【渡辺丘】米軍などがパキスタンや中東で多用してきた遠隔操作の無人機による攻撃で、国連が依頼した調査結果が明らかになった。自軍の人的被害をゼロにでき、攻撃側には「便利」な手段だが、相次ぐ民間人の巻き添えに、現地や国際社会の視線は厳しさを増す。「むしろテロをあおる」との批判さえある。
無人機攻撃、民間人479人犠牲マララさんも批判「テロあおる」「この攻撃には、インテリジェンス(情報の収集・分析活動)が不可欠だ」
数年前、アフガニスタンで無人機攻撃に関与する米軍将校は関係国の外交官にこう打ち明けた。動く人を直接狙うため、攻撃直前まで正確な情報が必要になるからだという。
パキスタン領に逃げ込んだ反政府勢力タリバーンを攻撃していた。極めて治安が悪く、直接部隊を送り込むのは難しいという。
米軍は2001年の米同時多発テロ後、無人機攻撃を本格化。オバマ政権になって、軍事費の削減もあり、無人機攻撃を中東やアフリカなどで多用するようになった。
アフガンの首都カブール市内には、内通者を育て、連絡役になる米中央情報局(CIA)の軍事要員がひそかに駐屯。内通者が伝えてくる攻撃目標の動静を即座に、ワシントン郊外のCIA本部に報告していたという。
無人機の操縦は、基本的に米本土から遠隔操作する。戦闘機などの実戦経験者らがモニター室で画面を見ながら行う。カブール郊外の米軍基地などから発進。搭載したカメラやレーダーなどで目標を識別し、ミサイルなどの精密誘導兵器でピンポイントに攻撃する。離着陸の管制は、基地の米軍が担当する。
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朝日新聞国際報道部