伊豆大島土砂崩れ 対応などについて川島理史町長に聞きました。
多くの犠牲者を出した東京・伊豆大島での土砂崩れ。この被害を防ぐために、どのような手だてが必要だったのか。焦点となっている大島町の対応などについて、川島理史町長に聞きました。
(1つのポイントは、15日午後6時5分、気象庁と都が「土砂災害警戒情報」を大島町にファクスで流した。町長はこの時、島根県の会合にいたそうだが、これについて、町長は聞いていた?)
はい。その前の(午後)4時前に電話をもらって、さまざまな情報を勘案して、1次配備態勢は指示しましたが、わたしの方で、その6時5分の情報は、その時点では、こっちにいる時には、つかんでおりません。
(町長には、土砂災害災害警戒情報は伝わらなかった?)
はい。事実はその通りです。
(町長は会合に出ていたが、伝えようと思えば、この情報を受け取ることは可能だった?)
当然、1次配備態勢という指示を出しておりますので、これまでの台風の風雨に対する対応からも、当然、それより上の判断を仰ぐ情報があれば、当然、連絡が来るというふうに、当然、思っております。
(土砂災害警戒情報は、町長に伝えるほどのことではないという認識だった?)
現場を、わたしが島外にいるということで預けた職員は、一生懸命判断をして行ったと思いますが、やっぱり認識が甘かった。
土砂災害警戒情報という新たな情報について、平成24年(2012年)に新たに施行したものについては、確かに、この情報が出たら、最終的に町長が判断をするということになっていましたので、そういった意味で、甘かったというふうに思っております。
(そこは、悔やんでも悔やみきれませんでしたよね。こんな大事なことが伝わらなかった)
伝わらなかったというよりも、そういう台風が来ることがわかっている中での島外への出張を自分で決めたことと、それから1次配備しながら、台風が厳しいというのは、次の日は、船は欠航だという話を聞いてましたので、そういうところで本当に認識が甘かった。
これまでの経験だけでの判断で済ましてしまって、本当に亡くなられた方を含めて、被災された方々にも、おわびのしようがないと思っております。
(16日午前0時、都は、気象庁からの情報を受け、大島の雨は尋常ではなく、よりいっそう注意が必要だと、電話で重ねて注意喚起をしている。これを受けて、大島町としては対応をとった?)
当然、夜中(午前)2時の1次配備を含めて、職員が、役場および、各地域の出張所に配置したわけですので。
ただ、大雨の中では、わたしたちも、ここも判断が甘かったと言われればその通りですが、そうした夜中の状況の中で、避難勧告とかということを、これまでやっぱり、きちんと決めてないというか、あの大雨の中でというふうに。
わたしは、現場の職員たちは判断して...、もちろん、消防も配備しましたので、何かが起これば。あと、現場の確認には行っています。
放送も、夜中に一度入れていますが、なかなか周知できなかったということで、この点も、本当にそういう状況のもとでの避難勧告、実際には、防災無線とか広報車での広報になりますので、これは、きちんとこれから検証していきたいと思っております。
(地域防災計画では、情報を受けて、住民たちへの伝達、自主避難を促すということになっているようだが、自主避難を指示することもしなかったということになる?)
事実関係からすれば、注意を喚起する放送は、何度か入れておりますが、自主避難をということは、要するに勧告になりますので、やっぱり、その指示は出していなかったということです。
(自主避難の時には、あの地域では、つばき小学校が避難指定の場所になるそうだが、つばき小学校は、どこも被害を受けていない。そういう意味では、あそこに、たとえ自主避難とはいえ、避難していればという思いは町長にもある?)
つばき小学校は、グラウンドに土砂は入っておりますが、学校自体はあれですし、こういう場合ですと、これまでの氾濫等々になれば、この大島町役場は比較的近いところにありますので、ここも含めて、避難ができただろうということは、ご指摘の通りです。
(神達地区は高齢の人ばかりで、自主避難と一口に言っても、その手段がなければ、本当に難しいと思うが、対応策は練ってあった?)
本来は、勧告の前に避難準備ということで、その時には、そうした要援護者だとか、避難が困難な人を、行政とかボランティアが手伝って、避難をまずさせる。
一般の方は、いつでも避難できる準備をすると。
その次が勧告ですので、本来、そういう形で進めてきました、確認をしてきたわけですから、それが、いつの段階でですね。
われわれも、これまでの島での生活、それから高齢者が多いということで、夜中の避難勧告については、確かに認識が、非常に危険がともなうんじゃないかという判断をしたことは、現場では、そうだったんだろうと、わたしは思っておりますが、もっと早く避難勧告しなかったことを含めてですね。
(前日の夕方だったら、なんとかなったはず?)
当然のことです。
(また、台風27号が発生している。台風26号と同じようなコースを取るのではという情報もある)
けさ(18日朝午前)6時半の対策会議でも指示をしまして、気象庁の情報も、細かい情報も全て分析をして、一番避難を決める会議を持ったところなんですね。
このあと、本部会議等をしますが、きょうのところは、雨が非常に少ないということで、現場の確認をしながら。
ただ、20日が40mmぐらいの雨は確実に降るということで、台風はもちろんですが、想定しますが、まず、きょうからあした(19日)にかけて、今、もう避難所の開設の準備の指示を出していますので、わたしの方で、そのさまざまな雨の今後の流れ、非常に(地盤が)緩んでいますから、雨が降ると、別のところも含めて崩落の可能性がありますので、避難勧告等の準備をしたいと思っています。