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医学部新設 東北の医師採用禁止を 教員確保で緊急決議

 東北75市の市長でつくる東北市長会(会長・奥山恵美子仙台市長)は17日、花巻市内で総会を開き、東北への大学医学部新設が実現した場合、教員に東北の医師の採用を禁じるよう国に求める緊急の特別決議案を全会一致で承認した。
 提案した亀山紘石巻市長は「医学部設置には教員となる医師の確保が必要だが、東北各地の医師を教員や診療スタッフにすることで、さらなる医師不足が生じてはならない」と説明した。
 出席した市長からは「医学部新設には200〜300人の教職員が必要になる。東北からの採用禁止が確約されなければ賛成できない」(山本正徳宮古市長)などの意見が出た。
 亀山市長は総会後の取材に対し、「医学部新設が医師不足を招いては本末転倒だ。認可へ向け、不安を払拭(ふっしょく)したかった」と述べた。採用禁止の実現性に関しては「東北以外の医師のほか、外国の医師を招くことも考えれば不可能ではない」と述べた。
 特別決議には新医学部の相当数の学生が、地域医療に長期間従事することを義務付ける仕組みの導入も盛り込んだ。
 医学部新設をめぐっては、安倍晋三首相が今月4日、下村博文文部科学相に検討を指示。これまで財団法人厚生会仙台厚生病院(仙台市青葉区)と東北薬科大(同)が医学部構想を発表した。宮城県医師会などは「教官に多数の医師が引き抜かれ、東北の医療は崩壊する」と反対している。
 総会には68市の市長らが出席した。特別決議はほかに、復興特別法人税の前倒し廃止が実施された場合の代替財源確保や、国際リニアコライダー(ILC)の国を挙げた誘致の推進、福島第1原発の汚染水漏えいの原因究明など6件が承認された。


2013年10月18日金曜日

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