交流戦で巨人は澤村、内海を立てて敗れている。そこで主力ナインが推すのが菅野だ。「今のウチで一番いい投手は智之。マー君を倒せるとしたら、あいつしかいない」と力説する。また、別のスタッフは「みんなは智之がマエケンに投げ勝って驚いたかもしれないけど、僕らは誰も意外な結果だとは思わなかった。今度はマー君に勝って、次期球界エースに名乗りを上げてもらいたい」と期待する。

　楽天が日本シリーズに進出すれば、開幕投手は田中が有力。それに対し川口投手総合コーチは、日本シリーズの投手起用について「まだフラット」と白紙を明言した。ＣＳの開幕投手は内海だったが、日本シリーズでは最も状態の良い菅野を指名する可能性は十分ある。

　菅野は「間違いなく野球人生で忘れられない試合になった」と前田健に投げ勝った一戦を振り返ると、次に向けて「昨日以上の投球ができれば勝利に貢献できると思う」と意気込んだ。そんな頼もしい右腕に、原監督の期待も膨らむばかりだ。

「去年、彼は巨人の選手ではなかった。しかし今はユニホームを着て堂々と戦っている。１年前とは（見ている）風景が違う。さらに大きくなってほしい」と語った。

　今季誰もが倒せなかった田中に、スーパールーキーが最後に土を付け、日本シリーズの舞台を“新エース襲名披露”の場とする。そして、チームは４０年ぶりの連続日本一を成し遂げる――。シナリオ実現のためにも、まずは楽天のＣＳ突破を巨人は願っている。