原子力発電の仕組み 原子力の基礎知識 メニュー
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3.3 原子力発電の長所  
少ない燃料で大きなエネルギー
ウラン235は1グラムで石油2000リットル、石炭3トンに匹敵するエネルギーをつくることができます。つまり、質量単位ではウラン燃料は石油の約200万倍、石炭の約300万倍の熱エネルギーを放出します。
また、1キロワット時当たりの発電原価も水力発電が13.6円前後、石油による火力発電が10.2円前後、液化天然ガス6.4円、石炭による火力発電が6.5円程度ですが、原子力の場合は5.9円程度となっています。
(参考:資源エネルギー庁「原子力2001」)

供給が安定している
原子力発電の燃料であるウランは、石油などの化石燃料と同様、海外からの輸入に依存しなければなりません。しかし、ウランは世界中の広い地域に分布しており、カナダ、オーストラリアといった政情の安定した国からの供給を受けることができます。
また、燃料として使ったウランからプルトニウムを取り出して再利用する「核燃料サイクル」を行うことで、ウラン資源の有効利用を図ることが可能となり、さらに安定したエネルギー供給源となります。

二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない
電力中央研究所の試算によると、石油火力発電では、燃料の採取から輸送、発電所の建設、運転、保守などまでのトータルで、1キロワット時あたり約742gの二酸化炭素が発生します。同様に、同じ化石燃料の石炭火力は約975g、LNG(液化天然ガス)火力は約608g、これに対して非化石燃料では、太陽光が約53g、風力が約30g、地熱が約15g、水力が約11gとなっています。原子力については、核燃料サイクルが実施された場合、高レベル放射性廃棄物の処分まで含めても、約22gと試算されています。このように、原子力発電は、地球温暖化の防止の観点からも優れた発電方法の1つであると言えます。

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