ユーログループが暫定的な勝利宣言－２カ国の危機克服で

　　10月15日（ブルームバーグ）：ユーロ圏財務相会合（ユーログループ）はアイルランドとスペインへの金融支援が近く終了すると表明するとともに、膨らんでいるギリシャの債務は今後返済されるとの見通しを示した。ユーロを崩壊の瀬戸際に追い込んだ約４年にわたる混乱に対して暫定的に勝利宣言した格好だ。

アイルランドの資金調達市場への復帰は来月に判断される見込みで、同国は補足的な与信枠がなくても自力でやっていける十分な体力があるとみられる。スペインは追加支援を受けずに前進していく意向を示している。当局者が明らかにした。

欧州連合（ＥＵ）の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員（経済・通貨問題担当）は14日、ルクセンブルクで開かれたユーログループ終了後に記者団に対し「両プログラムは思い通りの結果に向けて順調に進んでいる」とし「条件付き金融支援は両国の経済改善の実現を後押ししてきた」と述べた。

ユーロ圏の財務相らはアイルランドが３年間に及ぶ与信枠への依存を完全にやめるか、あるいは金利が再び上昇する場合に備えて与信枠を設定するかについて明示しなかった。欧州中央銀行（ＥＣＢ）のアスムセン理事は「支援脱却を完全に望むか、あるいは市場復帰を円滑に進めるため何らかの支援を望むかを決めるのはアイルランド当局次第だ」と語った。

一方、スペインのデギンドス経済・競争力相は銀行支援プログラムが予定通り年末に終了すると見込んでいると述べた。同国はユーロ圏の救済基金による与信枠1000億ユーロ（約13兆4000億円）から413億ユーロを引き出している。

ユーログループのダイセルブルーム議長（オランダ財務相）はギリシャについて、欧州の債権国は今年12月に資金不足への対処法をまとめることを目指すと説明。ただ最終的な決定は来年１月まで待つことになりそうだとしている。

原題：Euro Crisis Tentative Victory Aired as Irish Market ReturnNears（抜粋）

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更新日時: 2013/10/15 10:00 JST