>
べてるの家は、1984年に設立された北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点。
そこで暮らす当事者達にとっては、生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共同体という3つの性格を有
しており、100名以上の当事者が地域で暮らしている。
http://urakawa-bethel.or.jp/betheltoha.html

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%82%8B%E3%81%AE%E5%AE%B6


7月 07

虚構の精神障害者像を作り出したマスコミ報道の責任③

高木俊介氏著「こころの医療 宅配便」からの抜粋の続き。

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また、このような傷ましい事件は、その事件によって病気が明らかになり治療が行われるので、かえって同じことが繰り返されることはなくなる。実際に、殺人のような重大事件においては、精神障害者の再犯率は6パーセントである。ところが一般の犯罪者においては、刑法犯全体の再犯率は50パーセント、殺人の再犯率は30パーセントに及ぶのである!こういうことは、犯罪者の矯正という役割を果たせていない司法の恥部と考えられているからであろうか。世間に対しておおっぴらにされることはほとんどない。
それに対して、精神障害者が何かの事件を起こしたときに限って、まるで同じ人が何度も同じ事件を繰り返したり、同じ精神障害の人たちが同じことをするように思われるのには、マスコミ報道の責任も大きい。精神障害者が起こす事件だからといって、精神障害であることと事件の内容に直接の関係があるとは限らない。ところが容疑者に精神科通院歴があると警察が発表すると、あたかもその病気が原因であるかのようにセンセーショナルに報道するのだ。これでは、糖尿病のある人が犯罪行為を行ったとき、彼には「内科通院歴があった」と書くのと一緒のことだ。
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そもそも医療観察病棟そのものの存在意義はあるのだろうか。要塞のような建物を建て、人々に恐怖心だけ与え、莫大な予算をかけながら、社会にとって、未来にとって展望のある意義ある建物なのだろうか。
必要なのは、精神障害者が安心して生活出来る居住の場の確保と社会生活、そして地域社会の理解だ。それには、真実の姿を伝える地道な積み重ねしかない。
 医療観察法施行前は、後押ししたかのような報道をしておきながら、施行後の実態を検証したマスコミはどこもなし。


7月 04

虚構の精神障害者像を作り出したマスコミ報道の責任②

続いて、精神科医の高木俊介氏の「こころの医療宅配便」から抜粋。

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殺人という重大犯罪だけを取り上げると、精神障害者が殺人行為を行う割合は事件全体の10パーセント程度と、確かに高くなる。このことを取り上げて、やはり精神障害者の危険性は高いと主張する学者もいる。しかし、この数字だけを取り上げて、社会全体への危険性を云々することはできない。
なぜなら、精神障害者による殺人の7割は家族内で起こっているからである。このことは、精神障害者を抱えた家族がその悩みを外に相談することができず、効果のない、あるいは誤った対処をしがちであり、それによって精神障害者本人と家族の間に激しい葛藤が生まれやすいことの結果である。そのために、精神障害者にとっては、病院のみならず家庭も安らぎの場になりにくい。精神障害者自体が危険なのではなく、精神障害者とその家族に対して適切な援助がないことが問題なのである(滝沢武久著『精神障害者の事件と犯罪』中央法規出版刊、2003年。著者は当事者家族でありケースワーカーでもあり、このあたりの事情に詳しく触れている)。

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7月 02

虚構の精神障害者像を作り出したマスコミ報道の責任①

傷ましい事件が起きるたびに、精神科への通院歴をことさら強調するマスコミの報道に疑問を覚える。

漫画「ブラックジャックによろしく」9巻~13巻にも、こうした問題が描かれているが・・。

下記は、精神科医の高木俊介氏著の「こころの医療 宅配便」からの抜粋である。

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精神障害者とは「何をしでかすかわからない」「危険な存在」で、さらには「犯罪に走ることが多い」というイメージである。特に、世間の耳目を集めるような事件が起こり、その事件の容疑者が精神障害者であったり、その可能性が取り沙汰されると「精神病はやっぱりこわい」「野放しにするな」という世論がいっせいに盛り上がる。
しかし、世間が抱くこのような精神障害者像は、実際正しいのだろうか。私たち精神医療関係者が身近に知っている精神障害者の人たちは、どちらかというと内向的で心優しい人が多い。そして特に統合失調症の人たちは、病気の性質のためになおさらエネルギーが乏しく、引きこもって暮らしており、そもそも激しく攻撃的な犯罪行為に手を染める力すらないという障害を抱えている。
実際に、最近の統計的数字をみてみると、交通事犯を除く刑法犯検挙数に占める精神障害者の割合は、その疑いがある者を含めても0.6パーセントに過ぎない。この数字から、精神障害者全体の中で犯罪行為を行う者の割合を計算すると、一般人口全体の中で犯罪行為を行う者の割合の三分の一以下になるのである。つまり、精神障害者でない人が犯罪を行う割合のほうが、はるかに高いのだ。

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6月 27

5月18日に誰が訪問?青山学区自治連合会役員

自治連合会長へ案内文を送った後、5月18日(土)に青山学区自治連合会役員8人が、精神医療センターを訪問したと、開設準備室の議事録に残されている。

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視察内容はというと

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そして、計13枚の資料が訪問者にそれぞれ配布されている。

こうした資料は、全く住民に知らされていない。

議事の内容については、黒塗りの非公開であった。非公開の理由として、「法人その他の団体に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等の権利、地位その他正当な利益を害するおそれがあるため」 「公にすることにより、県と連合会との信頼関係が損なわれ、今後の事業に支障をきたすおそれがあるため」とのことだ。どう信頼関係が損なわれるのか?そもそもこの8人は連合会で承認されたメンバーなのか?こうした事実を連合会長がしっかり説明責任を果たさないのであれば、県に非公開の不服申立をして明らかにするつもりだ。


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