名古屋グランパスは終了間際の失点で仙台に競り負けた。6試合連続で勝ちがなく勝ち点は37。仙台は同44とした。横浜Mが勝ち点で並ぶ広島との直接対決を1−0で制し、同56で首位を奪回。鹿島に勝った浦和が同54で2位に浮上し、広島は3位に後退。C大阪は3連勝で4位に上がった。17位の磐田は川崎に敗れ、次節にもJ2降格が決まる可能性がある。
◆仙台2−1名古屋
悲劇的なロスタイム弾が明暗をくっきりと分けた。敗戦が決まるとストイコビッチ監督は仙台・手倉森監督のもとへ歩み寄った。ともに2008年からチームを率いて6年目。今季限りでの退任が決まっている。
ピクシーは「彼とは試合前のミーティングでも話したよ。仙台を成長させた素晴らしい監督だ」と敵将の力量を認める。グランパスはピクシー政権下で10年に初優勝。仙台も手倉森監督のもとで12年に2位に躍進した。この日の試合が、クラブ史に名前を残す2人の指揮官の最後の対決だった。
仙台が発行した「公式プログラム」の表題には「6年間の集大成、見せるのは仙台」と銘打たれていた。どちらが6年間で培った力を見せるのか、試合前から注目されていた。結果的にシュート数はグランパスの4に対して仙台は19。内容的にも圧倒された。
ピクシーは「ミスが多い。守備ラインも間延びしていた」と嘆く。FW玉田は「向こうの方がチームとしての『形』があった」と完成度に差があったことを認めた。
ロスタイムの失点は相手ロングシュートが前線に残っていたFWウイルソンにつながって生まれた。結末には不運な部分もあったが、1−2のスコアは半ば必然。対仙台戦は最近6戦で2分け4敗にまで落ち込んだ。
試合後の会見でピクシーは「ベンチにいる私に何ができるというのか」と無力感を漂わせた。監督として通算100勝を達成した8月28日の大分戦以降、これで6戦勝ちなし。レジェンドが最後の底力を見せることを、ファンは待ちわびている。 (木村尚公)
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