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<金口木舌> 人が住んでいた地2013年10月18日 

 先月、安全保障を学ぶ関東の大学生が宜野湾市の嘉数高台を訪れた。そこで驚き、戸惑ったのは、住宅に囲まれた米軍基地の光景だけではない。「ここには戦前、六つの集落があった」との案内人の説明に、だ ▼学生は国際政治学の教授からこう教わっていた。「普天間飛行場は何もない原野に、米軍が適正な手続きを経て造った。その後、基地からの金を求めて、周りに住民が住み着いた。今になって反対する沖縄の人はおかしい」と
 ▼同様の言説はインターネット上に無数にはびこる。「マラリアのはやる森林・荒地だった」「基地利権に群がる住民」。あまりの無知虚言だが、信じ込む人がいるから厄介だ
 ▼県外だけではない。沖縄国際大学の佐藤学教授が嘆いていた。基地問題に関心を持ち始めた学生がネットで検索すると、こうした流言飛語にぶつかり、信じる傾向があるという。「いかに歴史を学んでいないか」
 ▼言うまでもなく、普天間飛行場は神山や宜野湾、新城などの集落を米軍が接収して造った。戦前は畑や村役場、学校があり、人々の生活の場だった。国の天然記念物の松並木道「宜野湾(じのーん)並松(なんまち)」も通り、先日再現されたように琉球国王が参詣した。今はオスプレイの駐機場だ
 ▼うそも100回言えば真実になるのか。ネット上の悪意あるゆがんだ情報を見抜くには、正しい歴史事実を広めていく必要がある。


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