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事件
「票の買収ない」 理事長、違法性を否定 徳洲会選挙違反
昨年12月の衆院選で、医療法人「徳洲会」グループの各病院が徳田毅(たけし)衆院議員(42)=自民・鹿児島2区=陣営に職員を派遣、日当などを支給していたとされる公職選挙法違反事件で、医療法人徳洲会理事長の徳田虎雄・元衆院議員(75)が選挙期間中、「今回の選挙は選挙区で票の買収をしていないから、選挙違反に当たらない」という趣旨の言葉を陣営に伝達していたことが20日、関係者の話で分かった。
過去の選挙では票の買収が常態化していたことや、運動員買収については問題視していなかったことを示す内容といえる。東京地検特捜部は、虎雄氏が違法な選挙活動を主導した可能性があるとみて捜査を進めるもようだ。
関係者によると、鹿児島市内の選挙事務所は、「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)を発症した虎雄氏が療養生活を送る湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)と回線で結んでいた。虎雄氏は、文字盤を目で追う形でしか意思を伝達できないが、朝夜の2回、朝礼と終礼という形で病床から具体的な指示を出した。
虎雄氏は一連の選挙区への指示で、現金を選挙区で使って票を買収していないことから、「公選法に触れない」と強調。「安心して選挙活動をしてほしい」などとメッセージとして伝えていた。
虎雄氏は連日、ライブ中継で戸別訪問の成果などの報告を受けた後、「前回選挙の得票数を超えなくてはならない」「どれぐらい差を付けられるかが重要だ」などと檄(げき)を飛ばしていた。また、「選挙の働き具合で評価が変わる」とも伝達して、各職員を鼓舞していたという。
中継の画面を通じて、現地入りしていたグループ病院幹部の姿が見えないことに気づいて激怒したこともあり、「勝手に選挙区を離れる場合は理事長(虎雄氏)に許可を求めること」という指示も出していた。
特捜部はこれまでの捜索で湘南鎌倉総合病院から虎雄氏の発言が記録されているパソコンなどを押収。具体的や指示の内容や指揮系統を調べている。
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